ミニチュアガーデンとは
「ミニチュアガーデン」とは、浅鉢などの器に小さなオブジェや植物をレイアウトして、卓上に乗せられるようなミニサイズに作り上げた寄せ植えの庭のことです。従来からある「箱庭」と明確な違いはありませんが、「ミニチュアガーデン」は器をはじめ使用する素材の自由度が高く、物語を感じられるものが多いように思います。「箱庭」とともに、日本では自然の風景を盆の上に再現しようとする「盆景(盆石、盆山、盆庭)」というものが園芸趣味の一つとして発展してきた歴史がありますが、やはり「和」を感じるものになるので、「ミニチュアガーデン」とは一線を画します。
また一定のサイズ基準のある鉄道模型やドールハウスと違って、いまのところ「ミニチュアガーデン」に決まったスケールというものはありません。家にあるものを利用したり、作りやすいサイズで素材をハンドメイドするなど気軽に楽しむことができます。
Piece of Mindの世界
ガーデニングの中でミニチュアが注目されだしたのは、有限会社Piece of Mind(ピースオブマインド・埼玉県)の「ミニチュアスモールガーデンハウス」によるところが大きいでしょう。国内最大規模のイベント「国際バラとガーデニングショウ」や、2010年に開催された「東京インターナショナルフラワー&ガーデンショウ(TIFG)」に展示された小さな家とサイズ感を合わせた緻密な植栽には、多くの来場者から感嘆の声が上がっていました。 大きな庭を作れる環境になくてもミニチュアガーデンでなら「夢の庭」、「憧れの庭」を実現することができる! という例の最たるものを目の当たりにして、希望(あるいは野心?)を胸に抱いた方も多いことでしょう。
ミニチュアガーデンを作ってみよう!
素敵なミニチュアガーデンをギャラリーとして鑑賞するのも良いですが、せっかくなら自分だけのオリジナルなミニチュアガーデンを作って楽しみたいですよね。初めは市販の鉢やオブジェを組み合わせ、そこに植物を2~3株植えるだけの簡単なものからチャレンジしてみてはいかがでしょう。 ミニチュアガーデンの大まかな作り方は…
- 作りたいガーデンのイメージを固める。簡単でもいいので、できれば完成図を描いておく
- 浅鉢などの器に、必要に応じて鉢底ネットや鉢底石を敷き、培養土を入れる
- 完成図を元にして、鉢土の表面をアプローチ部分や植栽部分などに区切る
- 植栽部分にコニファーの幼木や多肉などの植物を植え込む
- 小石などでアプローチを作ったり、市販のミニチュアをレイアウトする
ミニチュアガーデンの材料
ミニチュアガーデンに使用するオブジェは、100円ショップでも可愛いものが販売されています。小さなイスやテーブルといったガーデンファニチャー、ジョウロやバケツなどの小物、小動物、フェンスなど種類も様々です。100円ショップや近隣の店で気に入ったものが入手できない場合は、ネット通販を利用してみましょう。ホビー、クラフト関連でドールハウス用の小物やジオラマ用など、たくさんのミニチュアが販売されています。
市販品を組み合わせて使用する場合に注意したいのは、全体のスケール感を揃えることです。ガーデンファニチャーよりも大きな犬や猫が庭に寝そべっていたら、やっぱり変ですよね。
Seiei フェアリーガーデン ビギナーズセット
市販のミニチュアオブジェのほか、前述のPiece of Mindプロダクトによるレジン製「ピースハウス」もオススメです。家の屋根に多肉植物が植えられる物もあるので、単体で楽しむこともできますし、リアルガーデンのオブジェにもなりますよ。器やオブジェも手作りで
もっと思い通りの「ミニチュアガーデン」を作りたい!という方は、器やオブジェも手作りしてみては?「そんな高度なことは無理!」と思われるかもしれませんが、「材料さえ揃えてしまえば、あとは“やる気”があれば作れます!」と教えてくださったのは、sanae gardenの原嶋早苗さん。ガイドも2016年にレッスンを受け、ミニハウスなど様々な作品を自作することができました。
器から手作りするので、自分サイズで自由に作ることができるのが魅力です。
市販品を上手に利用して、また思い通りのものが無ければ本を参考に手作りして、世界に一つだけ自分だけのオリジナルミニチュアガーデンを楽しみましょう!
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