地震保険における家財の査定方法、ポイントは?

地震保険の家財の査定方法は?

地震保険の家財の査定方法は?

地震災害で被災した際、経済的にどのように対処するのかは重要な問題です。

地震保険はその仕組みがどうなっているか、保険料がいくらになるかに目が向きがちですが、保険金の支払いされるときにどう査定されるのかはほとんどの人が知らないのが実際のところです。

必要以上に詳しくなくてもいいでしょうが、基本的なことは知っておいたほうがいざというときに役に立ちます。そこで今回は家財の地震保険の査定方法について解説します。

地震保険の保険金支払いは3区分のみ

地震保険の保険金は、火災保険と比較すると、その支払われ方に大きな違いがあります。

●火災保険
保険金額を上限に、実際の損害が支払われる(実損払)。

●地震保険
全損(100%)、半損(50%)、一部損(5%)の3段階の区分に該当する場合、支払われる。一部損に認定されないと保険金は支払われない。なお、2017年1月に地震保険は改定され、損害区分の上記3区分から4区分に細分化されました(全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%)。

保険始期が2016年12月31日以前か、2017年1月1日以降かによって上記のように損害区分が異なります。少なくてもこれからの5年間は損害区分が2つ存在することになります(地震保険は最長5年契約のため)。

火災保険では、契約している金額を上限に実際の損害が支払われます。一方、地震保険では、一定の基準に該当していないと保険金は支払われないのです。

また地震保険では、仮に一部損に認定されても建物の修理代が足りないこともありますし、家財などでは実際の被害額よりも多くなることもありえます。

保険金が支払われるまでのフローも火災保険とは異なる

火災で家が全焼した場合、一般的には損害鑑定をして被害を確認します。火災の現場を確認して写真を撮って図面を引いたりして、損害についてのレポートを鑑定人が作成。保険会社で契約内容や入金確認などをした上で保険金が支払われます。

しかし、地震保険で1件1件、こと細かく損害鑑定をして調査報告を作成していたら、保険金を支払うのに膨大な時間がかかります。

火災はそのときその場所だけで発生していますが、地震災害は広域に被害が及び、被災者の数が多く、保険金の請求も多くの人から同時に来ます。そのため迅速に保険金が支払えるような仕組みになっています。

建物と家財の保険金の査定方法は違う

地震保険は居住用の物件(店舗併用住宅含む)が加入対象のため、保険目的は建物か家財のいずれか、もしくは両方になります。建物と家財は異なる物ですから、当然保険金の支払いにおける査定方法も異なります。

●建物に対する保険金の査定方法
今日の主題ではありませんが、建物においては、主要構造部(柱、外壁、屋根、基礎など)の損害が各主要構造部のどのくらいの割合の損害があるかを見ていきます。

例えば外壁に損害があった場合、外壁全体に対して損害のある個所がどのくらいあるかというようなイメージです。建物の場合、主要構造部(柱、壁、屋根、など)の3%以上の損害などで一部損となります。

●家財に対する保険金の査定方法
例えば被災した日の1週間前に50万円のプラズマテレビを買ったばかりで、これが修理できないほど破損したとします。プラズマテレビの50万円がそのまま保険金として支払われるのかというと、実はちょっと違います。

家財に対する地震保険金の査定方法

家財ごとの損害と構成割合で積算

家財ごとの損害と構成割合で積算

家財の場合、少なくても損害額が家財の時価の10%以上にならないと一部損に該当しないため、保険金の支払い対象となりません。

家財の地震保険は「何を?」「いつ?」「どこで?」「いくらで買った?」を確認して査定するのではありません。基本的に家財をいくつかの種類ごとに分類、それをさらに細かく分類して損害があったかどうかをみてポイントを積算して査定するわけです。

では、家財の査定手順をご紹介しましょう。最初に家財を5種類程度に分類します。具体的には以下のようになります。
  • 食器陶器類
  • 電気器具類
  • 家具類    
  • その他身の回り品 
  • 衣類寝具類 など
これらをさらに代表品目に分類します。例えば電気器具類なら次のようになります。
  • 電子レンジ
  • パソコン
  • テレビ
  • 冷蔵庫
  • 洗濯機  
  • ステレオ
  • エアコン
  • 掃除機 など
仮にテレビとパソコンが倒れて破損したということであれば、電気器具類における損害物は2つということになります。

最初に分類した種類ごとに構成割合というものが決まっています。電気器具類の場合は「2.5%」です(最初の分類ごとにこの構成割合は異なります)。

テレビとパソコンの2つの損害がありましたから、2.5%×2=5%となります。これを分類した種類ごとに積算して10%以上30未満であれば、家財は一部損と認定され、保険金額の5%(一部損の場合)が保険金として支払われます。

構成割合は家具は4.0%、食器陶器類は1.0%ですから、例えば食器戸棚が破損、食器と陶器の2つに損害があれば、4.0%×1=4.0%、1.0%×2=2.0%です。

上記のテレビとパソコンの損害と積算すると、
(2.5%×2)+(4.0%×1)+(1.0%×2)=11%>10%(一部損の最低基準)
となり、一部損の認定となります。

すでに地震保険金の支払いを経験された方も多いでしょうが、上記の家財の査定をその場で行い、説明・保険金の支払い額を提示、それでOKであれば必要書類に署名、その後地震保険金支払いの手続きに入ります。

この方法だと、種類の違う複数の品目に損害が遭ったときに一部損の認定がされる可能性がでてきます。特に構成比率の高い家具類や例に挙げた電気器具類などで種類の異なる家財が4~5個ほど被害があると、その可能性が高くなってくるでしょう。

こうした損害認定についは、何度もやり方が変わってきています。上記のような損害だと、一見思ったほどの被害がなくて良かったと思っても、一部損の認定基準を満たしていることもあります。ちなみに建物の場合も、同様で近寄ってよく見ないと分からないような亀裂でも、一部損の認定基準を満たすこともあります。

被災したら忘れずに損害状況を撮影しておく

被災した際、ごちゃごちゃになった自宅をまずは片づけると思います。できればその前に被災した家の中を写真に撮っておきましょう。デジカメやスマホでもOKです。

損害状況を見に来てもらったとき、被災直後の家の中の状況は覚えていないことの方が多いはずです(何が壊れたなど)。壊れたものは捨ててしまったりするでしょうから、なおさら記憶が途切れていきます。

建物と違って、家財の場合は捨ててしまうと物がなくなってしまうので、念のため写真に残しておいてください。気持ちの良い写真ではないでしょうが、その後の保険金の請求に役立つこともあります。そして被災したらまずは損害保険会社等に一報を入れて、地震保険の保険金請求の手続きを進めましょう。

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