絵馬とは? 由来や書き方など基礎知識を解説
絵馬を奉納するにはどうしたらいいの?
<目次>
絵馬の由来、なぜ馬なの?
そもそもなぜ「絵馬」で願掛けをするのでしょう?それは、昔は祈願の際に馬を奉納していたからです。古来、神様は馬に乗って人間の住む俗世界に降りてくるといわれました。神聖な馬なので「神馬」(しんめ、じんめ、かみうま)といいます。神社に「神馬舎」がみられるのは、その名残です。
奈良時代ごろから、祈願のために馬を奉納するようになりました。奈良時代の『続日本紀』には、神様に生きた馬を奉納して祈願したという記述が、平安時代の『延喜式』には、雨を願うときには黒毛の馬を、晴れを願うときには白毛の馬を奉納するという記述がみられます。しかし、生きた馬を奉納するのは非常に大変なことなので、木、紙、土などで作った馬で代用するようになり、やがて馬を絵に描いた「絵馬」が主流になっていきました。
こうして、社寺に奉納する木の板を「絵馬」と呼ぶようになりましたが、社寺によっては馬ではなく、その社寺ゆかりの動物や縁起物が描かれている場合もあります。また、家のような形をした絵馬が多いのは、昔は絵馬の板に「神馬舎」を表す屋根をつけていた名残だといわれています。
絵馬の奉納のしかた、願い事・氏名・住所の書き方
絵馬の願い事は書く? 書かない?
絵馬は、祈願するときや、願いが叶った際の御礼をするときに奉納します。初詣に限らず、いつ奉納しても構いません。
●願い事は書く?書かない?
絵馬には願い事を書かなくてもよいという考え方と、きちんと書くべきだという考え方があります。もともと絵馬の奉納は人知れず行うもので、神様は祈願する者のことはお見通しだとされたため、「子年男」「丑年女」などと書く程度で、名前や願い事も書きませんでした。その後、祈願する者の心意を正すために、願い事や住所氏名を書く絵馬が増えていったのです。記載欄がある場合にはそれに従いますが、記載欄がなくどうしようか迷ったら、その社寺で聞いてみるとよいでしょう。
●願い事を書くのは表?裏? 筆記用具は?
願い事は絵の描いてある表面ではなく裏面に記入します。せっかくの願いが消えてしまうといけないので、油性ペンなどでしっかり書きましょう。たいがい絵馬を書くための筆記用具と場所が用意されています。
●願い事を書く場合のポイント
絵馬に願い事を書く場合には、心意を具体的に表したほうがよいとされています。たとえば合格祈願の場合なら、「大学合格」ではなく「〇〇大学〇〇学部合格」と具体的に自分の決意を記します。願い事とはいえ、決意を持って叶える努力をしなければ、ご加護を授かることもできません。また、何々するといいな~というふわふわした感じではなく、何々しますようにと心を込めて書くのがポイントです。
●名前や住所は書く?書かない?
一般的には願い事のほかに名前や住所を記入しますが、最近は実名や詳しい住所を書かず、イニシャルや「〇〇県〇〇市」にとどめる方も増えています。
絵馬を持ち帰りたいとき
絵馬を奉納し、心願成就といきたいですね
- 基本的に絵馬は奉納するものなので、願い事を書いたら奉納したほうが良いでしょう。
- 願い事を書かず、記念に持ち帰りたい場合には、持ち帰っても構いません。
- 願い事を書いた絵馬を持ち帰りたい場合には、神棚に納めるようにします。神棚がない場合には床の間か目線より高いところに飾るとよいでしょう。