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近隣トラブル最大の要因「騒音」
集合住宅の騒音トラブルは大きな問題 |
そうです。録音して記録、証拠を残すことが大切です。そういえば、先頃の奈良の近隣騒音問題でも被害者宅でずっと記録を残していました。あの隣人の女性が非常にうるさかったケースですが、あれは数年間やってやっと捕まりましたよね。あの被害者の方の苦痛は相当なものだったでしょう。
――はい。テレビ等ですごい画像とか見ることができましたね。まさにあのような近隣トラブルの最大の要因として「騒音」があげられます。私のサイトの記事(「隣人にご用心!騒音が死を招く…」にも、ユーザーからの反響がけっこうありました。実は、私自身も以前住んでいたマンションで、階下からの騒音に苦しめられたことがあるんです。
騒音というのは確かに色々あるんですが、これはもう「気になってしまったらどうしようもない」ですね。たとえば東京都の場合、夜間35db(デシベル)以上は音を出してはならない、とか規定はあります。ところが、実際の騒音で、気になるのは一瞬なんです。たとえばピアノなどを仮に長い間弾いていたとして、ピアノの35db以下の音でも耳についたらもうどうしようもないんですね。うちで取り扱った事件で、階上のお宅がゴルフのパターを深夜に練習していたというケースがありました。
ちょうど寝室の上で、上の床がフローリングだったんですね。ゴロゴロゴロコトン、と入るわけです。ところが、騒音を測ってみたら、ほとんど聞こえないんです。騒音計を持っていっても聞こえないんです。「いつ聞こえるんですか」と聞くと、「ほら、あれです。いいですか、いいですか」と、こんな調子なんです。「今、鳴りました、鳴りました」「いやー、聞こえないんですが」「いえ、今、鳴りました」と。それで天井に耳を付けると聞こえるんです。
――それはもう、自分から聞こうという気になっているということですね。
要するに「聞こえてしまう」わけです。もう一生懸命神経を尖らせて、聞こう、聞こうと気にしているんです。我々からすれば何でもない音なんですが、一度気になったらもう気になってしまう。これはもうその人の気持ちの問題で、ダメなんです。よく、うちのほうでも事件で、大衆の中であの人が私の悪口を言った、というのがあります。聞いてみますと何でもないんです。「とんでもない、そんな話はしていない」と言っても聞かない。そういう「思い込み」なんです。
――そうなると、人間関係に問題があるということになりそうですね。
ですから、マンションなどの騒音というのは、本当に騒音がある場合と、お隣さんや階上のお宅と仲が悪くて、気になったら仕方がない、という両方がありまして。この「騒音」の問題は本当に難しいです。
――あの、よく集合住宅では、隣から音がすると思っていたら、ずっと離れた場所からの音だったとかいうことがあるようですが。
はい。それはよくありますね。
――音がどこから出ているか、というのは探ることができるんでしょうか。