第4条 大声を出す訓練をせよ!

防犯ブザーは子どもの必携品!<br>Copyright(c)Illustrated by Yukiko Saeki
防犯ブザーは子どもの必携品!
Copyright(c)Illustrated by Yukiko Saeki
「何かあったら、大きな声を出しなさい」これもよく子どもに伝える言葉です。学校や防犯教室などでも、いとも簡単なことのように言います。しかしながら、大人であっても、思いがけない場所で、予期していない突然の襲撃者に対して、大きな声を出すことができるでしょうか? おおかたの人にはできないことでしょう。それなのに、子どもに対して「何かあったら大きな声をあげるのよ」と、どうして言うことができるのでしょうか?

大人が自分でもできないことを子どもにだけ強いることは、説得力がありません。まず、どうして「何かあったら大きな声を出す」必要があるのか? そこから考えて教えなくてはいけないのです。実際には、何かあったときには、衝撃と恐怖で固まってしまい、声も出せなくなります。ドラマのように、「キャー」とは、簡単には言えないものです。

心理学用語で「インモビリティ~immobility=動けなくなること」と言いますが、動物が襲撃を受けたときに、身を縮めて動きを止めることです。人間も大人ですら、たとえば大きな物音がしたときは、ハッとして動きが止まります。驚愕の事態が起きたときには、声を出すこともできなくなります。これが「インモビリティ」です。

さて、犯行をたくらんでいる人は、実行時には緊張状態にあるといいます。彼らは「音」と「光」を嫌います。これは、ほとんどの「防犯グッズ」「セキュリティ商品」が「音」や「光」を出すものであることでもご理解いただけるでしょう。たとえば、住宅に侵入しようとしたときに「光」が照射されたり、「音」が出れば、犯行を思いとどまる可能性が高いということなのです。

襲撃者はターゲットを「確実に襲うことができる相手」として、子ども(女性、高齢者などの弱者)を選んでいます。たやすくだませる、あるいは言うことを聞かせられる、力で圧倒できる相手として選んでいるものです。まさか抵抗されるとは思っていないところに、予期していない「大声」をあげられたら、襲撃者はひるみます。襲撃者に「インモビリティ」が起きるのです! だからこそ、「大きな声をあげること」は効果があるのです。そして、襲撃者がひるんだすきに、全速力で走って逃げることが望ましいでしょう。

とはいえ、いざというときに声を出せるかどうかは、訓練次第です。布団をかぶってお腹の底から大きな声を出す練習を親子でしておきましょう。また、「もし、声をあげて、相手が逆上したらどうするの?」という疑問もあろうかと思います。これには「インモビリティ」を理解しておくことと、子どもが絶対にそういう状況におちいらないように、十分に子どもの安全対策をしておくことです。そういう場面に遭遇しなければ声をあげる必要もないのです。そこまで心配する親御さんなら、子どもにしっかり安全対策を教えていると考えても間違いではないでしょうか? 


第5条 防犯ブザーを使いこなせ!

また、どうしても声を出せない場合に備えて、強い味方があります。今日、今からでも危険な事態に備えて、できること…「防犯ブザー」を持っておくことです。自分は声を出せなかったとしても、「防犯ブザーで音を出すことはできる」のです。各地の学校で子どもたちに持たせている「防犯ブザー」ですが、手の届かないランドセルの横につけていてはいざというときに使えません。常にすぐ鳴らせるように携帯しなくてはなりません。また、ひもを引くときにどれだけの力が必要か、電池を抜いて親子で練習しておくといいでしょう。

ハンカチやティッシュを必ず持つように、防犯ブザーを忘れずにいつも持っているようになることが理想です。子どもが一人きりになるときには、常に携帯して鳴らせるように持っておくことです。ただ、「学校から配布されたから、子どもに持たせていれば安全」と思っているようでは不十分です。あくまでも「道具」なのですから、使い方をしっかりとわかっていなくてはなりません。電池切れもチェックしましょう。「防犯ブザーを持つ意味」を、子どもも大人も理解しておけば、置き忘れたり、持って出るのを忘れたりといったこともなくなるでしょう。「いざというときに身を守ることのできるモノ」なのですから。


p.4… 第6条 シミュレーションを繰り返せ!/第7条 親子で「安全作法」を身につけよ!