防犯/防犯小説

夢は現実だった!? 被害を受けたのは誰? 窓からの恐い夢?後編(3ページ目)

侵入被害の“夢”を見た女子大生の“夢”は“現実”だった!? ある事実が判明する。夏の夜に窓を開け放すことの恐怖! ひとり暮らしの女性へ防犯の基本を警告!

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

夢ではなく現実

恐ろしい…
恐ろしい…
A菜はとくに霊感が強いと言うほどでもなかったが、金縛りには何度かあっていた。

あのとき見た夢…。あれは、夢であって、夢ではなかった。隣の部屋で現実に起きていたことだったのだ。隣室の女性が助けを求めようと、壁を叩いたのか。それとも、男が襲った瞬間に偶然、体のどこかが壁にぶつかったのかもしれない。いずれにしても、刃物を突きつけられて、女性はそれ以上の抵抗ができなかったに違いない。

あのとき、壁を隔てた隣の部屋で、女性が襲われていた…。そして、あの低い「ドンッ」という壁を叩く音。

(もし、あの晩、窓を開け放していたら…。被害者は隣人ではなく、私自身だったのかもしれない)

それに、もしかしたら、最悪の場合、殺人事件となっていたのかもしれなかったのだ! A菜は身震いをして、ベッドの向こうの壁を見た。恐ろしさがよみがえってくるようだった。

A菜は早々に引っ越すことにした。できるだけ、3階建て以上の建物で3階以上に住みたい。そして、建物の玄関からだけでなく、塀などを伝って窓から侵入されないような部屋がいい、と部屋探しは慎重にするつもりだ。

黙って、警察には届け出ずに引っ越していった隣室の女性。彼女は、今、どうしているのか。警察はいずれ、彼女の元に行くのだろう。“強姦”は“親告罪”だ。被害届を出すことになるのだろうか。それとも、思い出したくもない過去のこととして届け出をしないのだろうか。

(もし、自分だったら?)


窓のカギをかけないでいると恐ろしいことになる…。A菜は複雑な思いでベランダの窓を見つめていた。


窓は開け放さないこと!

集合住宅の各戸には、通常、玄関とベランダあるいは窓の少なくとも二つの出入り口があります。出入り口とはすなわち“侵入口”なのです。エアコンが苦手だからとか、建物の2階以上だからと安心して窓を開け放すのは危険きわまりないといえます。

たとえ高層階であっても、集合住宅である以上、上下左右、どこかがつながっているのです。隣戸に入った侵入者がベランダ伝いに侵入してこないとも限りません。

何階であろうとも窓を開け放すことは、侵入被害を受ける可能性があるということです。カギをかけていても、窓ガラスを割られたりして侵入されるのですから、窓が開いているということは、泥棒などの侵入犯人からすれば手間いらずということになります。女性なら、窃盗被害のほか、性被害を受ける可能性があるということを決して忘れてはなりません。


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