マンションに用意されているネット環境とは
マンションを見て回ると「当マンションはインターネット完備」などのキャッチフレーズが目につきます。新築のマンションでは、もはや標準的な設備と言っても過言ではありません。しかし、一概に「インターネット完備」といっても以下のようにさまざまな種類があります。・Wi-Fi接続完備のマンション
インターネット回線は導入されていて、しかも各戸に1台ずつ無線LANルータ(Wi-Fiルータ)が設置されている、もしくは共用のものが装備されている物件です。プロバイダとの契約はマンション全体で多くは1回線。利用料金は通常、管理費や共益費に含まれているので、入居後すぐにWi-Fiの整った環境でインターネットを利用できます。
・有線接続完備のマンション
条件は上記のWi-Fi接続完備のマンションとほぼ同じですが、Wi-Fiを利用するには無線LANルータを自分で用意する必要があります。有線のみでインターネットを利用するのであれば、問題ありませんが、スマホをWi-Fiで利用するなら、ひと手間かかります。自分で無線LANルータを設置できる人や既に無線LANルータを所有している人におすすめのマンションです。
・インターネット対応のマンション
このマンションは、マンションの共用部までインターネット回線が設置されていますが、インターネット利用をするには、自分の部屋に回線を引き込む必要があります。そのための工事は、管理会社経由または独自に手配することになるでしょう。この辺りを十分確かめてから契約するとよいでしょう。回線は有線になり、Wi-Fiを利用するには無線LANルータを用意する必要があります。
インターネット完備のマンションで注意したいこと
Wi-Fi接続完備のマンションや有線接続完備のマンションであれば、入居してすぐにインターネットを利用できます。また、独自にプロバイダと契約する必要はありません。しかし、マンション契約前に以下のような点をチェックしたいところです。・各戸で回線を共有する
インターネット完備のマンションは、1つの回線をそのマンションの住民全員で共有する形になります。1戸建で独自にプロバイダと契約するのであれば、家族で共有する程度ですが、部屋数の多いマンションはそれだけの人数での共有になります。そのため、独自にプロバイダと契約するケースに比べて、回線速度が遅くなる傾向にあります。
・インターネットの回線の種類は
マンションに引き込まれている回線の多くは、光ファイバーやケーブルTVの光回線です。そうであれば、問題は少ないのですが、古いマンションの場合は電話回線を利用するADSLである可能性もないとは言えません。ADSLは速度が遅いのに加えて、廃止・終了が2024年3月末に予定されています。また、ケーブルTVであってもTVの電波を配信する同軸ケーブルでインターネットを利用できるようにしている場合もあります。ADSLほどではありませんが、速度は光回線より遅くなります。
・速度はどの程度でるのか
経験からすると有線で300Mbps、Wi-Fiでも理想は100Mbps以上欲しいところです。管理会社に聞いても、回答は規格値程度で実際のところは教えてくれないでしょう。本当にそのマンションに入居したいのであれば、勇気を出して住んでいる方に聞くのがよいでしょう。その際、「回線は安定しているのか?」「接続が突然切れることはないのか?」「故障したときの対応はどうか?」なども聞けるとベストです。
独自にプロバイダと契約する
インターネットの工事
・そもそも工事が可能か
マンションの場合、賃貸でも買取でも工事ができないケースが存在します。特に賃貸の場合は、大家さんの許可が得られない場合が殆どではないでしょうか。
マンション建築後に行うインターネットの工事は、壁に穴を開ける必要があります。また、壁に機材を取り付けたり、壁にケーブルをビスで止める必要があります。そのような工事が可能かどうかをしっかり確認してください。
また、工事が可能であっても、プロバイダによっては、申し込んでから工事ができるまで長期間かかる場合もありますので、その辺りにも注意しましょう。
・利用したいプロバイダが対応しているのか
固定回線のプロバイダによっては携帯電話の料金が割引きになったり、お得なキャンペーンやキャッシュバックを行っている場合もあります。また、電気・ガス会社とのコラボもありますので、いろいろプランを調べてみるとよいでしょう。
ただし、お気に入りのプロバイダが、そのマンションが建っている地域で利用可能かどうかを確認しておく必要があります。「関西でしか利用できない」「関東でしか利用できない」といった縛りがあることもあります。
・解約時に違約金は発生しないのか
戸建てで頻繁に引っ越しをする方は多くないと思いますが、賃貸では引っ越すケースがよくあるでしょう。その際、利用年月に応じて固定回線の解約時に違約金が発生します。
最近のプロバイダは、「契約時の工事費用無料」「契約後1年間は利用料が激安」というメリットを前面に出して新規契約者を囲い込もうとしています。しかし、長年利用することが前提の条件で、短期解約時にはまず違約金が発生します。また、一定の期間が経過すると月々の利用料金が跳ね上がるケースもありますので、小さい字で書いてある条件にも目を通しておく必要があります。
・モバイルルータという手もある
モバイルルータ:Aterm MR05LN-5B PA-MR05LN-5B
マンションにインターネット環境がない場合は、モバイルルータを利用する方法もあります。これなら引越しで解約する必要はありません。インターネット回線を仕事などで多用する方にはお勧めできませんが、通常の使用であれば、特に問題ありません。
固定回線のように高速という訳にはいきませんが、利用場所や利用期間はフレキシブルに利用することができます。また、固定回線のように、設置に時間がかかることはありません。
・携帯電話のデザリングを利用する手もある
iPhoneのデザリング設定画面
携帯電話のデザリングは、常時利用に向いている接続方法ではなく、緊急避難的に利用する方法と考えた方がいいでしょう。
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