このシリーズでは、初級シスアドなどIT関連資格を取るときに必要な業務知識をご紹介します。前回は販売管理の概要をご紹介しました。今回は、製造業に必要な生産管理の概要についてご紹介します。まずは、生産管理とは何かを理解してください。

まずは計画づくりから

どんな活動でも必ず計画づくりから始まります。製造業の生産活動も、まずは生産計画づくりから始まります。ただ、製造業の場合は生産形態(見込生産や受注生産)や生産するもの(部品組立や加工、飲料、食品など)により生産計画の作り方が変わってきます。
そのためここでは、一般的な生産計画について説明します。その生産計画には次のとおり大きく3つあります。

■大日程計画
半年から1年程度の長い期間で生産を考えます。ここでは、経営戦略や経営計画に沿った計画を作ります。例えば、今まで若者向けの製品中心だったがこれからは中高齢者向けの製品を作っていくという経営計画が作られた場合、中高齢者向け製品を作るための設備などをそろえる必要があります。大日程計画では中長期に渡っての設備計画や人員計画などが中心になります。

■中日程計画
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生産計画は生産のスタート
中日程計画は、来月から3ヶ月程度先の生産計画です。ものを作る場合、部品や原材料が必要になります。すぐに購入できるものであればいいですが、発注してから日数がかかるものは先に手配(発注)する必要があります。中日程計画では1ヶ月~3ヶ月程度先の生産計画を作り、時間がかかる部品や原材料の発注を行います。

■小日程計画
小日程計画は、明日や来週の生産計画など直近の計画を作ります。ここでは具体的に、いつ、なにを、いくつ作るかを計画します。また同時に、人員(だれが作るか)も決めます。
大日程計画や中日程計画は、ある意味設備や原材料の調達を中心に計画しますが、小日程計画は実際に物を作るための計画であり、確定計画です(原則変更しない)。

このように生産計画には大きく3つありますが、コンピュータシステムでこのような計画を作ることもできます。その場合、スケジューラというソフトウェアを使うことが多くあります。スケジューラでは、生産に必要な条件(ものを作る順序、必要な部品や原材料など)を予め登録しておき、オーダー(生産依頼)に基づき、数ヶ月先までの生産計画をコンピュータで作ることができます。
尚、このような業務知識は、シスアドやアプリケーションエンジニアなど高度情報処理技術者試験の午後試験で役立つと思います。ぜひ、生産計画の概要程度は理解しておいてください。

計画どおりに進んでいるか?

生産計画はものづくりのための計画ですが、何事も計画どおり進んでいるかのチェックが必要です。それを行うのが「工程進捗管理」です。工程進捗管理では、生産計画(主に小日程計画)で作られた単位で、どこまで生産が進んでいるかをチェックします。
例えば、12月1日に製品Aを100個、製品Bを200個作るという計画を立てた場合、12月1日にそれぞれの製品が計画どおりできているかを、1時間ごとにチェックします。

また、製品を作るために複数の工程があった場合(例えば、自動車を作る場合のエンジン組立工程、ボディー取り付け工程、タイヤ取り付け工程など)、前の工程が遅れると次の工程も遅れてしまいます。そのため、工程ごとに作られた生産計画(エンジン組立は12月3日までなど)どおりにできているかチェックします。もし、遅れていればその原因を調べ、計画どおりに作れるように改善活動を行ないます。

大きな工場では、生産現場にコンピュータなどの端末をおいておき、作業の開始と終了を入力し工程進捗情報を収集し管理するシステムを使っています。これは、POPシステムと言われ、工程進捗管理システムによく使われる方法です。情報処理技術者試験に、POPなどのシステムのことが直接出題されることは少ないでしょうが、製造業の工程進捗管理にこのようなコンピュータシステムが使われていることは理解しておいてください。

今回は、製造業の基本的な業務知識として、生産管理と工程進捗管理について説明しました。高度情報処理技術者試験の午後試験などでは、このような業務知識を知っていると有利な面もありますので、ぜひ理解しておいてください。

<関連リンク>
資格に役立つ業務知識:生産管理概要
資格に役立つ業務知識:販売管理概要
資格に役立つ業務知識:受注受付業務
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