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Wi-Fiの電波はアルミホイルで強くなる? 電波強度を上げるには

「アルミホイルを反射板として利用する」とWi-Fiの電波強度を上げることはできるのか? Wi-Fiの電波を強くする方法は様々だが、アルミホイルを利用する方法は昔からよく話題に上がる。今回は、実際にアルミホイルの反射板を自作して徹底検証した。

岡田 庄司

執筆者:岡田 庄司

LAN・無線LANガイド

Wi-Fi(無線LAN)の電波強度を上げるにはアルミホイルが有効?

Wi-Fiの電波を強くするにはアルミホイルが使える?

アルミホイルで電波を反射させる工夫

【目次】
Wi-Fi(無線LAN)の電波は四方八方に広がっていくため、家のどこにいてもインターネットに接続できる。しかし、Wi-Fi(無線LAN)の親機を家の隅に設置している場合は、一方に広がるだけでよい。そこで、「もう一方の電波を逆方向に反射させることで、電波強度を上げることはできないだろうか?」と考えてみた。

こうした方法としては、昔からよく段ボールにアルミホイルを貼りつけて電波を反射させる工夫が取り上げられる。また、うまくいくかどうかは別として、アンテナにアルミホイルを巻き付けてアンテナの長さを延長し、電波強度を上げる工夫もある。

今回は実際にこれらを検証してみることにした。ただ、当然のことながらメーカーが正式にサポートする方法ではない。また、ガイドが行った検証がすべての環境/機種で再現できるとは限らない。あくまでも一例であり、「やってみて電波強度が上がれば、めっけもの!」程度に思って欲しい。

さらに、アンテナは学術的に規格が決まっている。「長いアンテナの方が、よく電波を拾うだろう。(云々)」といった感覚だけの理論は通用しないのは承知の上だ。本記事はやってみた事例という意味で見てほしい。 
 

Wi-Fiの電波強度の検証環境は?

検証にあたっては、AndroidのスマホであるZenFone 2に、Wifi Analyzerというアプリをインストールして利用した。
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WiFi Analyzerのシグナルメータモード。今は電波強度が最高なので振り切っている

Wifi Analyzerを「シグナルメータ」のモードにすると、電波強度をメーターで表示でき、またサウンドをonにすれば音で電波強度を聞き分けることができる。離れて計測するには、もってこいの環境と言ってよい。計測した環境としては、親機をキッチンに置き、大きめの収納と壁を隔てた玄関のカウンターに子機を置いた。距離にして6m強だが、障害物(収納)が写真のように結構大きく厚みがある。
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キッチンカウンターに置いた親機。向こう側に収納と壁がある

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壁を隔てた玄関ホールのカウンターに子機を置く

Wi-Fiの電波強度の検証条件

数々の検証を行ってみたが、成功した例をまず挙げよう。何度計測しても再現性がある。条件は以下の通り。
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アルミホイルを貼った段ボールを上から撮影。親機はこの中に置く

  • アンテナを囲むように段ボールを折り、内側に市販のアルミホイルを貼る
  • 設置は、写真のように角度を付ける
  • 開口部は、子機の方向に向ける
  • アンテナとアルミホイルの距離を変化させ、一番電波強度が上がる距離を探る
  • 開口部の方向や段ボールの角度も同様に変化させて、一番良い条件を探る
  • アルミホイルを貼った反射板は、ある程度の大きさが必要。本例の場合は、高さ44cm、幅95cmにしてみた
 

電波強度が上がった検証例1 :少し古く小さめの機種の場合

まずは、小さめの親機で試してみた。アンテナの長さは8.5cmほど。少々古い機種なので11nがなく、11gで計測する。解説は、写真のキャプションを参照して欲しい。大幅に電波強度が上がっている。
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アンテナが中心になるように段ボールを設置

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アルミ箔がない場合の電波強度

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アルミ箔がある場合の電波強度。12dbも電場強度が上がっている

電波強度が上がった検証例2:最新のハイエンド機種の場合

次は、親機を旧機種ではあるがBuffalo WXR-2533DHPにしてみた。アンテナは、およそ12cmで4本ある。最初は11nで検証、次に11acで検証してみた。解説は、写真のキャプションを参照して欲しい。本来はスクリーンショットを利用して写真を提示するべきだが、子機を動かすと電波強度が変わってしまうので、ご了承頂きたい。
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WXR-2533DHPで検証

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11nでアルミ箔がない場合

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11nでアルミ箔がある場合。11nは、電波強度の変化がよく分かる。10db上がっている

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11acでアルミ箔がない場合

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11acでアルミ箔がある場合。11acの場合は差が小さいが、それでも電波強度の違いは判別できる

以上の例は、かなり大きな反射板を使っている。
 

電波が不安定になった検証例:反射板を小さくした場合

前述の成功した検証は反射板が非常に大きく、現実問題として設置できる場所がかなり限られてくる。自宅に先の反射板を常時置いておくのは、正直無理がある……。そこで、反射板を小さくして検証してみることにした。結論から言うと、以下の通りだ。
 
  • 反射板の向きや角度が非常にシビア。少しでもずれると電波強度が落ちてしまう
  • 電波強度が、突然弱くなったり強くなったりしてしまう
  • 全く使えないことはないが、使えたり使えなかったりで不安定
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小さめのアルミ箔で試してみる。結果は不安定

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金属板でも試してみたが結果は同じ

電波強度が落ちた検証例:アルミホイルでアンテナを長くした場合

アルミホイルをアンテナに巻き付けて、アンテナを長くするというアイデアもある。「アンテナが長くなれば、遠くまで電波が届くかもしれない。」という考えだ。そこで、下の図のようにアンテナ4本に、およそアンテナの長さの2倍のアルミホイルを巻き付けてみた。
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アルミホイルでアンテナを長くする?

下がその結果だ。電波強度が大幅に落ちてしまっている。
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アルミホイルをアンテナに巻き付けた結果(11nでの検証)。装着前より、10db以上も落ちている

というのは、アンテナにアルミホイルを巻き付けることは、シールドしていることと同じなので、電波を飛ばすのではなく、遮蔽してしまう。どうしても、アンテナを延長したければ、本体を分解してアンテナ端子に直接新しいアンテナをつなぐ必要があるが、これは違法になる。また、仮にアルミホイルがアンテナになったとしても、アンテナの作成には、電波の波長を考慮する必要があるので、伸ばしただけでは何の効果もないし、逆効果になる可能性が高い。
 

まとめ

アルミホイルで電波を強くするためには、大きな反射板が必要となる。部屋の広さなどの環境が許せば大きな反射板を試してみよう。せまい環境、かつどうしても電波が弱く藁にもすがりたい方は、小さな反射板で試してみてもよいだろう。今回の検証でも、不安定ながらときどき電波の強度が上がることもあった。角度や形状を工夫することで改善する可能性も否定できない。トライ&エラーで工夫してみるのもよいと思う。

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