コシアブラ(濾油/こしあぶら)の食べ方とは?
山菜の女王「こしあぶら」
アクは少なく、根元部分はコリッとした食感、葉はセリのようなほろ苦い風味を持っています。かつてこの木の樹脂を絞って、濾したものを漆のように塗料として使われていたことから、こしあぶら(濾油)と呼ばれているようです。
こしあぶらの木は高いもので20mにも及ぶため、気軽に採れないこと・栽培しているものがほとんどなく、市場での出回りが少ないことから、希少な山菜のひとつと言われています。ここではこしあぶらの選び方、下ごしらえ、食べ方を紹介したいと思います。
こしあぶらの選び方
■芽吹き始めのもの 葉が開いていない、ずんぐりとしたどんぐりのような姿をしているものは「筆」と呼ばれ、希少度が高いです。切り口が黒ずんでおらず、全体の色が均一な緑のものを選びましょう。
■葉が開いたもの はかま部分から柄がスッと揃って真っ直ぐ伸びているものが◎。色は黄緑色や赤紫色があります。黒ずんでいないものを選びましょう。
こしあぶらの保存方法
こしあぶらは香りが大切です。時間が経つと香りが薄れるので、新鮮なうちに食べるのがベスト。できることなら手に入れた日に食べきるか、下ごしらえしましょう。保存する場合は、乾燥しないよう新聞紙で包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫で2~3日。水で洗うと風味が落ちるので、洗わずに保存します。こしあぶらの下ごしらえ
アクはそれほど強くないので、油調理(炒める・揚げる)する場合は洗うだけで◎。ゆでる場合は、以下の手順でアク抜きしてください。1. 根元にある逆三角形の固い葉(ハカマ)を取り除きます。手でもちぎれますし、包丁の刃で取り除いても◎。ハカマは緑のものか、紫がかったものがあります。
こしあぶらの食べ方例
■揚げる場合
こしあぶらの定番と言えば天ぷら。濃いめに作った衣にくぐらせて、カラリと揚げます。油で加熱調理することでアクが和らぎます。根元付近はオクラを思わせる食感で、葉の部分はセリのような強い風味があります。塩を添えていただくのがおすすめです。
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■ゆでる場合 下ごしらえして水にさらしたものを、絞ってから刻みます。醤油とかつおぶしでいただくおひたし、酢味噌で和えた・刻んだものを味噌で和えたこしあぶら味噌などいかがでしょうか。
炒めていないものはセリを思わせる苦みと、トロッとした舌触り、微かに鼻を通る清涼感を楽しむことができます。
根元のコリコリとした食感に、葉の部分のツンとした苦みがアクセントのご飯です。炒めた方がアクが和らぎ、香ばしさが増すのでおすすめです。
こしあぶらを手に入れる方法
こしあぶらは沖縄を除く日本列島全体で採ることのできる山菜で、場所にもよりますが旬は4~7月頃です。ほとんど栽培していないので、出回っているのは自生のこしあぶらです。産地に近い産直や量販店でお目にかかれればいいのですが、見つからなそうなら、あらかじめ予約して取り寄せることをおすすめします。出回る量に限りがあるため、ネット通販で2月頃から予約を受け付けている場合が多いです。
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