ビジネスマナー/接客・接待・訪問のマナー

ビジネスの訪問マナー……信頼を得るポイントと注意点

訪問マナーがしっかりできている人は、「信頼できる」という印象を与え、ビジネスチャンスが広がります。ビジネスでの訪問では事前の準備や受付など、個人での訪問とは異なる注意点があります。押さえておくべきマナーのポイントと注意点を解説します。

寿  マリコ

執筆者:寿 マリコ

ビジネスマナーガイド

信頼関係を築くために、ビジネス訪問マナーは不可欠

ビジネスの訪問マナー

訪問先で失敗しないための、押さえておくべきマナーのポイントと注意点を解説します!

ビジネスパーソンであれば、商談や打ち合わせで取引先を訪れることは避けて通れません。

訪問時のマナーは、取引先の相手と円滑な関係を築いていくために大変重要です。

訪問マナーがしっかりとできている人は、「信頼できる人物」という印象を与え、取引先とのビジネスチャンスが広がる可能性があります。

とは言え、訪問に慣れていない場合は不安も多いでしょう。

そこで、訪問先で失敗しないために、押さえておくべきマナーのポイントと注意点を解説します。
 
<目次>
 

訪問を円滑に進めるには、訪問前の準備がカギ!

訪問先で「名刺が切れていた」「資料を忘れた」などの失態は、取引先への信頼を失います。

訪問する際に、前もって準備を「するか・しないか」で、大きく成果が変わるのです。

訪問前の準備は
・名刺の枚数を確認し、少なければ補充しておく
・訪問先へのルート、交通手段、所要時間を確認しておく
・商談や打ち合わせに必要な資料を揃えておく
・スケジュール帳や筆記用具、ノートパソコン等を準備する
・手土産が必要な場合は用意しておく


そのほか、初めての訪問先の場合は、相手の会社の経営方針や業務内容などの情報収集もしておきます。
 

「訪問のポイント」を時系列でマスターする

訪問マナー2

事前にアポイントを取ってから訪問します。

訪問のポイントを時系列で理解しマナーをマスターすると、訪問がスムーズに運びます。

以下は訪問のポイントと注意点を、時系列に解説しています。参考にしてみてください。
 

1.事前に取引先の担当者にアポイントをとる

一般的には、事前にアポイントをとってから訪問します。訪問する約1週間前までに、電話で連絡してとるのが基本です。

アポイントは次の要領でとります。

・「会社名」「氏名」「訪問の目的」を伝える
はじめに挨拶し、自己紹介に続いて、「○○の件でお伺いしたいと思いますが、○○様のご都合はいかがでしょうか」と、訪問の可否をたずねます、

・訪問の日程を決める
続いて訪問の日程を決めますが、相手の希望日時を優先します。

どうしても都合がつかない場合は、「○日と○日でしたら伺えますが」と、都合の良い候補日を提示します。

・内容を確認する
「○月○日の○時に、部長と私の二人でお伺いいたします」と、内容を復唱し確認します。

アポイントがとれたら、間違いが起こらないよう、決まった内容を相手にメールしておきます。
 

2.訪問当日、面会前に身だしなみは必ずチェック!

第一印象は「見た目」の印象が全体の55%を占める、と言われています。また、その印象は後まで影響を及ぼすこともわかっています。

見た目で信頼を失わないために、訪問先へ到着したら、ヘアスタイル、服装に乱れがないか、身だしなみは必ずチェックしましょう。

女性の場合は、メイクが崩れていないか、ストッキングが伝線していないかなども確認しましょう。

・雨天時の訪問
訪問先の建物に到着したら、傘は傘立てに、折り畳み傘の場合は袋に入れてバッグしまいます。

・冬場の訪問
建物に入る前に、マフラーや手袋を外してバッグに入れ、コートは脱いで手に持ちます。

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3.約15分前には到着、5分前には受付へ向かう

訪問先には余裕を持って、約15分前には到着するよう心がけましょう。

身だしなみを整えたら、5分前には受付へ向かいます。
受付で「社名」「部署名」「氏名」を告げ、担当者への取次ぎをお願いします。

・電話のみが置かれている、無人の受付の場合は?
置かれている電話で、直接担当者へ連絡します。「社名」「部署名」「氏名」を告げて、担当者の指示に沿って行動します。

・約束の時間に遅れそうな場合は?
遅刻は厳禁ですが、万が一遅刻しそうな場合はすぐに担当者に連絡し、お詫びをしてから、遅れる理由と余裕を持たせた到着時間を伝えます。
 

4.名刺交換の基本

名刺交換は、「下の立場から先に」「訪問者から先に」差し出します。相手が複数いる場合は、「上の立場の人から順番に」渡していきます。

必ず相手の正面に立って行います。机がある場合でも、机越しに渡すのはNGです。

受け取った名刺はすぐにしまわずに、商談や打ち合わせ中は自分の名刺入れの上に乗せて机の上に置きます。

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5.お茶を出されたら

お茶が出された場合、いつ飲むのか、残すと失礼なのかなど、対応に迷うことも多いですよね。

お茶が出されたら、相手から「どうぞ」と言われたタイミングや、商談や打ち合わせが一段落して相手が飲みだすタイミングで、「いただきます」と言って飲みます。

どうしても飲めない場合を除いて、残さずに飲みきるのが良いでしょう。

・フタつきの茶碗で出されたら?
普段あまり見慣れない、フタつきの茶碗でお茶を出されることもあります。
この場合、左手を茶碗に添えて右手でフタを取ります。

フタを取ったら、斜めに傾けてしずくを切り、逆さにして茶托の右側にはさんで置きます。

飲み終わったらフタを閉めて、「ごちそうさまでした」と声をかけましょう。

・コーヒー、紅茶の飲み方は?
コーヒーや紅茶を出された場合は、カップを片手で持って飲みます。

カップを両手で持つのは、「温度が低い=ぬるい」という意味になるのでNGです。

使ったスプーンは、カップの奥に置きましょう。

・飲み物の好みを聞かれたら?
お茶、コーヒー、紅茶などの飲み物を尋ねられたら、自分の希望を伝えてOKです。

ただし、複数の種類を用意するのは手間になるので、同行者がいる場合は同じ飲み物にするなど、相手への配慮を忘れずに。
 

辞去時のマナーは?

商談や打ち合わせの内容を確認し、訪問者側からタイミングを見て話を切り上げ、机の上の資料などを手早く片づけます。

商談が成立したか否かにかかわらず、お礼を述べて部屋から退出します。

相手に見送られたら、「こちらで失礼いたします」と辞退するのがマナーですが、それでも相手が見送る場合は好意を受けましょう。

海外のミーティングでは最初や最後に握手することが一般的ですが、日本ではあまり一般的ではないでしょう。
訪問マナー3

商談が終わったらタイミングを見て切り上げます。

 

後日、訪問のお礼をメールしよう!

訪問後は、時間を取っていただいたことへのお礼をメールで伝えましょう。

商談が成立した場合は、そのことへのお礼も忘れずに、「今後ともよろしくお願いいたします」という気持ちを伝えます。

訪問マナーをしっかりとマスターして、取引先と信頼関係を結んでくださいね。

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