なぜ「ポケットWi-Fi」なのか
「ポケットWi-Fi」イメージ(出典:無料イラスト「イラストAC」)
ポケットWi-Fiは工事が必要なく手軽に導入できるので、ワンルームマンションなどにお住まいの方は「すぐに利用できる」「面倒な手続きや設定が必要ない」という理由でポケットWi-Fiを利用する人が増えてきています。
ところが、せっかく導入しても、ポケットWi-Fiは速度が出ないこともあります。以下にその原因と対処法を7つ挙げていきます。
<目次>
1. Wi-Fiルータ自体に問題はないのか
2. ポケットWi-Fiが速度制限になっていないか
3. エリア範囲外になっていないか
4. 障害物が近隣にないか
5. 電波の干渉はないか
6. ポケットWi-Fiの種類を適切に選択しているのか
7. ほかのポケットWi-Fiに乗り換えることはできないのか
1. Wi-Fiルータ自体に問題はないのか
「ポケットWi-Fi」ルータのイメージ(出典:無料イラスト「イラストAC」)
まずは、Wi-Fiルータのファームウェアのアップデートがないか確認しましょう。また、一旦Wi-Fiルータの電源を切った状態で電池を抜き、しばらくしてから取り付けて再起動をしてみましょう。
2. ポケットWi-Fiが速度制限になっていないか
ポケットWi-Fiが速度制限になっている可能性も(出典:無料イラスト「イラストAC」)
「どの程度使うと利用制限がかかるか」「どの程度の期間で元に戻るのか」は、キャリアの契約によって異なりますので、自分の1カ月の利用容量と共にキャリアのポータルサイトでチェックしてみるといいでしょう。
3. エリア範囲外になっていないか
基地局イメージ(出典:無料イラスト「イラストAC」)
都市部では同じエリア内に数カ所の基地局があることが多いので、移動により電波状態が悪くなることはほとんどありません。しかし郊外では基地局が少ないので、移動すると電波が途切れがちになります。また、エリア内に基地局が1基しか無い場合、その基地局がメンテナンスに入ってしまうと、全く繋がりません。
旅行など郊外への移動が多い場合は、事前に利用しているポケットWi-Fiの公式ホームページで利用可能エリアを確認してみてください。
たとえば、UQ WiMAXであれば対応エリアはこちらで検索できます。
4. 障害物が近隣にないか
ビル群は大きな障害物(出典:無料イラスト「イラストAC」)
筆者の経験ですが、半地下の会議室でWiMAXを利用したところ、遅くてほとんど利用できない状況でした。窓の半分位は地上だったので、「多少遅いくらいかな?」とも思いましたが、駄目でした。ホテルの窓の外に、すぐ隣にビルの壁面が見えるような環境でも、同様の経験をしたことがあります。
自宅でも、できるだけ窓に近い位置で利用したほうが快適に利用できます。特にワンルームマンションは、多くの場合一面しか屋外に面していないでしょう。他の面からは電波が入って来ませんので、なるべく窓際にWi-Fiルーターを置くようにしてください。
5. 電波の干渉はないか
電波の干渉イメージ(出典:無料イラスト「イラストAC」)
・デジタルコードレス電話
・ワイヤレスモニター
・無線LAN機器
・電子レンジ
・ワイヤレスAV機器
・無線マウス
・無線キーボード
・Bluetooth機器
干渉する機器は、非常に多数に及んでいます。皆さんのポケットWi-Fiの近隣にこれらの機器はないでしょうか? もしあれば、少なくとも3~5mは離してみてください。特にデスク回りに多いのではないでしょうか?
また、ポケットWi-Fiのルータには、利用する周波数帯を2.4GHz帯から5GHz帯に切り替える機能を持つ機種もあります。その場合は、一度試してみてください。速度が向上する可能性があります。
ただ、筆者の経験からすると速度が遅い原因の多くは基地局からの電波が弱いことによるもので、5GHz帯に切り替えてもほとんど効果がないことが多いと感じています。また、5GHz帯は2.4GHz帯よりも障害物に弱い特徴がありますので、ワンルームマンションなどで利用する場合に限り有効と思われます。
6. ポケットWi-Fiの種類を適切に選択しているのか
UQ WiMAXのホームWi-Fiルータ Speed Wi-Fi HOME 5G L12(出典:公式サイト)
・LTE回線は障害物に強い700~900MHz(通称:プラチナバンド)を使っている。ただし、WiMAXより速度が遅い場合がある。
・WiMAX回線は、障害物に弱い2.5GHzを使っている。
・WiMAXはLTEより障害物に弱いので、ビル等が密集しているエリアでは電波が弱くなり、通信速度が遅い。
LTE回線/WiMAX回線のどちらを使うかは、自分の環境に合わせて選択をするとよいでしょう。
なお、WiMAXはWiMAX2+とauの4G LTE回線という2つの回線を組み合わせて通信するモードがあります。これを「ハイスピードプラスエリアモード」といい、規格上は下りで最大1.2Gbpsとなっています。
月間で7GBまでしか使えないという制約はありますが、WiMAXが遅い/繋がらないときは加入してみるとよいでしょう。追加のオプション料金は1000円くらいです。
7. ほかのポケットWi-Fiに乗り換えることはできないのか
最後の手段(出典:無料イラスト「イラストAC」)
一番大きな原因は、上にも少し書きましたが、利用する場所です。エリア内であっても、もともと電波が届きにくいスポットがあります。筆者の経験からすると、「ビルの谷間」「高圧電力を使っている駅などノイズの多い環境」は、どうにもならない場合がありました。そのスポットが自宅である場合は、移動もできませんので、どうやっても速度の改善は望めません。
そこで、どうにもならないときは、「無料お試し期間あり+解約無料」のポケットWi-Fiを取り寄せて比較し、よければ乗り換えるという強引な方法があります。
「ポケットWi-Fi 無料お試し」といったキーワードでインターネット検索すると、たくさんでてきますので、参考にしてみてください。その際、くれぐれも契約をよく読み、違約金が発生しないか確認してください。
それでも駄目な場合は、自宅のみの固定回線になりますが大人しく光回線を検討しましょう。ポケットWi-Fiの宣伝を見ると、最新技術/高速といった文言をよく見かけますが、「必ずしもそうなるとは限らない」というのが筆者の実感です。
【おすすめ記事】
・家庭用Wi-Fiで「やってはいけない」NG行為7つ
・Wi-Fiの電波はアルミホイルで強くなる? 電波強度を上げるには
・Wi-Fi(無線LAN)の接続が切れる原因と解決方法
・テレビをインターネットに接続する方法! Wi-Fiと有線のどちらが良い
・フリーWi-Fiとは? 使っても大丈夫? 外でWi-Fiを見つける方法や注意点を解説