救助の要請について
今回のケースは、殺虫剤による刺激臭ということで大事を免れ、被害者も軽症で済みました。病院に搬送され「酸素吸入」を施された人もいるようですが、ほとんどはとくに手当てを必要としていませんでした。しかし、現場には10台の救急車が出動したわけです。ということは、もし、同じ時間に同じ管内で重病や重傷などの本当に救急車を必要としている人たちがいたとしたら、そちらへの出動があるいは遅れたかもしれないということなのです。道路渋滞なども現場到着が遅れる原因になりますから、違法駐車はしてはいけません。また、ちょっと指を切ったとか、ちょっと具合が悪いとか、自分で対処できたり救急車を呼ぶほどでもない場合に気軽に119番をする人もけして少なくないようです。これは、やはり本当に必要としている人たちへの救助活動が遅れてしまうことになりますので、緊急性についてよく考えるようにしたいものです。ウソの通報、いやがらせやいたずらによる通報も少なくないようです。もちろん間違ってもタクシー代わりに出動を要請するようなことはしてはいけません。
携帯電話による通報
携帯電話の利用者が増えて、110番や119番への通報も携帯電話からのものが大幅に増加しています。固定電話だと場所を特定しやすいのですが、携帯電話では場所の特定が遅れてしまい、出動時間にも差が出たり、現場到着が遅れることもありえます。Yukiko Saeki(c)Yukiko Saeki
全国の警察署が昨年1月から11月に受理した110番でのレスポンスタイム(パトカーなどに出動を指令してから警察官が現場に到着するまでにかかった時間)は、7分18秒でした。これは記録の残っている1972年以降、もっとも時間がかかっていることが警察庁の調べでわかりました。また、計8,491,898件の通報があり、年間で初めて900万件を越す見込みとなっています。一日平均25,425件の通報があり、国民の約15人に1人が110番通報していることになります。
レスポンスタイムは平成12年以降、急に時間がかかるようになっています。これは携帯電話からの通報が増えて、現場を把握するのに手間取るようになったからだということです。過去3年間で1分以上遅くなっているのです。昨年(1月から11月)は約463万件で、110番全体の54.5%で2年連続で過半数を占めています。
通報の際は、現在の位置をできるだけわかりやすく詳しく伝えられるように、住居表示を探したり、付近の幹線道路や通りの名前、交差点の名前、目印になるわかりやすい建物などの名前、などをすぐに思い出せるように心がけましょう。
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