ほど良い子育ての手抜きの加減とは? 育児放棄やネグレクトとの違い

昨今、子どもへの虐待ニュースが後を絶たず、胸を痛めることが多い中、子どもへ適切な育児を行わない育児放棄やネグレクトという言葉をよく聞きます。一方で行き過ぎた完璧主義の子育ては、子どもに悪影響を及ぼすという言葉も、多くの親が耳にしたことがあると思います。
ネグレクトとは、養育や介護、保護を適切に行わないことを言い、中でも子どもに対して行われるネグレクトを「育児放棄」と言います

ネグレクトとは「児童虐待の4種類の分類(身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待)の中のひとつで、家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど」となっています

子育ては上手に手抜きをすることが大切といわれますが、その匙加減は分かりにくいかもしれませんね。子育てを上手に手抜きする匙加減を分かりやすく、具体的にお伝えしていきます。
 

ネグレクト、育児放棄の定義とは?

ネグレクトとは

児童虐待の4種類の分類(身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待)の中のひとつで、家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど(厚生労働省・虐待の定義と現状より)

となっています。
 
またネグレクトは、子ども以外にも、高齢者、しょうがい者の介護や養育、保護、ペットの世話を怠る場合にも使われますが、子どもに対して行われるネグレクトを「育児放棄」といい、一般的にネグレクトといえば、育児放棄を指して言われることが多いようです。
 

育児放棄も問題だが、行き過ぎた完璧主義の子育てもNG!

「行き過ぎた完璧主義の子育ては、子どもに悪影響を及ぼす」という言葉も、よく聞きます

行き過ぎた完璧主義の子育てとは、何事にも子どもに高い成果を求める子育てのことです。一見これは、良いようにも感じますが、行き過ぎると、悪影響を及ぼします

行き過ぎた完璧主義の子育てとは、何事にも子どもに高い成果を求める子育てのことです。一見これは、良いようにも感じますが、行き過ぎると、子どもはどれだけ頑張っても達成感を持てなかったり、少しでもつまづきがあるとそこから先に進めなくなったり、完璧にできなければ自分を否定したりすることがあります。
 
その結果、情緒面で不安定になり、そこからコミュニケーションも円滑にいかなかったり、能力も伸び悩むことがあります。そして、完璧にできないわが子に対し、親自身もイライラしストレスを抱える結果になるでしょう。

子育ては完璧を目指すより、ほど良く手抜きをした方が、うまくいくことが多いといわれています。ではその匙加減はどのようなことを目安に考えればよいのでしょうか。
 

子どもへの愛情3つの分類

子育てのほど良い手抜き、その匙加減を探る上で、まず、親が子どもに注ぐ愛情について考えてみましょう。子どもへの愛情を大きく「支援の愛」「理解の愛」「自分への愛」の3つに分類し、その過不足から考えれば、子育ての匙加減の目安が分かりやすいと思います。まず簡単に3つの愛情を説明します。
  • 支援の愛
支援の愛とは、子どもが心身ともに、健康に育つ環境を整え、支援することです。
具体的には、成長に合わせた食事や清潔な衣服、安心して住める場所、適切な教育を受けさせること。また基本的な生活習慣が自立させていくように教え導いていくことです。
  • 理解の愛
理解の愛とは、子どもの目線に立って、子どもの気持ちを理解しようとすることです。
子どもの気持ちを完全に理解することはできないと思いますが、子どもが今、何を思い、どのように感じ、どう考えているか、子どもの目線に近づいて、気持ちに寄り添う努力をする愛情と考えてください。
  • 自分への愛
自分への愛とは、親自身が子育てを楽しむことです。
子どもは親の感情を敏感に読み取ります。親がイライラしたり辛そうにしていると、「ボクのせいで、ママはイライラしている」「ワタシがいるから、ママは苦しそう」と子どもは自己否定することもあります。ですので、親自身が、子育てを楽しむようにしましょう。
 

この中で、
「支援の愛」が大きく不足していると「ネグレクト」「育児放棄」へ
「理解の愛」が大きく不足していると「行き過ぎた完璧主義のNG子育て」と考えると、分かりやいでしょう。
 

「支援の愛」が不足すると、ネグレクトや育児放棄へ

「いただきます」のあいさつなどもしつけとして、身につくようこころがけましょう

衣食住の適切な支援と共に、食事が進む雰囲気も大切です

例えば、食事は成長に合った内容のものを適切に準備しているか、それは食事が進む家庭の雰囲気も含め、振り返ってください。また季節に合った清潔な衣服、心身共に安らげる住居、年齢に沿った教育、そして歯みがきや起床、就寝の時刻など、一般的な生活習慣が身につくよう言葉がけしていくことも必要です。

子どもが生きていく上で必要な日常生活の支援、これらに欠けていることがあれば、手抜きのし過ぎ、ほとんどされていなければネグレクトになるでしょう。
 

「理解の愛」が不足すると、行き過ぎた完璧主義の子育て

完璧主義の子育てと聞くと、「過干渉」「過保護」というイメージを持ち、どちらかというと、何かが「不足」より「過多」と感じられると思います。ですが見方を変えれば、それは「子どもの気持ちを理解しようとする」ことが欠けていると言えるでしょう。

例えば、
  • 絶対遅刻させてはいけないと、常に「早く!」「急いで!」といつも言っている。
  • 細部まできちん整った成果の高い結果を求めるために「もっと頑張れ」「更に努力しなさい」と言う。
  • 子どもの話には耳を傾けず、一方的に親の思いや意見を押し付ける。
  • 子どものネガティブな悲しみや悔しさの感情を受けとめず、「それくらいで弱音を吐いてはダメ!」と叱責する

これらは全て、完璧で高い成果を求めるための子どもへの関わりです。このように育てられた子どもは何事にも達成感を持てなかったり、いつも焦っている状態で、落ち着いて物事に取り組めなかったりするでしょう。また子どもの気持ちは抑圧され、本意でない日々を送り、無気力になったり、いつかその感情が爆発することも懸念されます。

親はそのような子どもの気持ちや状況を子どもの立場に立って、感じ、考えるよう努力する必要があります。この愛情が不足すると、行き過ぎた完璧主義の子育てになるでしょう。

この愛情は、不足していても気づきにくいかもしれませんが、その場合は、3つ目の「自分への愛」を振り返ってみましょう。
 

「自分への愛」の不足は、完璧主義の目安に

行き過ぎた完璧主義の子育ては、親自身も「こんなにも私は頑張っているのに、子どもはどうして期待する成果を出せないの?」とイライラしたりし、焦ったり、ストレスを抱え、自分自身を苦しめるでしょう。

そうなると、そのネガティブな感情を子どもは敏感に読み取り、更に親子の関係が悪くなったり、子どもに悪影響を与えることになるでしょう。親も日々の生活を楽しむように、また気持ちが癒されるように自分へも愛情をかけてあげましょう。
 

子育てのほど良い手抜きの匙加減とは?

ほど良い子育ての匙加減、自分の子育てを振り返りながら見つけていきましょう

子育てのほど良い手抜き、匙加減は難しいですが、愛情をチェックしながら見つけていきましょう

「子育てのほど良い手抜きの匙加減は?」といっても目にも見えませんし、人によって、価値観や育ってきた環境でその判断の基準も違うでしょう。ですので、一概に言うのは難しいですが、
目安としてまず最初に「支援の愛」がきちんと満ちているか、そして、次に「理解の愛」と「自分への愛」をチェックすれば、分かりやすいでしょう。子どもも親も笑顔でいられるよう、自分の子育てを時々振り返ってみるのもいいですね。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。