マーケティング

Uber Eats? 出前館? 急成長するフードデリバリー市場で「勝者」となるのはどこか(3ページ目)

コロナ禍でUber Eatsや出前館などのフードデリバリーが急速に成長していますが、複数の課題があるのも事実。経営戦略のフレームワーク「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」に当てはめ、どの企業が「金のなる木」のゴールにたどり着くのか、フードデリバリー市場の今後を占います。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

フードデリバリー市場で成功を収めるためには?

急成長を続けるフードデリバリー業界で成功を収めることは、そうたやすいことではありません。特にビジネスに関係する者の多いビジネスモデルを展開する企業にとってはその関係者すべてがWin-Winの関係でなければ、ビジネスモデルが破綻する脆さも兼ね備えています。
フードデリバリー業界で成功を収める条件は

フードデリバリー業界で成功を収める条件は

例えば、フードデリバリーのプラットフォームを提供する企業(自社)がスマホやパソコンから得た注文を飲食店に知らせ、できた料理を業務委託を受けた配達員が注文したお客様のところまで運ぶという一連のプロセスの場合、自社、飲食店、配達員、料理を注文したお客様という4者が関係者ということになります。

つまり、自社の利益の追求だけでなく、加盟する飲食店の利益、業務委託契約を結んでいる配達員の報酬、料理を注文したお客様の満足、どれか一つ欠けてもビジネスはうまくいかない難しいバランスの上に成り立っているというわけです。

このようなビジネスで成功を収めるためには、30%から40%とされている加盟店の手数料体系をどうするか? 自社の利益と相反する関係になっている配達員の報酬の水準をどうするか? そして「料金が高い」や「料理が冷えている」といった不満を持つお客様の満足度をどう上げていくか?など、関係者の不満を解消しつつ尚かつ自社の収益力を高めていくという難しいソリューションが求められており、まだまだ完璧に課題を解決した企業が現れていないのが現状といえるでしょう。

今のところ、フードデリバリー業界ではUber Eatsと出前館が激しいトップ争いを繰り広げていますが、まだまだ解決すべき課題も多く、決して勝負が決したわけではありません。業界の新参者にも十分にチャンスはあります。フードデリバリー業界は、今後激しい競争の後、いったいどの企業が「金のなる木」のゴールにたどり着くのでしょうか?

ますますフードデリバリー業界の争いから目を離すことができなくなるでしょう。
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