【ポイント4】火災保険・地震保険で、被災の経済的損失をカバーする
自然災害で住宅や家財に受けた被害は、保険でカバーできます。地震等を除く風水害や土砂崩れ、落雷などの自然災害は火災保険が補償、地震・噴火・津波は地震保険が補償します。ただ、案外知られていないのも現実で、水害補償に加入していない理由として「水害による損害を補償する保険等を知らなかった」と回答している人が14%(内閣府「水害に対する備えに関する世論調査」2016年。※小数点以下四捨五入)、さらに地震保険の認知度に対する回答は「名前を知っている程度」「知らない」の合計が7割程度となっています(「地震危険に関する消費者意識調査」平成26年(2014年)調査/損害保険料率算出機構 ※割合は概数)。
まずは、居住地のハザードマップを踏まえ、必要な災害補償をカバーできる保険に、確実に加入しましょう。火災保険から受け取れる最大の保険金は、失った住宅を今一度建て直すのに必要な再調達価額ですから、適切に加入していれば生活再建を大いに支えてくれるはずです。あとで後悔しないためにチェックしておきたい加入時のポイント、「必要な災害補償が付いているか」「それぞれの災害補償について、最大いくらまで保険金を受け取れるのか」の2つを確認することです。
なお、地震保険は予測不可能な地震被害を対象とするため、最大補償額は火災保険金額(再調達価額)の50%までとなります。地震保険法に基づく官民一体の特殊な保険制度で、政府も保険金支払いの責任を負います。原状回復に満たないまでも、深刻な地震被災時に受け取れるまとまった一時金は、生活再建を進める力となります。
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【ポイント5】被災後、住宅ローン返済が難しくなったときのガイドラインを知っておく
最後に、自然災害の影響で、ローン返済が難しくなったときに利用できる手段も知っておきましょう。債務返済が難しくなった場合、破産手続をするのが一般的ですが、全財産を差し出して清算するため、手元にお金は残らず、手続き後はお金を借りにくくなったり、クレジットカードが使えなくなったりするデメリットが生じることになります。
一方、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」は、自然災害の影響で失った住宅等のローン、あるいは事業性ローン等の返済が困難な個人を対象に、破産手続きによるデメリットを受けずに債務免除を行い、債務者の速やかな生活再建を後押しするためのもの。弁護士費用は掛からず、手元に一定のお金を残すこともできます。
ただ、これは債権者である金融機関等と債務者が話し合い、合意に基づいて債務整理を行うための自主的・自律的な準則であり、申し出れば必ず債務免除を受けられるというわけではありません。手続きは、メインバンク(もっとも債務の多い銀行)に自ら出向いて相談するところから始まります。
自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインについてのチラシ/一般社団法人 自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関
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住宅ローンを減免する、自然災害債務整理ガイドライン
震災後の住宅ローンは「私的整理」で免除されるか
一般社団法人 自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関(※外部リンクへ)
マイホームは多くの人にとって夢であり、ライフプランそのものでしょう。この先も安心して暮らし続けられるように、また、不測の事態でライフプランに軌道修正を余儀なくされる場合であっても、不本意な選択をせずに済むように、今できる準備をしておいてください。
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