催涙スプレーといえば「異臭騒ぎ」を思い起こす人が多いかと思います。実際に、マスコミで取り上げられるのは、人のいる場所で噴射して、多数の人が被害をこうむった、という事件ばかりです。しかし、先頃、肯定的な意味合いで初めてされた報道がありました。その他、最近の話題をいくつかお伝えします。

ケース1 あっぱれ女子大生!

催涙スプレーが本来の護身用防犯グッズとして正しく利用され、その結果、犯人逮捕に至ったという事件が報道されました。6月24日午後11時40分頃、都内に住む24歳の女子大生が自宅に帰ろうとマンションのエレベーターに乗ったところ、続けて乗り込んだ男に、エレベーター内で押し倒されました。

馬乗りになった男に対して、女性は持っていた外国製催涙スプレーを噴射。男は逃走しました。男は近くの建物の水道で洗い流そうとしましたが、目などの痛みに耐えかねて、自分で119番通報をして救急車を要請。救急車が到着して乗り込もうとしたときに、女性が110番通報したパトカーが到着、わいせつ未遂事件の現行犯として逮捕されたものです。男は無職の25歳でした。

この事件は、「催涙スプレー」がいい意味で、報道された初めてのケースではないでしょうか。元々「護身用防犯グッズ」「防犯スプレー」として、被害を未然に防ぐことが目的のものですから、実際に正しく利用されたとしても事件として成立しないので、報道されないのは当たり前といえば当たり前なのですが。たまたま、男が自分で救急車を呼んだ、という点、同時に到着したパトカーに捕まってしまったという点などが、報道価値があったということでしょうか。

“ここ”がよかった!

しかし、注目すべきは、わいせつ被害を受けるところだった女子大生です。エレベーター内で男が彼女を押し倒すまでさほど時間はなかったはずです。エレベーターに乗っている時間は数十秒からせいぜい1~2分ですから、男は乗り込んですぐにも襲いかかったのではないでしょうか。

すると、おそらく女性は催涙スプレーをすでに手にしていたのではないでしょうか。もしくは、エレベーターに男性が乗り込んできたときに、すぐさまバッグを開けスプレーを取り出したか、でしょう。あるいは、夜道を歩いているときから、男の尾行に気がついていて、すでに手にしていたのかも知れません。

いざというときに、持ってはいるけれどもバッグの中で、取り出すのに時間がかかる…のでは、意味がありません。常々、私も言っておりますが、「危険が予測されるときに手にしていること」を、この女性は実行していたのだと思います。

マンション暮らしで、帰宅が遅くなること、夜間の一人歩きもよくあるということで、防犯意識が高い女性だったのでしょう。被害を未然に防ぎ、犯人逮捕に至った、催涙スプレーの効果をあらためて認識できた事件でした。



ケース2 最高齢のスプレー犯?

普通、「異臭騒ぎ」「催涙スプレー事件」というと、十代などの若者が噴射して、というケースが多いでしょう。しかし、昨年末、岐阜県内で起きたケースはおそらく今までで最高齢者による、スプレー噴射事件ではないでしょうか。詳しくは次ページで。