LGBT(性の多様性)に関する良書が多数出版されています
今回ご紹介するLGBT関連書籍
ぜひみなさんにも読んでいただきたいと思う本がたくさんありますので、まとめて紹介いたします。
LGBTのことは理解している、ネットでも情報収集できる……と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、性の多様性って本当に奥が深くて、「そういえばまだこういう視点で書かれた本ってなかった!」といった新しい発見や感動が山ほどあります。そんな宝の山のような本たちが、みなさんとの出会いを待っています。ここで紹介した本をもし全部読んだら、きっと性の多様性について重要な事柄はほとんどカバーできるのではないか、と思ったりします。
【INDEX】
1.あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる
2.ゲイ・カルチャーの未来へ
3.LGBTのひろば
4.13歳から知っておきたいLGBT+/知ってる? LGBTの友だち マンガ レインボーkids
5.現地レポート 世界LGBT事情――変わりつつある人権と文化の地政学/世界一周ホモのたび 結
6.「LGBT」差別禁止の法制度って何だろう?
7.セクシュアリティと法: 身体・社会・言説との交錯
ゲイの牧師さんが真心こめて贈る「福音の書」
ゲイであることをカミングアウトしている牧師の平良愛香さんが、満を持して著書『あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる』を上梓しました。ゴトウもゲイ雑誌の編集者として平良さんにインタビューさせていただいたことがありますが、見た目も愛くるしく(クマさんみたい)、何より人間性が素晴らしく、ゲイコミュニティでも熱いファンが多い方です。
生い立ちから始まりますが、まずゴトウは愛香さんのご両親(お父様も牧師さん)の素晴らしさに感銘を受けました。困っている人を助け、虐げられていた沖縄の人を守るために活動していたお父様。「人を見下すようなことだけはしてはいけない」と怒る方だったそうです。お母様は、愛香さんが小学生の時「スカートがはきたい」と言ったら、手縫いで作ってくれたという、素晴らしい方です。また、愛香さんのお兄さんがアグネスラムのポスターを貼っていたら、「巨乳の女がそんなにいいか、おちんちんの大きい男の人のポスターも一緒に貼れ」と言ったことがあるそうで(=女性をモノのように扱うことへの戒め)、深く感動しました。そんな素晴らしいご両親の教育の下で、愛香さんも素直で心優しい少年に育ったのですが、名前が女性的なこともあり、「お前はオカマか?」と言われたこともあるそう。性の目覚めの頃を迎え、ゲイだと自覚したとき、キリスト教の同性愛は罪(地獄の火に焼かれる)という教えとの相剋に悩み、一時は死ぬことも考え……しかし、最終的に生きていく決心をしたのもキリストの教えのおかげだったそうです。愛香さんは、聖書の中の同性愛が罪とされる根拠の部分について、当時の社会状況に照らし、決して同性愛を禁じるために書かれた言葉ではないという考察を展開しています。たいへん説得力があり、おっしゃる通りだと思います。愛香さんが初めて友人にカミングアウトした時のエピソードも感動的です(泣きました)。
おそらく、LGBTのクリスチャンの方のなかには、教義との矛盾に悩んでいる方もいらっしゃると思います。この本は、そんな方たちにとっての「福音の書」です。愛香さんはきっと、「神様もゲイも、気づかないだけで、いつもあなたのそばにいる」ということをみんなに伝えるための伝道師として神に選ばれた方なのだと思えます。