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「メッシュWi-Fi」とは? 特徴やメリット、中継機を使う場合との違いなどを分かりやすく解説

「メッシュWi-Fi」とはどんなものなのか、特徴や仕組み、活用するメリットなどを初心者向けにも分かりやすく解説します。

岡田 庄司

執筆者:岡田 庄司

LAN・無線LANガイド

メッシュWi-Fiとは?(画像はイメージ)

メッシュWi-Fiとは?(画像はイメージ)

Wi-Fiを家のどこででも利用したいと感じているユーザは多いと思います。ここでは、そのニーズに応える「メッシュWi-Fi」について初心者向けにも分かりやすく解説します。
 
<目次>
 

メッシュWi-Fiとは? 特徴やできること

メッシュWi-Fiとは、「網の目のようになっているWi-Fiネットワーク」とよく説明されますが、何となく分かったような、分からないような感じではないでしょうか。
メッシュWi-Fiの対応無線LANルータ

「メッシュWi-Fi」の対応の無線LANルータ「BUFFALO WNR-5400XE6」

メッシュWi-Fiの最大の特徴は、複数の対応ルータを数珠つなぎにしたり、全部まとめて1つの輪にできることです。

このような接続方法を「デイジーチェーン」と言うのですが、つまりネットワーク機器をお互いを網目状につなぎ相互に通信ができるようにして、ネットワーク機器が置かれている範囲全体をカバーする仕組みのことです。通信距離を延ばすために、紐のようにつなぐことも可能です。

それぞれの対応ルータが互いにデイジーチェーンで接続できるので、例えばルータから最も遠いところにある場所でも、強力な電波を配信できます。
 

メッシュWi-Fiの歴史と仕組み

以前のメッシュWi-Fiは、メーカー各社が独自に開発を進め、対応機器のメーカーが異なると接続できなかったり、細かい部分に仕様の違いがあったりしました。しかし、業界団体の「Wi-Fi Alliance」が、標準規格である「EasyMesh(イージーメッシュ)」を制定してからは、異なる会社でも相互に接続できるようになり、一気に普及が進みつつあります。

参考:Wi-Fi EasyMesh対応のルーター・中継機一覧(2023年3月)
メッシュWi-Fiの仕組み

メッシュWi-Fiの仕組み

EasyMeshは、対応機器のうち1台をネットワークを管理する「コントローラ」に設定します。ほかの対応機器はコントローラに制御される機器で、これらを「エージェント」と言います。コントローラはエージェントを通じて、接続している端末の速度や電波強度や利用する帯域幅などを状況に応じて最適化するので、どの場所にいても快適に通信ができます。
 

メッシュWi-Fiは中継器と何が違うのか

距離の関係で無線LANが繋がりにくい場合、中継器を使用する人もいるかと思います。では、中継器とメッシュWi-Fiは何が違うのでしょうか。WEX-1800AX4EA

              中継器の1つ「BUFFALO社のWEX-1800AX4EA」


・負荷の分散(場所を移動してもつなぎなおしの必要なし)
メッシュWi-Fiは、いわば無線の親機が家の中に複数あると思ってもよいでしょう。中継器は、電波の制御を接続先の中継器1台で処理しますが、メッシュWi-Fiは複数の対応無線LANルータで分散処理するので、離れても通信速度が落ちにくい利点があります。

また、ネットワーク内で利用するWi-FiのSSID(接続先名)は1つだけなので、移動しても接続先を再指定したり接続し直したりする必要がありません。一方、中継器には中継器専用のSSIDが器機の数だけ存在するので場所を移動すると再接続する必要があります。

・電波の死角をなくす
メッシュWi-Fiは、複数のエージェントを用意すれば、家全体のどこでも接続できるように、電波の網を作成することができます。一方、中継器は、複数の中継器を用意しても、基本的に「親機→中継器/親機→中継器……」と個別のネットワークができるだけなので、接続できない電波の穴ができてしまいます。 

さらにメッシュWi-Fiは、もしエージェントの1つに障害が発生しても、コントローラが別の回線でメッシュを構築します。よって接続が切れる心配がありません。エージェント同士も、相互に通信して最適な通信環境を構築します。

・長距離でも電波は強いまま
学校の廊下のように直線で長い距離がある場合、メッシュWi-Fiは、エージェントを数珠つなぎにして、強力に電波を遠くまで届かせることができます。中継器は、理論的には数珠つなぎもできますが、そのように設計されていませんので、電波はどんどん弱くなってしまいます。

コントローラ→エージェント→エージェント→エージェント→エージェント.....(長い距離でも電波が届くようになる)

・コストパフォーマンス
メッシュWi-Fiは、中継器より導入コストがかかります。これがデメリットといえばデメリットです。しかし、中継器で電波の届かないところをなくすためには、業者にLANケーブルの敷設をしてもらうことなどが必要になりますが、その場合は、メッシュWi-Fiよりはるかにコストがかかりますので、別の意味でコストパフォーマンスは高いといえます。
 

実際にメッシュWi-Fiを試してみた

わが家は、2階の床全面に床暖房用の金属パネルが入っています。そのため、Wi-Fiの電波が遮断されてしまい、何もしない状態では2階でWi-Fiを使うことができません。そこで、階段を上がったところに中継器を設置していたのですが、速度を計測すると良くて20~30Mbpsしか出ませんでした。そこでメッシュWi-Fiを設置してみました。以下がその環境と結果です。

・回線:1Gbps契約
・親機(コントローラー):BUFFALO WXR-5950AX12  Version 3.42
・エージェント:BUFFALO WNR-5400XE6 2台セット ・設置場所:一階の階段付近にある玄関カウンターに1台。階段を上がってすぐの2階に1台。
・端末:iPhone 12 mini

【結果】下図のように約7倍の速度を得ることができました。
メッシュWi-Fiの測定結果。中継器では20~30Mbpsしかでなかった

メッシュWi-Fiの測定結果。中継器では20~30Mbpsの速度しかでなかった

どうでしょうか。多少コストはかかりますが、家の中でWi-Fiがつながりにくい場所があるという人は、メッシュWi-Fiを導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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