記名した子供の持ち物が事件の発端になることも……

子供が巻き込まれないために親ができる防犯対策とは?

子供が巻き込まれないために親ができる防犯対策とは?

15歳の少女を2年間にわたり監禁していたという埼玉県朝霞市の未成年者誘拐事件。少女のフルネームを把握した経緯について「玄関先にあった傘などで確認した」と話していることが捜査関係者への取材で分かり、さらに波紋を呼んでいます。

私物から名前を知られ、それが犯罪へと結びつく……。悪質化している最近の犯罪動向が映し出されています。今、子供を犯罪から守るために、どうしていくべきなのでしょうか? ヨーロッパの子供の防犯事情も交えながらお伝えしていきたいと思います。


親の反応~書くのも不安、書かないのも不安

私物に名前を書く、ごく当たり前のことから事件へと転じたことに、その動揺は、全国の親に広がりました。ニュースでこの事件について街頭インタビューされた人たちも、
「名前を書くのは当たり前だったのに、今はそれをすべきではないのか…」
「学校グッズは似通っているし、失くすこともよくあるから記名が大事なのに…」
「子供が混乱するので、書かないというのも。判断が難しい…」
書くのも不安、書かないのも不安、という状況が見えてきます。


学校の対応~名札をふせて登下校

学校の方では、すでに対応策を講じているところも出てきています。例えば、朝霞市に隣接するさいたま市。子供たちの登下校時に名札を外させるよう各小学校などに通知を出したそうです。

それ以外にも、全国の小・中学校で、
  • 登下校時には、名札を裏返す
  • 名前が書かれた荷物を内側に向けさせる
  • フルネームではなく、名字だけを書き込むように変更する
のような動きが出ているようです。

事件が明るみに出たのが2016年3月、そしてすぐに新学年がスタートという時期的な背景もあり、新一年生を持つご家庭にとってはなおさら心配でしょう。はじめての登下校、子供も慣れない道に不安ですし、それを見送る親はもっと不安です。


プロの目から見た記名する際の2つの工夫

ホームセキュリティーの大手・セコムでは“記名を避けたい持ち物”として次のものを挙げています(*)。

■記名に注意が必要な持ち物

・ランドセル
・通学帽
・上履き袋
・体操着袋
・手提げ袋
・防犯ブザー
・定期入れ
・衣服、靴
・傘

子供の持ち物の記名には、「人から見えない工夫」と「本人がわかる工夫」の両方が必要と言っています。

犯罪を起こすのも人間、被害に遭うのも人間。本来であれば、犯罪を起こす側を未然に取り締まるべきなのでしょうが、それが完璧にできないので、善良な市民がそこから逃げる形の対策を取らざるをえないのが現状です。子供に何かあってからでは遅いので、やはり「もしも」を考えた対応になってしまうのですね。


海外の学校の名札事情

海外ではどのような対応をしているか、ここで筆者がこれまでに住んだことのあるイギリス、フランス、オランダの例をご紹介したいと思います。

この3国は、いずれも比較的治安のいいとされる国々ですが、日本ほどいいとは言えません。昨今の日本は「治安が悪くなった」のは確かですが、それよりもさらに諸外国の状況はよくない、これが現状です。そんな中、親はどう子供を守っているのか…?

まず、上にも挙げた”名札”、これはもともと存在しません。私服でも制服であっても、内側に名前を書くのが一般的です。また、それ以外の学校グッズも同様で、名前は書くものの表にならない部分に明記しています。

さらに、親は子供の単独行動を避ける形で巻き込まれるリスクを回避しています。


海外では子供は1人で歩かない

例えば、集団登校。日本では朝の典型的な通学風景ですが、ヨーロッパには存在しません。行きも帰りも、親の付き添いが必要です。もし親が来られない場合は、親が託した大人(シッターなど)が付き添います。

また放課後の公園。”子供だけで遊んでいる“ということはまずありません。そこにも大人が付き添います。また、ガードしているのは家の外だけでなく、家の中も同じ。子供だけで留守番をさせてはいけないという法令もあります。国により、年齢設定に多少の違いはありますが、基本的に、小学校の間は、家の外でも中でも、大人が見ていないといけないのです。

たしかに月曜から金曜まで毎朝夕に送り迎えをするのは時間の制約もあり、大変です。朝、家の玄関で見送るか、一緒に学校に付き添うかでは、親の準備の段階で大きな違いが出てきます。子供の準備のみならず、自分も家を出れる格好にならなくてはいけません。

しかし、もし学校側がルールを変え、子供だけで通わせてOKとなったとしても、子供を玄関で「いってらっしゃい」と見送る気になれない、そんな空気がこちらにはあります。肌で感じる危険度というのは、概して当たっているものです。それゆえ、朝夕の送り迎えは、大変であっても、あって当然だと思えてきます。


日本の防犯対策 名札ケアだけでは不十分な時代へ

「最近、日本も物騒になってきた」というのはよく聞く話。昔は、車もたいして走っておらず、子供もたくさんいて、犯罪も少なく、親も自信をもって見送りだせる雰囲気がありました。しかし、今はそうではありません。「安全な国・日本」というイメージが少しずつ崩れ出した昨今、子供たちを守るために親は何ができるのでしょうか。

名前をさらさない、これも有効な策だと思います。しかし、それだけでは不十分な時代が来ているような気がします。

犯罪の急増により、正しく生きている人が追い込まれているのが本当に残念ですが、何かあってから動くのでは遅いのが子供の防犯対策。時代の変化に合わせて、臨機応変に変えていく必要があると感じています。

*参照サイト:http://www.secom.co.jp/kodomo/a/20160418.html



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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。