平成15年10月21日(火)新宿歌舞伎町ロフトプラスワンで、映画「歌舞伎町案内人」の制作発表が行われた。日本のメディアだけでなく、中国系のメディアも集まり、会場は熱気に包まれていた。
映画「歌舞伎町案内人」制作発表記者会見 (下段左端が原作者の李 小牧氏) |
俳優陣には、中国人妻“愛梅(あいめい)”役に李 丹(り たん)さん、“マナブちゃん”役に舞の海さん、“劉 剛(り がん)”役に山本太郎さん、日本人妻“ユキ”役に坂井真紀さん、そして“ナダカ刑事”役にガッツ石松さん、と味とクセのある魅力にあふれた人材を揃えている。
主役の李 小牧氏の役には、「電波少年」などでおなじみの「チューヤン」こと李 暁強(り しゃおちゃん)さん(下段右から二番目)が抜擢された。
初めて上京したときに、歌舞伎町で恐いお兄さんに3万円をだまし取られたという経験を持つ舞の海さん。「今回は上手い中国語、下手な日本語、少し上手くなった日本語と3カ国語を覚えなくてはならなかった」という山本太郎さんは「金城武さんの日本語くらい中国語が上手くなりたい(笑)」と抱負を語った。「童顔なので、どうやって老け顔を作るかが悩み」という坂井真紀さん。「原作者の李さんがとてもカッコイイので、お会いするのが楽しみでした。今日、初めてお会いしたのですが、とてもステキで…嬉しいです(笑) ハイ」
(左から)李丹さん、ガッツ石松さん、山本太郎さん、坂井真紀さん、チューヤンさん、舞の海さん |
中でも、“ナダカ刑事”役のガッツ石松さんのコメントは印象に残った。
「高級ホテルなどでなく、歌舞伎町のど真ん中のこうした場所で制作発表をすることに実に意義があると思う。自分自身が過去に歌舞伎町でサパークラブを経営して、その筋の人が毎日来て、3ヶ月でつぶれてしまったことがある。
この街で継続するということはどれだけの苦労があったことか。外国人としてこの歌舞伎町でやってきて、ついには映画の主人公、原作者にまでなったという李さんの、映画や本には表現しきれない大変だったろう部分に胸が熱くなる。映画が完成したらぜひ、酒でも飲みながらそのへんの話を聞いてみたい」と、人間味に満ちた言葉だった。
そして、「歌舞伎町は私にとって大学のようなもの。まだまだ勉強中で、この先もずっと歌舞伎町で勉強していきたい。この街で生きてきて、これからも生きていく。この街の魅力を広く知って欲しい」という、原作者・李 小牧氏の思いが映画に活かされることを期待したい。
公開は来年4月頃の予定。現在、連日、歌舞伎町のどこかで撮影が行われている。
※会見後に、李氏に直接、お話を伺ったところ、「この映画の主人公は、本当は私以外、他の誰にも演じることができないくらい難しい役どころだと思う。私は日本語も中国語も話せるし、バレエダンサーという演技者としての経験もある。出来れば自分がやりたかった。どのような仕上がりになるか、魅力が引き出せるかどうか、結果を見るしかないでしょう(笑)」とのこと。
実は、私自身も、原作を読んで、李氏にお会いしてみて「チューヤンさんはあまりにもイメージが違うのでは?」という疑念を捨てきれないでいる。張監督にそう尋ねたところ、「いや、彼はなかなかがんばっていますよ」とのことだったが…。制作は進んでいる。
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