なお、伝統的なお正月の風習は、新年を司る年神様をお迎えするためのものです。正月飾りは、それにふさわしい清浄な場に飾るものとされているので、必ず大掃除を済ませてから飾ってください。
「門松」の適切な飾り場所は?
門松は、年神様に迷わず来ていただくための目印・案内役です。【○】正しい飾り場所
門松は門または玄関先(外側)の両脇に、一対で置くのが基本です。
マンションなどの集合住宅の場合、建物の門またはエントランスの外側の両脇に、マンションの管理組合や大家さんが設置するケースと、各戸のポーチや玄関ドアの外側の両脇に各家庭で設置するケースがあります。ただし、ポーチや玄関ドアの外側は共用スペースのため、管理規約で設置可能か確認してください。外側に置けない場合には玄関の内側に飾って、神様は何でもお見通しだと考える方法もあります。
【×】避けるべき飾り場所
極端な例になりますが、玄関の真ん中のような年神様の通行を妨げる場所は不適切です。
「しめ飾り・しめ縄」の適切な飾り場所は?
しめ飾り・しめ縄は、年神様をお迎えする神聖な場であることを示すもの。いわゆる結界の役割があります。【○】適切な飾り場所
しめ飾りは玄関先(外側)に飾るのが基本です。玄関のつくりによって、玄関のドアに取り付けたり、玄関の上に飾ったり、玄関の脇に飾ったりする方法があります。
しめ縄は、神様をお祀りする神棚に取り付けます。また、竈(かまど)の火を司る荒神様を祀る意味で台所に飾るところもあります。
輪飾り(細いしめ縄を輪にしたものに垂れがついている小型のしめ飾り。輪締め)を、部屋、キッチンなどの水回り、門松と組み合わせて飾る場合もあります。
【×】避けるべき飾り場所
神道の飾りなので、仏壇に飾るのは不適切です。
「鏡餅」の適切な飾り場所は?
鏡餅は、年神様が宿るところ・居場所になります。【○】適切な飾り場所
メインの鏡餅は、床の間か神棚に飾ります。床の間や神棚がない場合には、家族が集まるリビングに。また、小さな鏡餅を台所や書斎、子ども部屋など、年神様に来ていただきたいところに飾ってもOK。たとえて言うなら、メインの鏡餅はお布団、小さな鏡餅は座布団のようなイメージです。
【×】避けるべき飾り場所
家の下座となる玄関、テレビの上のような騒々しい場所、足元など見下すような低い場所は不適切です。大切なお客さまである年神様をそのような場所に居させてはいけないからです。
正月飾りをトイレに飾っていいの?
不浄とされるトイレには、しめ飾りや鏡餅を飾らないのが一般的ですが、家族の健康を支える場と考え、飾る家も少なくありません。トイレの神様(便所神、厠神などと呼ばれる神様)への信仰から、トイレ用の神棚がしつらえてある家もあります。正月飾りには、家や地域によるしきたりの違いもあります。分からないことがあったら、世代が上の方々に聞いてみてください。
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