子育て/子供の癇癪(かんしゃく)

子どもの癇癪の原因と対応法!子どもの癇癪はいつまで続く?

子どもの癇癪(かんしゃく)は1歳半から2歳になる頃から始まり、場合によっては小学生になっても続くことも。急に始まる癇癪行動に、ヘトヘトになるだけではなく、「愛情不足⁈」と親のせいなのかと戸惑っていませんか? 癇癪の原因、対応法をまとめました。

執筆者:All About 編集部

子どもの癇癪は親のせい⁉ 原因と正しい対応とは?

子どもの癇癪の原因と対応法!子どもの癇癪はいつまで続く?

子供の癇癪、上手に乗り越えるコツはある…?

子供の癇癪は、第一次反抗期と言われる1歳半~2歳前後頃から目立つ子が増えるようです。しかし激しい癇癪を起こす子もいれば、性格的に大人しい子もいて、反抗期や癇癪が始まる時期も、個人差があります。

子供の激しい癇癪に悩まされる親の中には、その対応にヘトヘトになるだけでなく、発達に問題があるのではないかと心配をしたり、「キレやすい」原因は愛情不足だから?と自分の子育てに自信をなくしてしまう方も少なくありません。

▷参考記事
一歳半頃から始まる癇癪を起こすメカニズムと対処法

そんな子供の癇癪の発生メカニズムや対処法、上手な乗り越え方をご紹介します。
 
<目次>
 

大人には理解が難しい、子どもの癇癪の特徴

子供の癇癪行動は大人には理解できないことばかり……

子供の癇癪行動は大人には理解できないことばかり……

子供の癇癪は同じ兄弟姉妹でも違いがあります。では、どのような癇癪行動を起こすのでしょうか。一部例をご紹介します。
  • 「ダメ」と怒ると、地べたに寝転がって泣きわめく
  • 嫌いな食事を出されると、皿を投げ飛ばして怒りわめき散らす
  • 自分の頭を壁や床に打ちつけて抵抗・抗議をする
  • 人に噛みついたり、物を投げて暴力的になる
これらはほんの一部ですが、このように、大人から見ると理解ができない行動をとるのが子供の癇癪の特徴です。

▷参考記事
激しい反抗期を親はどう乗り越える?~【1】2歳前後
一歳半頃から始まる癇癪を起こすメカニズムと対処法
 

失望と怒り? 子どもの癇癪のメカニズム

子供の癇癪の原因とメカニズムとは

子供の癇癪の原因とメカニズムとは

こういった理解し難い子供の癇癪の原因やメカニズムは何でしょう?

癇癪が目立ち始める1歳半~2歳頃の第一反抗期は、子供が直立して歩けるようになることで行動範囲が広がり、いろいろなことができるようになる時期です。ですが思い通りにならないことも多く、さらにそのような状況へ大人が介入すると、その失望を怒りで表します。

これが癇癪行動の原因であり心理メカニズムです。子供が癇癪を起こすときは、その行動の裏にメッセージが隠れています。決してキレやすい子どもなのではなく、言葉で表現できない感情を表しているのです。

▷参考記事
一歳半頃から始まる癇癪を起こすメカニズムと対処法
 

子どもの癇癪へのNG対処法!

叱るのはNG⁉

叱るのはNG⁉

子供の癇癪への対処法をご紹介する前に、心得ておきたいNG言動を押さえておきましょう。
  • 「ほら、言ったでしょう!」と叱り飛ばす
    親の気持ちからすると「もうやめて!」という気持ちいっぱいで叱りたくなるものですが、静まるどころか余計に癇癪がひどくなる可能性が。
  • 「モノ」で釣ること
    「我慢したらあとでご褒美を買ってあげる」と、手っ取り早い方法を取ってしまいがちですね。ですが、これは「泣けば思い通りになる」と理解させてしまいます。
  • 質問攻めにしない
    子供の気持ちを理解したいがために「〇〇なの?」「××なの?」などと質問攻めにすると子供は混乱をしてしまい、よけいに癇癪を長引かせる場合もあるため注意しましょう。
  • ごまかす、意識を他に向ける
    気持ちを受け止めないと、消化不良を招き、後で全く関係のない場面で思い出して泣く等、引きずることになりかねません。基本的に癇癪はその場で解決を。
  • 放置する
    子供の癇癪をそのまま放っておくことは、子供にとって「ママはこの行動を容認している」というメッセージになる恐れがあります。
▷参考記事
第1次反抗期『魔の2歳児』のイヤイヤ期やわがまま 乗り越え方
2歳児の癇癪!様子を見て良い時とダメな時
子供の癇癪の放置はNG!ベストな対処法とは?
 

自立心を育てるチャンス⁉ 癇癪の対処法

癇癪時は子供の自立心を育てるチャンス⁉

癇癪時は子供の自立心を育てるチャンス⁉

癇癪は「世の中には思い通りにならないこともある」ということを学ばせるチャンスでもあります。ただ落ち着かせるのではなく、子供の自立心を育てながら対処をしましょう。

癇癪への対処法のポイントをご紹介します。
  • 外で癇癪を起したときは、周囲への迷惑を考えて安全な場所に移動する
  • まずは気持ちを受け止め、癇癪を起した気持ちを「○○が嫌だったかな?」「□□がしたかったかな?」などと代弁してあげる
  • 癇癪が起きた時の感情の表し方について、新しい表現方法の提案する
  • ダメなことやできないことはきちんと伝える
  • なだめても落ち着かないときは、やり取りを中断して落ち着くまで様子を見守る
  • 癇癪が落ち着き子供の気持ちが切り替わったら、手を握る、抱きしめてあげるなどでスキンシップをとる
対処をする前に重要なことは、親の中で「やっていいこと、ダメなこと」の線引きをあらかじめ作っておくことです。これは、親自身が感情的に叱ることを回避でき、本当に学んでほしいことが子供に伝わりやすくなります。

▷参考記事
一歳半頃から始まる癇癪を起こすメカニズムと対処法
2歳児の癇癪!様子を見て良い時とダメな時
第1次反抗期『魔の2歳児』のイヤイヤ期やわがまま 乗り越え方
子供の癇癪の放置はNG!ベストな対処法とは?
 

子どもの癇癪を乗り越える際の心得

ママが押さえておきたい、子供の癇癪を乗り越えるコツ

ママが押さえておきたい、子供の癇癪を乗り越えるコツ

子供の癇癪は、親にとってはただのワガママのように見えるかもしれません。しかし思い通りにいかないことに対する怒りや失望の感情は、意志を持ち始めた子供の正しい発達の一段階。「あれもこれもほしい」「試してみたい」と好奇心いっぱいに体を動かして、物事を理解しようとしているだけ。子供のこういった気持ちをまず理解してあげましょう。

<癇癪を乗り越えるために理解しておきたいこと>
  • 悪いことと悪い子を同義にしない
  • 子供を「○○な子」で否定しない
  • 子供の悪いところ、できていないことばかりを目で追わない
  • 代わりに良いところ探しをする
  • 子供の行動をポジティブに受け止める
  • 癇癪を起こしやすい場所・状況では、目標を作って練習することも大切(買い物中にカゴをママと持つなど)
  • 自己主張には選択肢を与える(コートを着ることを嫌がったら、2着のコートを出してどちらがいいか提案)
  • お友達へ悪いことをした癇癪には、気持ちが落ち着いてから話し合う
▷参考記事
『イヤイヤ期』の対応を見直してみませんか?
ママのイライラ期にしない!魔の2歳児イヤイヤ期を乗り切る秘策
魔の2歳児とのお買い物、イライラしないコツ
 

2歳より3歳、3歳より4歳の方が大変⁉ 子どもの癇癪はいつまで?

3歳や4歳まで続く癪への対処法とは?

3歳や4歳まで続く癪への対処法とは?

幼児期の反抗期は年齢ごとに「魔の2歳」「悪魔の3歳」「悪魔の4歳」と表現されることがあります。イヤイヤ期というのは、2歳のときにやってくるものという印象を持たれる方が多いと思いますが、実際には、3歳の誕生日ぴったりに終わるわけではなく、当然ながら個人差があります。

「3歳になり、2歳のときよりも大変になった。どんどん巧みになってきた」という子も多く見受けられます。言い返す言葉、踏ん張る力、諦めない体力、これらが、2歳代よりも、さらにパワーアップしているため、「手に負えない」と感じる場面が増えてしまうようです。

さらには「2歳より3歳、3歳より4歳の方が大変」とおっしゃるママは多いようです。海外でも同様に「むしろ、Terrible 2(テリブルな2歳児)、Horrible 3(恐ろしい3歳児)、Fiendish 4 (悪魔の4歳児)だ」という声も多く聞かれます。4歳児には天使と悪魔の顔が混在しているとも言われます。言葉も覚え、少し大人脳に成長してコミュニケーションがとれるという点では天使といわれる4歳児ですが、思考が発達する時期=心の成長期であるため、心・頭の中で起こっている変化に戸惑いや葛藤を感じ、時おり、自分の気持ちのコントロールが上手くできず、泣いたり、わめいたり、我慢がきかなくなったりしてしまう傾向も多く見られるのです。

わがままや癇癪の連発に疲れ、「もう勝手にしなさい」とさじを投げてしまうと後々が大変になります。テレビやゲームなどの今どきの遊びに夢中というお子さんも増えてくるこの時期、子供の癇癪に折れず、ご家庭のルールやしつけ方針を改めて意識することも大切です。「YouTubeは1日3話まで」「ゲームは1日20分」など、きちんと数字に落とし込んだルールにしていきましょう。

何歳になっても、ママはいつでも“安全基地”です。子供たちはいきなり巣立つのではなく、巣に戻る回数を徐々に減らしながら、成長します。子供たちはまだまだ巣に戻ってくるものだと、心構えをすることが大切なポイントなのかもしれません。 

▷参考記事
悪魔の3歳児?! 3歳反抗期のイヤイヤへの対処法
『4歳児は天使』の誤解?! 反抗期や癇癪の心理と対策
 

小学生の癇癪は親との関わり方が原因?

小学生の癇癪は、親の接し方次第で変容するかもしれません

小学生の癇癪は、親の接し方次第で変容するかもしれません

多くの場合、子供の癇癪は5歳頃までには落ち着きますが、小学生になっても続く子供もいます。

癇癪は「生まれつきの素質」と「育つ環境」の両方が影響しています。小学生になっても癇癪が続く場合は、「育つ環境」が関係しているかもしれません。子供の性格は、周りの大人や親の関わり方が大きく影響することもあるのです。

例えば、親が干渉しすぎて、子供のやることにすぐに口や手を出すような場合は、子供はその影響を受けて育ちます。親の言うことを何でも聞き、依存性が高く自分の意思を出すことをあまりしないような性格や、その逆に、親に対して反抗する激しい感じの性格になることもあります。

時間をかけて接し方を変えていけば、怒りっぽい性格の子供も穏やかな性格に変わっていくかもしれません。親は、カッとなる気持ちを我慢し、叱ることを減らして、優しく言い聞かせることが必要になります。例えば「何やってんの!」と叱るのではなく「大丈夫?」という言葉に置き換えると良いでしょう。

子どもの体や心は、環境の影響を強く受けます。親の行動変容は、子供の行動をも変えていく可能性を持っています。

▷参考記事
小学生の癇癪は親のせい?! 発達障害との関係や正しい対応法
 

癇癪は軽度発達障害が原因のことも

生まれつきの部分が大きいとみられる場合は、発達障害も視野に

生まれつきの部分が大きいとみられる場合は、発達障害も視野に

癇癪は「生まれつきの素質」と「育つ環境」の影響があると説明しましたが、こだわりが強く思い通りにならないと爆発する、といったような「生まれつき」の部分が強いと感じる子供には「軽度発達障害」も考えられます。

癇癪を起すことが必ずしも軽度発達障害であるというわけではありませんが、他の行動を見て不安に感じるならば、専門機関で「発達検査」を受けることも大切です。

大人が人間ドックを受けて現在の身体の状況を把握して改善策を打つように、子供に「発達検査」をすることにより、子供の現在の状況が分かります。強い部分や弱い部分を理解した上で子供への接し方を変容させれば、日常生活でのトラブルも減る場合が多いです。

▷参考記事
小学生の癇癪は親のせい?! 発達障害との関係や正しい対応法
 

子育ては幸せを見つけながら乗り切ろう

子供の成長は何よりも幸せを感じる瞬間…!

子供の成長は何よりも幸せを感じる瞬間…!

人を叩いたり物を投げたり、「なぜそんな事をするの」と怒りたくなりますが、癇癪の原因はその行動の裏に「メッセージ」があるからです。そんなことが分かっていても、毎日続けばストレスが溜まるのも当然です。

大人しい子を見れば、なぜうちの子は?と泣きたくもなることだって普通のことです。子供の癇癪は一般的には、言葉がまだ自由にならない幼少期によく見られ、3歳を過ぎると減っていくもの。パパとママにとっては大変な時期ですが、子供が大きくなったときに思い出として笑って話せるような日が来ます。

子供の癇癪に悩まされつつも、日々の我が子の愛らしい笑顔や無垢な寝顔、いろいろな事ができるようになる成長した姿には、言葉では表せない幸せを感じるのではないでしょうか。そんな喜びも感じながら、上手に乗り切りましょう。

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