アスパラガスの栽培・育て方のコツ
アスパラガスの栽培スケジュールや、育て方のコツ、手入れの仕方について、詳しくお伝えします。なお、「オーガニックな栽培方法」をコンセプトに、できる限り化学農薬・化成肥料は使わないやり方をご紹介します。■アスパラガスの基本情報
クサキカズラ科の多年草
学名:Asparagus officinalis
アスパラガスの栽培は、一度植えてしまえば手入れもそれほど必要なし
アスパラガスはクサキカズラ科の多年草で、トマトやナスなどの一年草の野菜とはちょっと違います。私たちが食している部分は春先に土から顔を出す芽の部分で、ちょうど竹の新芽であるタケノコを食べるのに似ています。一度植えてしまえば、手入れもそれほど必要なく、7~8年ほど毎年収穫し続けることができます。ベルギーやフランスでは、ホワイトアスパラガスは、春の到来を告げる野菜としてあまりにも有名ですが、自分で育てると毎年新芽の時期が楽しみで、まさに春の到来を待つワクワク感があります。
また、採れたてのアスパラは、甘みがあり、筋っぽさがなく、お店で買うのとはまったく違うフレッシュな味わいを楽しむことができます。
アスパラガスの収穫時期・栽培スケジュール
アスパラガスの苗は、秋頃から売られはじめます。最初から充実した株であれば、次の年の春から収穫が可能です(場合によっては、1年目の芽は細すぎて、収穫には適さない場合もあります)。種からはじめることもできますが、苗にするまで手間がかかるのと、発芽してから収穫できるようになるまで温暖地で2年、寒冷地で3年かかります。家庭菜園で栽培する場合は、苗からスタートすることをおすすめします。
アスパラガスの植えつけの方法・準備するもの
■アスパラガスは地植えが適しているアスパラガスの根は深さ1~2mに生長するので、地植えが適しています。また、夏場の生育期には、高さ1~1.5m、葉張り1m弱の大きさになるので、それくらいの広さがとれる場所を確保してください。家庭菜園で行う場合は、畑でなくても庭の一角などでもOKです。ガイドも実際に、ドライガーデンの一部として、春は新芽を食するのを楽しみ、夏場は青々と茂る葉の景色を楽しんでいます。
苗を実際に手にした方は、ちょっと驚かれることもあるかもしれません。私たちが普段目にするポット苗ではなく、根っこがむき出しの状態で届けられることもあります。苗を手に入れたらなるべく早く植えつけましょう。
■アスパラガスの植え付けは、土の準備が重要
アスパラガスは、植えつけは簡単ですが、土の準備が重要です。長い期間をかけて深く根を張る植物ですので、一年草の野菜よりも深く50~60cmくらいの土を掘り返し、たい肥をたっぷりと混ぜ合わせます。酸性土を嫌いますので、たい肥を混ぜ合わせる際に石灰も適宜ブレンドし、土壌改良を行います。
土壌改良が終わったら地面を元の高さに戻します。ポット苗の場合は、ポットの土の高さが元の土の高さと揃うように、根がむき出しの苗の場合は根の肩の部分が土に少し埋まるくらいの高さに植えつけます。
アスパラガスの手入れ・収穫時期とコツ
アスパラガス畑の夏の様子
春になると、土の中から3日に1本くらいのペースで芽が出てきますので、それが20~30cmくらいの高さになったら随時収穫していきます。ただし、その芽をすべて採りつくしてしまうと、次の年のための株が残らなくなってしまいます。3週間ほど収穫を楽しんだら、あとは残して、大きく生長させましょう。
アスパラガスは、夏場にしっかりと葉を伸ばし、光合成を行うことで根に栄養を貯え、来年の発芽に備えていきます。もともと、乾燥に強い植物で、夏の生育期にも雨の当たる場所であれば、基本的には水やりは必要ありません。病害虫にも強く、家庭菜園で数株育てる程度であれば、特に気にする必要はないでしょう。
秋が深まる頃には地上部が枯れてきますので、すっかり黄色くなって枯れたら、地上部を切りとり、土の部分をきれいにしておきます。そして、来春の収穫のために、根の周りにひとまわり大きめの溝を掘り、有機質の肥料と石灰を適宜、施しておきます。
ホワイトアスパラの栽培方法
ホワイトアスパラガスはこのように表面の土をとり除けて収穫します
ところでグリーンアスパラガスとホワイトアスパラガス、実は同じ品種だということはご存じでしたか?
ホワイトアスパラガスは、グリーンアスパラガスと同じ株で、新芽に日光が当たらないように、やわらかい土を20~30cmほどかぶせて育てたもので、いわばムロで白く育てるウドのようなものです。日本では缶詰のものが主流でしたが、最近は北海道などで生産されるようになり、生の状態で売られているのを目にするようにもなってきましたね。同じ品種なのに遮光して育てるだけで、ホワイトアスパラ特有の風味と香りが出るのです。
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