ガーデニング・園芸

愛情ゆえの水のやりすぎも注意!観賞用植物の“誤食”の危険も!? ガーデニングの失敗あるある8例

人生に失敗はつきもの。趣味のガーデニングも例外ではありません。愛情深いがゆえの水や肥料のあげすぎ、観賞用植物の誤食など……ビギナーからベテランまでやりがちな失敗例を集めてみました。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

花いっぱいの庭に自家製の野菜や果物―― そんな憧れのガーデニングライフだったのに理想と違って失敗ばかり、なんて落ち込んでしまうことはありませんか? 初めて挑戦することに失敗はつきものですし、気候など外部環境にも影響されるガーデニングは、作業に慣れたからといって失敗がゼロになるものでもありません。

だったら、失敗にいちいち凹むより楽しまなきゃ損でしょう。きっと明日の糧になる、ガーデニングの失敗あるあるをどうぞご覧ください。
 

やりがち失敗1:たった1回の“うっかり”が命取りに!?

水やり

ガーデニングでの失敗は、水やりによるものが多い

「悪気はなかったんです。本当にたまたま今日は水やりを忘れて……。帰ってきたらしおれていたんです(泣)」

あぁ……貴方の方がしおれているではないですか。わかります、わかりますよ、その気持ち! 水やりを忘れてしおしおにというのは、本当によくある失敗です。でも植物によっては、その1回のうっかりが命取りになることもありますからね。

このうっかりへの処方箋は「目につく場所に置く」こと。水を入れたジョウロと一緒に玄関先に植物を置いておけば、出掛けの慌ただしいときでも水やりができます。鉢植えの数が多い場合は対処しきれないかもしれませんが、気づきにはなるはずです。
 

やりがち失敗2:可愛くてつい、毎日水やりを……

毎日、お気に入りの鉢植えに可愛いね~と声をかけながら水をあげているんです。でも最近、何だか元気がなくなってきて……

水やりというとさらにこんな失敗も。毎日声をかけるのは構いませんが、水やりは本当に毎日必要でしたか? 鉢植えの水やりは「鉢土が乾いてからたっぷりと」が基本です。鉢土が湿っている状態で水やりを続けると、根腐れを起こしやすくなります。

愛情深いがゆえの失敗かもしれませんが、水やりはガーデニングの基本ですから、しっかりおさらいしておきましょう。

▷参考:「植物や花の水やりの基本、時間と方法は?
 

やりがち失敗3:えっ! サボテンに水が必要だったの?

サボテンの寄せ植え

サボテンは乾燥を好むとされているが……

サボテンとかエアープランツには、水が要らないのかと思っていました!

サボテンもエアープランツも、「植物」という生きものなので生存のために水を必要とします。これらは、極端に雨量が少ないなど厳しい環境でも生存できるように進化してきた植物たち。乾燥を好むというより、「乾燥地に適応した」というのが正しいでしょう。

目に見えてしおれる草花と違い変化に気づきにくいかもしれませんが、サボテンの色が薄くなりしぼんだ感じがするなら水不足です。ぜひ、管理方法を見直してみてください。

▽参考
サボテン・多肉植物を楽しむ
インテリアで人気、エアープランツの育て方・楽しみ方
 

やりがち失敗4:たっぶり肥料をお食べ!

早く大きくなってほしくて、たっぷり肥料をあげたんですよ! なのに、大きくならないばかりかグッタリしてきちゃって……

それは肥料のあげすぎです。肥料は植物の生育を助ける栄養素を補う役割がありますが、どうも「肥料=栄養=植物のご飯」という思考サイクルが働いてしまうようですね。必要以上に肥料を与えても、食の細い人に過度の食事を無理強いするようなものです。

人が胸焼けしたりお腹を壊して元気をなくすように、植物も「肥料やけ」などの影響が出ます。市販の肥料には、与える時期など使い方や使用量が記載されています。この用法用量を守り、与え過ぎることのないようにしましょう。

使い方次第でその後の生育を左右する肥料、こちらも基礎をしっかり押さえておきましょう。

▷参考:「ガーデニングの肥料の種類と作用
 

やりがち失敗5:種をまいたらエライことに!

発芽

密集して発芽すると間引きも大変

初めての種まきで不安だったのでちょっと多めにまいたんです。そしたら芽がミッチミチに……

新しい土に新しい種をまくのですから、種袋にある発芽率程度に発芽するはずなのですが、保険のつもりで多めにまいてしまうという、ちょっと微笑ましいビギナーの失敗あるある例です。また、細かい種だと手元が狂って一箇所にまとまって発芽してしまうこともあります。

芽が密集していると間引きも大変なので、刃先の細いはさみで地際からカットして間を開けてあげましょう。

▷参考:「ガーデニングの種まき・苗の植え付け方法!種の種類や選び方とは
 

やりがち失敗6:助けて! 虫が大量発生

収穫を楽しみにしていたのに、どれも虫食いだらけに……

こちらは家庭菜園での失敗例。アオムシやヨトウムシ、アブラムシなど、虫による被害の発生も多々あります。

数が少なければ対処もしやすいため、葉裏や株元をよくチェックして“早期発見”に努めましょう。また、栽培の早い段階から防虫ネットで囲ったり、適度に株間を開けて風通しを良くする、コンパニオン・プランツを活用するなど、虫が大量発生しにくい環境づくりも大切です。土中のチッソ過多も虫害を引き起こす要因になるので、栽培に適した土作りにも留意しましょう。

それでも発生したなら、トラップを仕掛ける、自然農薬を使うという方法もあります。また近頃は食品原料、植物原料の農薬も市販されていますから、自分にあったものを使いましょう。

▽参考
自然農薬の作り方と使い方…酢などを活用する方法
病害虫にコンパニオン・プランツ
 

やりがち失敗7:大量のキュウリ!トマト! 栽培には成功しているけどやっぱり失敗?

家庭菜園のキュウリ

取り忘れたキュウリは一日で巨大化することも…

念願だった家庭菜園を始めたら、取っても取っても追いつかないくらいの豊作に! 家族も食べるのに飽きてしまったみたいで……

こちらは失敗というか、嬉しい誤算でしょうか。トマトやキュウリは時期になると自家製をご近所からお裾分けいただくことも多い定番の作物です。

それほど育てやすいといえますが、それゆえに作付け計画にも注意が必要です。消費に困るといったことのないように、家庭菜園では「様々な作物を少量植え」することを心掛けましょう。
 

やりがち失敗8:君の名は。何の芽だっけ? 誤食の危険性も!?

アスチルベ

このときの正解は、アスチルベでした……

えっと、植えたときは確実に覚えたと思ってたんだけど……。これって、何の芽だったっけ?

最後は、ビギナーだけじゃなくベテランガーデナーも気をつけたいあるある。植えつけたときは「大丈夫、忘れない!」と謎の自信をもってしまうのですが、人は忘れる生きものです。特に頭に「ア」が付く植物などは、脳内で「アルストロメリア、アルメリア、アストランティア……いやいや違う」といったことが渦巻き、口から出るのは「ア……ア……」だけということもしばしば。

こういった事態を防ぐには、面倒でも植え付けるときにネームタグをつけておくこと。これに尽きるでしょう。観賞用と食用を近接して栽培している場合は、誤食の危険を回避するためにも「植えたら名札」の癖をつけておきたいですね。

▷参考:「ありえない!? 誤食の危険


いかがでしたか? 「そうそう!」と思い当たる失敗も多かったのではないでしょうか。他のみんなもやったことがある、と思えば気持ちも楽になりますよね。「失敗は成功の元」と切り替えて、ぜひガーデニングを楽しんでください。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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