太もも痩せを目指して筋トレをするのは間違い?
太もも痩せのために太ももを部分的に鍛えるのは、一見、理にかなっているように感じるかもしれません。しかし、やみくもなトレーニングは、かえって立派な太ももを育ててしまう可能性があります。筆者は、パーソナルトレーニングを通じて下半身のボディメイクに関する相談を多く受けていますが、「どうして太ももが痩せないのか」という悩みの根本的な原因を探っていくと、「体幹がきちんと使えていない」「股関節が硬い」という方が多く見受けられます。
太もものサイズと密接な関係にあるのが、体幹と股関節の可動域です。
本来なら、体幹や股関節まわりの筋肉がバランスよく働くことで負荷を分散しているのですが、両者の筋肉が上手く活用できないと、すべての負荷を太ももでカバーしてしまい、結果として太ももが張って太くなってしまうケースが目立ちます。
太もも痩せには体幹と股関節の可動域が重要!
太もも痩せのために着目すべきは、体幹と股関節の可動域です。まず、体幹を上手に使えていない場合、骨盤が前方に傾き、お尻の筋肉が上手く使われず、その部分をカバーしようと、太ももの前側の筋肉に負荷がかかりやすくなります。
また、股関節周りが硬くなっている場合も、お尻の筋肉が上手く働かず、お尻で受け止めるはずの負荷を太ももの前側にかけてしまうようになるのです。
いずれのケースにおいても、過度な負荷がかかった太ももは、筋肉がアンバランスに発達する原因となり、太もも全体のサイズがアップしやすくなります。
体幹の力や股関節の可動域を正常に戻すことで、太ももを部分的に鍛えるより早く脚痩せの効果が出てきます。
太もも痩せのために必要なステップは、
・股関節の可動域を広げる
・体幹とお尻を使えるようにする
この2ステップです。
根本原因に着目したアプローチで、太ももだけでなく、ヒップも形よく引き締まっていきます。
太もも痩せストレッチ4選! 準備運動やケアに
まずは、股関節の可動域を広げ「正しく動けるカラダ」の土台作りをしていきましょう。股関節が硬くなると、お尻の筋肉(大臀筋・中臀筋)の動きが悪くなり、結果として太ももを始めとした別のパーツに無理な動きを強いることになります。カラダを正しく使えるようになるため、まずは股関節の可動域を広げることから始めましょう!「お尻ストレッチ」の効果的なやり方
股関節の可動域を広げ、凝り固まったお尻まわりをストレッチします。臀部の筋肉を始め、股関節周辺の筋肉を上手に使えるようになります。1.左右別々にお尻をストレッチしていく。ストレッチする側の脚(写真では左脚)をカラダの前で直角に曲げる。
2.反対の脚を後方に伸ばし、曲げた足のすねに添って両ひじを床につける。
3.息を吐きながら、曲げた足と反対側の腕を前方に伸ばし、3秒間キープ。腕を元のポジションに戻し、再び腕を伸ばしてキープ。腕を伸ばす動作を5~6回繰り返すことで、ストレッチ感が得られる。
「お尻ストレッチ」のポイントを動画でチェック
「もも裏ストレッチ」の効果的なやり方
もも裏の筋肉の柔軟性をアップさせます。1.クラウチングスタートのような姿勢になる。前のひざの角度は直角に曲げ、手は床に添える。
2.お尻を上げて、後方の脚を伸ばし、ゆっくりとかかとを床につける。3つ数えたらかかとを上げ、再び床につける動作を数回繰り返す(ご自身がストレッチされたと感じる回数でOK)。痛みを感じる場合は、膝を曲げてもよい。
「内ももストレッチ」の効果的なやり方
股関節周りの筋肉のなかで特に硬くなりやすい部位。太ももの内側を気持ちよくストレッチします。1.よつんばい姿勢になり、つま先を床につける
2.ストレッチする側の脚を股関節の真横に伸ばし、足の裏を床につける
3.両手を手のひら1つ分前に出し、背中をまっすぐ伸ばす
4.両手で床を押しながら、お尻をゆっくりと後方にスライドさせ、内ももが伸びたらゆっくりと元の位置に戻す。お尻が沈まないように注意する。前後に動かす動作を10回繰り返す
「内ももストレッチ」のポイントを動画でチェック
「前ももストレッチ」の効果的なやり方
負担のかかりやすい太ももの前側をストレッチで優しくほぐし、筋肉のハリを和らげていきます。その日の疲れは翌日に持ち越さないように心がけたいですね。1.横向きに寝た姿勢からスタート。下側の手は耳の下に 2.天井側の脚を前に出し、90度に曲げる。床側の脚を対角の手で持ち、ストレッチ。
ゆっくりと深い呼吸を続け、前ももの伸びを感じながら、30秒間キープ。
「前ももストレッチ」のポイントを動画でチェック!
――続いて、体幹やお尻の筋肉をバランスよく鍛えるメニューを紹介します。
初級から上級まで!太もも痩せのための筋トレ4選
股関節の可動域を広げたあとであれば、しっかりと筋肉に効いている感覚を得ることができるでしょう。早速チャレンジしてみましょう!「あおむけヒップリフト」の効果的なやり方
お尻の筋肉を使って上体を持ち上げます。お尻の筋肉を効果的に鍛えます。1.仰向け姿勢になり、すねが床と垂直になるようにひざを立てて両手を天井方向に。手のひらは外側に向ける。
2.足の裏で床を押し、お尻の力でゆっくりと上体を押し上げる。肩からひざのラインが一直線になったら、ゆっくりと床に着地する。
3.2秒かけて持ち上げ、2秒かけて戻すイメージで、一連の動作を15~20回繰り返す
「あおむけヒップリフト」のポイントを動画でチェック!
「太もも痩せクラムシェル」の効果的なやり方
お尻の筋肉(特にお尻の外側)を鍛え、お尻にえくぼをつくります。1.両足を直角に曲げ、横向きに寝る。床側の腕は頭の下に。
2.天井側の脚を直角に曲げたまま、ゆっくりと上に持ちあげ、元に戻す。この動作を15回~20回繰り返す
「太ももやせクラムシェル」のポイントを動画でチェック!
「ヒップヒンジ」の効果的なやり方
股関節が硬くなることで弱って固まりやすいお尻の筋肉をケアします。お辞儀姿勢のような動きで、お尻やもも裏の筋肉に強いストレッチを感じることができるはず。1.両足を肩幅に開き、背中ををまっすぐ伸ばし、あごを引いて立つ。
STEP1
2.上体を前に傾けながらお尻を突き出し、重心を沈める。お尻と太もも裏に負荷を感じたら、ゆっくりと立ち上がる。初心者は壁際で動作し、重心を下げたときに壁にヒップをタッチするようにして行うと効果を実感しやすい。20~30回繰り返す。
【NG例】
上体を起こしたまま動作すると、前ももの筋肉に負荷がかかる。「ヒップヒンジ」は、重心を下げるときにお尻を後ろに引くようにして、お尻とハムストリング(もも裏)の筋肉への効果を意識する。
「ヒップヒンジ」のポイントを動画でチェック!
台を使った「ヒップヒンジ」の効果的なやり方
片足ずつ行うことで、「ヒップヒンジ」の負荷をさらに高めることができます。1.片脚をイスにかけ、両手を胸の前で組み、背筋を伸ばして立つ 2.お辞儀をするように上半身を前に傾けながら、ゆっくりとお尻を後方に引いていく。背中を曲げないように注意。10~15回を目標に。
台を使った「ヒップヒンジ」のポイントを動画でチェック!
以上、おしりにも効く!太もも痩せストレッチ・筋トレの効果的なやり方を紹介しました。継続して行うことで、日常生活で知らないうちに太ももにかかっていた余分な負荷が取り除かれ、均整のとれたボディラインにつながります。
撮影/泉 三郎
取材・文/北川和子
モデル/稲本美和子
トップス(CY2348)、レギンス(CY3114)、シューズ(CN2535)/すべてReebok
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