アンドロイド(Android)版ワード(Word)アプリ
マイクロソフトのWordには、Windows版とMac版の他に、iPhone/iPad用のiOS対応版、Androidの搭載されたスマートフォン/タブレット用のAndroid版などがあります。今回は、この中からAndroid版のWordに絞って、その機能と特徴、使い方のポイントを紹介します。<index>
- タブとリボンが用意されて、見た目もWindows版Wordとほぼ同じ
- DropboxやGoogleドライブなどのクラウドストレージにも対応
- Windows/Mac版のWordで作った文書をそのままのレイアウトで表示・編集できる
- 文書の校閲も可能! 手書きでのメモ入力も便利
- パソコン版のWordと使い分けるのがおすすめの活用方法
タブとリボンが用意されて、見た目もWindows版Wordとほぼ同じ
Android版のWordは、Google Playでインストールして無料で利用することができます。ただし、無料で利用する場合はページ/セクション区切りが挿入できないなど、一部の機能が制限されます。また、無料での利用は、非商用にかぎられます。すべての機能を利用し、かつ仕事や収益を得ることを目的とする使い方をするためには、Office Premium搭載パソコンに付いているOffice 365サービスやOffice 365 Soloを利用する必要があります。これらのサービスを利用すれば、最大2台のタブレット/スマートフォンにフル機能のAndroid版Wordをインストールして利用できます。なお、利用するためには、Microsoftアカウントも必要になります。
ここでは、すべての機能が利用できるという前提で、Android版Wordの画面から紹介しましょう。画面を見るとわかるように、タブとリボンが用意されていて、パッと見た印象は、Windows版のWordと大差なく感じられると思います。
DropboxやGoogleドライブなどのクラウドストレージにも対応
Android版Wordの大きい特徴は、クラウドストレージに対応していることです。具体的には、次のクラウドサービスを利用できます。- OneDrive
- OneDrive for Business
- SharePoint
- Googleドライブ
- Box
- Dropbox
OneDriveはマイクロソフトのサービスなので対応しているのは当たり前ですが、DropboxやGoogleドライブ、Boxに対応しているのは、とても便利だと思います。なお、利用するためには、あらかじめ各クラウドストレージのアカウントを取得しておく必要があります。
[ファイル]タブを選択したあと、[開く]を選択して[場所の追加]を選択すると、追加できるクラウドストレージが一覧表示されます。なお、追加するには、各サービスのアカウントを事前に取得しておく必要があります。OneDriveに関しては、現在使っているMicrosoftアカウントがあれば利用できます
Windows/Mac版のWordで作った文書をそのままのレイアウトで表示・編集できる
肝心の編集機能ですが、文字の入力からフォントや太字などの書式設定、表の作成など、ひととおりのことはできます。画面が小さいので、文章をたくさん入力したり、レイアウトを整えたりするのには向かないと思いますが、たとえば新幹線で移動中に文字の間違いを修正したり、図版を追加したりする程度なら、十分使えるレベルです。ちょっと気になるのは、タッチキーボードを表示すると、キーボードが画面の大半を占めて、入力エリアが極端に狭くなってしまうこと。文字修正程度なら問題ありませんが、文章をたくさん入力したい人には、ちょっと厳しいかもしれません。その場合は、Bluetoothなどで接続できる外部キーボードを使った方が効率的だと思います。
このように、文書の入力・編集は、Windows/Mac版のWordの方が優れていますが、文書の表示はまったく問題ありません。当たり前ですが、Windows/Mac版のWordで作成したWord文書をそのまま表示できます。Office互換ソフトのように、レイアウトが崩れることもありません。したがって、移動中の電車や飛行機、カフェやホテルなどで文書の内容を確認したいときは、わざわざパソコンを起動する必要はないでしょう。
文字の入力にはタッチキーボードを使います。ただし、画面が占有されてしまうので、たくさん入力するのには向いていないと思います。文章入力が多い場合は、Bluetoothなどの外部キーボードの利用をおすすめします。なお、タッチキーボードを閉じるには、余白部分か余白の外をタップします
文書の校閲も可能! 手書きでのメモ入力も便利
スマートフォンやタブレットのいいところは、どこにでも持ち運べて、片手でも操作できることです。カバンやポケットからサッと取り出して、Android版のWordで資料をすぐに確認することができます。その際に活用したいのが、校閲機能とメモ機能です。校閲機能を利用すると、Word文書の修正を履歴として残したり、コメントを追加したりできます。たとえば、内容確認を依頼された文書をAndroid版のWordで表示して、気になるところにコメントを残したり、直接修正したりできます。
その際、文字を入力するのが面倒なら、[描画]タブに切り替えて、指やペンで文書中に直接手書きでメモを残すこともできます。あまりきれいではありませんが、必要な情報を伝えたいだけなら、十分実用的でしょう。
また、白紙の新規文書を用意すれば、手書きだけでメモを残すこともできます。連絡先の電話番号や住所をメモするなど、急いでいるときにはけっこう使えるテクニックです。
パソコン版のWordと使い分けるのがおすすめの活用方法
Android版のWordは、けっしてWindows/Mac版のWordに代わる存在ではありません。文書をしっかり作成するなら、パソコンを使ってWindows/Mac版のWordを使うことをおすすめします。ただし、移動中の新幹線や出張先のホテル、カフェなどで、文書を確認・修正するなら、Android版のWordがおすすめです。レイアウトが崩れる心配がないので、内容を読むだけなら、わざわざパソコンを起動する必要はありません。読んでいる途中でちょっとしたミスに気づいたら、その場で修正したり、コメントを残したりすることもできます。大幅な修正が必要になって、はじめてパソコンに切り替えればいいのです。
なんでもかんでもパソコンでやろうとすると、かえって効率が低下することになりかねません。大切なことは、パソコンのWordとスマホ/タブレットのWordを、うまく使い分けることだと思います。
ですから、Android搭載のスマートフォン/タブレットを持っているWordユーザーなら、ぜひAndroid版のWordをインストールしておきましょう。パソコン版のWordと使い分けることもできますし、万が一、パソコンが使えない緊急事態が起きても、Android版のWordがあれば、何とか対応できると思います。
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