LGBTの方たちが綴る、胸が締めつけられそうになる痛みの言葉

雑誌『こころの科学』という増刊号として出版されたのが、この著書『LGBTのひろば』です。LGBTの中でも最も早くから活動してきた、アーティスト・作家でもありBAR「タックスノット」のオーナーでもある大塚隆史さん(タックさん)が編者の一人あるという時点で、この本の意義は約束されたようなもの、と思い、読んでみました。 

LGBTの方々はもちろん、LGBTを支援するストレート・アライの方など、いろんな方が登場し、「叫び」や「揺らぎ」、真摯な「思い」を綴っている本です。

例えば、LGBTのグリーフワーク(=悲嘆を乗り越えるプロセス)の活動に携わる方。若いゲイが「いい年になったら死んでしまいたい」という状況に対して何ができるかと語る活動家。うつを経験したトランスジェンダーの方。50年近く望んでようやく性別適合手術を受けられるようになった方。身体の複合的な障害、精神疾患、セクシュアルマイノリティなど波乱万丈な人生を経て「OUT IN JAPAN」の写真撮影に臨んだ方。田舎の男尊女卑な環境を脱して東京でゲイバーを開いた方。クリスチャンのセクシュアルマイノリティの方が安心して語れる場をつくる活動をするトランスジェンダーの方。兄から性的虐待を受け、母親も守ってくれず、トラウマを抱えたトランスジェンダーの方。HIV陽性者を支援している女性。東京レインボープライド共同代表の方。20歳で子どもを産んでレズビアンコミュニティからバッシングを受けた経験を持つ女性。「ゲイの世界にハマる」ことを恐れ、友達を作らず、孤独に生きてきた方。福岡のコミュニティセンター「haco」を運営する方、などなど。

どの言葉も、心からの、真実の言葉だと感じました。そして、編集後記の城戸健太郎さんの言葉には、胸がつぶれそうになり……思わず涙がこぼれました。ぜひ読んでみてください。

この本には全国のLGBTのための相談窓口一覧も掲載されています。悩みを抱える当事者の方たちに向けて、どうか一人で悩まず、ほんの少しの勇気を持って、安全な居場所を探してみてください、という城戸さんの気持ちの表れです。