希少価値の高い高級食材「松茸」

まつたけ

 秋に旬を迎えるまつたけ。アカマツをはじめとする松林で自生するきのこで、人工栽培ができないので、希少価値がとても高いです。

気品ある香りと風味があることから、日本のきのこの王様とも呼ばれている松茸。なかなか頻繁に口にするものではないので、購入するときは確実においしいものを選びたいですね。ここでは松茸を扱う際に覚えておきたい用語、選び方、産地での違い、下処理の方法、おすすめの食べ方などを解説したいと思います。

松茸の部位の呼び名…傘・膜・軸

膜割れのしていないまつたけです。

傘、膜、ヒダ、軸の4つの部位を抑えておきましょう。
 

まず、松茸の部位ごとの呼び名を抑えておきましょう。
  • : 松茸の上部にある帽子状の部分
  • : 傘の裏と軸の間にある薄い膜で、ヒダを覆っている。まつたけが生長していくと、切れてなくなっていく部位です。膜の有無で、松茸の評価が変わります
  • ヒダ: 松茸の傘の裏面のこと。放射状になっている
  • : 松茸の傘の下についている、筒状の部位。柄とも呼ぶ

おいしい松茸の選び方

    まつたけ

    まつたけを選ぶときは傘のひらきをチェック!

  • 傘は肉厚で、光沢がある。
  • 軸が白っぽく、太く、みしっとした手ごたえのある固いもの。軸が細くて長いものは、育ち過ぎて、風味が強すぎることがあります。
  • 湿り気のあるもの。乾燥と高温にさらすと、風味が落ちてしまうので、取り寄せる場合は、チルドで!
  • 軸がフワフワと柔らかいものは、虫が巣くっていることが! その場合、2~4等分に割いて、塩水にしばらく浸けておくと虫が出てきます。

傘のひらきと膜切れについて

まつたけの膜

左が膜切れしていないまつたけ。右が膜が切れてヒダが見えるまつたけ。

松茸は、発育段階によって、大きさと傘の開きが違います。若いものから順にころ、つぼみ、ひらきと呼ばれています。

高級とされるのは、膜が切れていない、つぼみで、弾むような弾力と、あとを引く芳醇な香りはきのこの王様の名にふさわしい味わいです。

店頭ではつぼみ中ひらきを扱っていることが多いですが、取り寄せや産直ではいろいろな形のものが扱われていますので、傘の開きと膜の切れ目は選ぶときの参考にしてみてください。

  • ころ: 生育不十分の傘の固くしまったもので、長さが6cm以下のもの。
  • つぼみ: 軸の直径3.5cm以上、長さ12cm以上のもの。膜切れしていない状態で、一番高値のつく状態です。
  • 中ひらき 膜切れ30%以下のものを中ひらきと呼びます。つぼみとひらきの間くらいの状態です
  • ひらき: 生長し、傘が開いた状態のものです。膜切れしており、価格はつぼみより若干安め。香りの立ち方が一番高いのですが、その分風味が落ちるのが早く、カサカサに乾燥していきます。早めに食べるようにしましょう。

松茸の下ごしらえ法…洗ってよいのか、石づきの取り方

まつたけの根元は鉛筆を削るようにして削ります。

まつたけの下ごしらえは、根元を削るところから。その後汚れを落とします。

さあ、いざ手に入れた松茸! 土に生えていたものなので、汚れがあるかもしれません。下ごしらえをしてからいただきましょう。
  • まつたけは、水で濡らしてしまうと風味が落ちてしまうので、調理する直前に下ごしらえをするようにします。
  • 軽い汚れの場合: 乾いた布で、繊維に沿って汚れを軽く拭き落とします。傘は中心から外側へ向けて、柄は下から上へ向けて拭きましょう。
  • 土汚れの場合: 水を張ったボウルの中で、静かに洗います。洗ったまつたけは、乾いた布で、水分をすぐふき取るようにします。
  • 根元の硬い石づきは、土に埋まっていた部分です。えんぴつを削るように包丁で削ぎ落とします
  • 下ごしらえができたら、料理に合わせて、まつたけをカットしてください。

松茸料理のコツ

香りを楽しむのなら土瓶蒸しに!

まつたけの土瓶蒸し

松茸は傘の開きによって、食感や香りが違います。それぞれに合った食べ方があるので、参考にしてみてください。
  • ころは未成熟なので、柔らかく、香りは控えめです。そのまま煮物などに。
  • 形が美しいつぼみ中ひらきであれば、姿形を活かした焼き松茸、天ぷらなどで。
  • 香りが濃縮されているひらきであれば、土瓶蒸し、松茸ご飯、お吸い物、パスタ、すき焼きなどで。
味付けは、松茸の香りを活かすため、ごくごく薄味を心掛けてみてください。


松茸は保存方法…洗ってから保存しよう!

松茸

松茸は洗ってから保存!

松茸は時間と共に香りと風味が落ちてしまうので、できるだけ早めに食べるようにしたいものです。それでも食べきれない場合は、賢く保存しましょう! 松茸は自生しているので、土汚れなどがついたままなので、そのままにしておくと雑菌が繁殖する可能性があります。なので、洗ってから保存しましょう!
  • 冷蔵保存の場合(2-3日以内の保存)
  1. 根元を削り取り、ボウルに溜めた水で、静かに汚れを落とす。
  2. 水気をしっかりとふき取る。
  3. 乾いたキッチンペーパーに1つずつ包んで、ビニール袋かラップで包んで、冷蔵庫へ。
  4. 収穫後からどれだけ時間が経っているかにもよりますが、2-3日以内に食べるようにしましょう。
  • 冷凍保存の場合(半年くらいの保存): 松茸の風味と香りは損なわれてしまいますが、冷凍保存ができます。解凍するときにドリップが出てきてしまうので、焼き松茸にはできません。汁物や煮物にするつもりで保存してください。
  1. 冷蔵保存と同様、根元を削り取り、溜め水で洗ったら、水気をふき取りとります。
  2. スライスするか、1/2-1/4割りにします。
  3. 密閉袋にいれて、冷凍庫で保存します。食べるときは、凍っているものをそのまま煮汁などに入れてください。

中国産・韓国産・アメリカ産などの輸入松茸の違い・選び方

日本で手に入る松茸の約9割は輸入松茸と言われています。松茸は鮮度が大事ですが、外国産のものは輸送の関係からもどうしても鮮度が劣ってしまいます。それでも手軽に食べられるというメリットがあります。中国、アメリカ、カナダ、韓国、北欧(スウェーデン・フィンランド)からのものが多く、それぞれの国ごとに大きさや味わいに特徴があります。以下は、選ぶときの参考にしてみてください。

中国産まつたけ

日本のものと比べて柔らかめの中国産まつたけ

■中国産松茸の特徴
9月に輸入のピークを迎えます。形は日本の松茸によく似ているものの、食感は柔らかいです。泥臭さが気になる場合は、ぬるま湯で洗うとよいでしょう。
■韓国産松茸の特徴
10月に輸入のピークを迎えます。国産松茸に一番似ています。輸送時間が一番短いため、国産松茸とあまり変わらない味わいを楽しめます。

■スウェーデン・フィンランド産の松茸の特徴
北欧産の松茸は、DNA解析の結果、日本の松茸とほぼ同一のきのことされています。8~9月に輸入のピークを迎えます。
カナダ産まつたけは白いのが特徴です

白い姿が特徴的なカナダ産まつたけ

■アメリカ産・カナダ産の松茸 10月に輸入のピークを迎えます。色が白っぽくて丸く、食感は柔らかめ。国産松茸とは違う品種のきのこなのですが、香りと食感がよく似ているので国内では松茸として扱われています。違う香りが強烈で、加熱すると弱まります。パスタやシチューなどの洋風料理に向いています。
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※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。