知っておきたい!地震保険の建物の査定方法

地震保険は火災保険と異なり、多くの人が同時に被災する上に被害も甚大です。火災などでは実際の損害を支払うため損害状況について細かくチェックしていきます。一方、地震保険では多くの被災者に同時に、かつ迅速に保険金の支払いをするため、一定の査定基準に当てはめて支払いをします。
 
地震保険、被災したときの建物の査定方法は?

地震保険、被災したときの建物の査定方法は?

また建物と家財は物が全く違うため、地震災害による査定方法も違います。今回は、地震災害で被災した際に知っておきたい建物の地震保険の査定基準の考え方について解説します。
  ※家財の査定については「地震保険、家財の保険金の査定方法は?」を参考にしてください。
 

地震保険の査定基準は4段階

地震保険の査定基準は4段階(全損・大半損・小半損・一部損)ありますが、これは改定があったため2017年1月以降の契約分からです。

2016年12月末までの契約分については3段階(全損・半損・一部損)となります。地震保険は最長5年間加入することができるため、2021年12月末まではこの2つ査定基準が存在することになります。
  • 2017年01月01日以降の契約:全損・大半損・小半損・一部損
  • 2016年12月31日以前の契約:全損・半損・一部損
どちらに該当するかは保険の始まっている日(保険始期)によって決まります。地元の被災者同士で保険金の情報交換などしても、実は地震保険の契約における支払い基準が違う可能性があるのです。

また、建物・家財ともに一部損の基準に満たないときには地震保険金は支払われません。火災保険と違い一部損の基準に届かなければ、保険金の支払いがゼロになることも覚えておきましょう。
 

建物は主要構造部の損害が査定基準

地震保険の建物の査定基準について簡単に解説します。査定でみる箇所は建物の主要構造部(構造耐力上主要な部分で軸組、基礎、屋根、外壁等など)の損害状況で判定します。

そのため勘違いしがちなのが、単にガラスが割れた、門や塀(建物の主要構造部ではない)が崩れただけの損害などは査定に関係ありません。

主要構造部の亀裂の長さや数などから割合を求めていきます。一つの目安として建物の場合は、主要構造部の3%以上の損害などで一部損となります。まずはここがスタートラインです。

実務的には、普通の人が目視して3%以上になっているかは判断しにくいでしょう。3%以上かどうかぎりぎりの基準ではなおさらです。被害が大きくなければ、逆にそのようなことはないでしょうが、まずは契約先の損害保険会社に査定して貰うことを優先してください。

また相次ぐ地震災害で査定方法も色々変わってきています。自己申告方式の拡大やモバイル端末による調査など、原則として現地での立ち会いでの調査が前提だった地震保険もさまざまな方法が行われるようになってきています。
 

一戸建てとマンションは査定方法が違う

建物の地震保険の査定については、そもそも一戸建てとマンションなどの共同住宅では査定方法が異なります。特にマンションでは共用部分と専有部分があるため、この取扱いも考えておかなければなりません。

■一戸建て
一戸建てのポイントは先ほども解説したように、建物の主要構造部ではない門や塀、垣、カーポートなどの損害は関係ありません。一戸建てでは勘違いしがちなところです。

■マンション
マンションでは共用部分と専有部分があります。共用部分は管理組合で保険に加入、専有部分や家財についてはその所有者が個別に地震保険に加入しています。共用部分と専有部分の損害保険会社は異なり、それが各所有者ごとに発生します。
 
マンションの建物の地震保険では、一般的に共用部分の損害区分と専有部分は同じに

マンションの建物の地震保険では、一般的に共用部分の損害区分と専有部分は同じに

建物でマンションにおける一番のポイントは、一般的に共用部分の損害区分(4区分もしくは3区分)が確定すると、専有部分についても同じ損害区分になります。

マンションについては、その建物全体の地震の損害によって査定結果が決まります(共用部分の損害)。例えば建物の専有部分が「一部損」と認定されても、共用部分が大半損となれば通常は専有部分も大半損と認定されます。

ちなみに査定と違う話になりますが、共用部分の保険金の分け方について、各所有者で取り決めしておいた方がいいでしょう。保険金を戸数で頭割りするのか、それぞれの面積による持ち分で決めるかなども平時に決めておくほうが安心です。

被害が発生してからルールが決まっていないと、トラブルになる可能性があるためです(それぞれ自分に有利なルールを主張することがあるため)。マンション住まいの人で地震関係の補償を厚くしておきたいなら、家財にも地震保険を加入することを考えておくといいでしょう。
 

軽微な損害でも保険金の請求漏れに注意!

大きな地震があったが、幸い自宅が大丈夫だったとします。自宅が潰れてしまったり、外壁に大きな亀裂でもあれば誰もが地震保険の請求をするでしょう。注意したいのは、一部損などの比較的軽い損害のとき請求漏れです。

4つある損害区分もそれぞれ幅があります。建物の一部損なら、主要構造部の損害額が、建物の時価の3%以上20%未満となっています。つまり3%でも19%でも一部損です。

例えばぎりぎり一部損になるようなケースだと、一般の人は地震による損害があったと認識できるレベルではありません。ガイドも地震の損害鑑定には立ち会ったことがありますが、ペンで線を引いたような細い亀裂は、地震なのか元々あったものなのか素人目線ではまず判断できません。

特に問題なく継続して住めそうである、ということと地震保険の最低限の一部損の基準は一致しないと考えてください。念のため損害の有無について見に来てもらうのがいいでしょう。
 

地震保険金の請求と1回の地震の考え方

72時間以内に生じた2つ以上の地震などは1回とみなしています。大地震があれば余震の心配もあるので落ち着くまで地震保険の請求はしないでしょうが、この基準で1つの地震とみなします。

また地震の発生日から10日経過後に発生した損害、地震等の際の紛失・盗難によって生じた損害等は支払い対象外です。これらのことを頭に入れて慌てることなく様子をみて保険金請求をしてください。

【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。