韓国語/ハングル文字

自分の名前をハングル文字に変換! 韓国語・ハングル文字を解説

韓国語を習い始めた最初のほうで、自分の名前がハングル文字になった!というのは感動の瞬間です。日本人の名前や日本の地名などの固有名詞をハングルにするときの表記の基本を学び、日本語をハングルに変換して実際に書いてみましょう。

幡野 泉

執筆者:幡野 泉

韓国語ガイド

韓国語のルール!自分の名前をハングル文字に当てはめてみよう

韓国語で自分の名前を書いてみよう!

この平仮名にはこのハングルを、というガイドラインがあります

ハングルを勉強したらまず書いてみたいもの、それは皆さんの名前ではないでしょうか。基本的にはそのままハングルを当てはめれば良いのですが、ちょっとした決まりやコツもあるようです。ハングルの「어」と「오」。読み仮名をふると、両方とも「オ」。

「우」と「으」は、読み仮名をふると「ウ」になりますね。「エ」も、「애」と「에」があるし……、どちらを使ったら良いのか悩ましいですね。しかし、有難いことに、韓国の国立機関である『韓国国立国語院(韓国語)が、日本語のこの平仮名には、このハングルを対応させてください、と以下のように定めてくれています。

<目次>  

ハングル文字と五十音の対応表

あいうえお 아 이 우 에 오
かきくけこ 가 기 구 게 고
さしすせそ 사 시 스 세 소
たちつてと 다 지 쓰(※1) 데 도
なにぬねの 나 니 누 네 노
はひふへほ 하 히 후 헤 호
まみむめも 마 미 무 메 모
や ゆ よ 야 유 요
らりるれろ 라 리 루 레 로
わ   を 와 오
ㄴ(※2)

※1「스」は「す」なので、一般的には「주(ちゅ)」などが用いられることもあります。
※2「ん」の表記のしかたは、後ほどご説明します。
 
がぎぐげご 가 기 구 게 고
ざじずぜぞ 자 지 즈 제 조
だぢづでど 다 지 즈 데 도
ばびぶべぼ 바 비 부 베 보
 
きゃきゅきょ 갸 규 교
ぎゃぎゅぎょ 갸 규 교
しゃしゅしょ 샤 슈 쇼
じゃじゅじょ 자 주 조
ちゃちゅちょ 자 주 조
ひゃひゅひょ 햐 휴 효
びゃびゅびょ 뱌 뷰 뵤
ぴゃぴゅぴょ 퍄 퓨 표
みゃみゅみょ 먀 뮤 묘

例えば「井上(いのうえ)」さんは「이노우에」さん。「広美(ひろみ)」さんは、「히로미」さんとなりますね。
 

『か行』と『た行』の音が2文字目以降に来るとき

『か行』と『た行』の音が、名前の先頭でないときは、激音と呼ばれる以下の文字を使います。
 
  • か き く け こ:카 키 쿠 케 코
  • た ち つ て と:타 치 쓰(※)테 토

※「쓰」は「す」なので、一般的には「츠(ちゅ)」などが用いられることもあります。
 
  • きゃ きゅ きょ:캬  큐  쿄
  • ちゃ ちゅ ちょ:차  추  초

例えば、「中田(なかた)」さん。「か」と「た」は、名前の先頭ではありませんね。それぞれ2文字目と3文字目なので、「카(か)と「타(た)」を使うのです。なぜ「가(か)」と「다(た)」を使わないのでしょう。

「ㄱ ㄷ ㅂ ㅈ」は、2文字目以降にきたときは、ガ、ダなどの濁った音である濁音になります。「中田(なかた)」さんを「나가다」と書くと、「ながだ」と読めてしまうのです。よって、「나 카 타」と書き、濁らない音にしてあげることが必要になるのですね。

日本人の名前には、この「か行」と「た行」が2文字目以降に来る名前が、実はとても多いのです。私の名前の「幡野(はたの/하타노)」、「田中(たなか/다나카)」、「橋本(はしもと/하시모토)」、「渡辺(わたなべ/와타나베)」など……。このポイントはとても重要ですよ!
 
 

伸ばす音や『ん』などは、どう表記する?

■日本語の伸ばす音は、韓国語にはありません
「佐藤(さとう)」「京子(きょうこ)」など、日本語の伸ばす音はハングルでどう書いたら良いのでしょうか。実は韓国語には日本語でいうところの伸ばす音はありません。厳密に言うと、韓国語には長音といって少し長めに発音する音を持つ単語があることはあるのですが、日本語の感覚でいう伸ばす音を同じ発音でハングル表記することはできないのです。

ですから「佐藤(さとう)」さんは「사토(サト)」。「京子(きょうこ)」さんは「교코(キョコ)」となります。ちょっと違和感がありますよね。よって人によっては、「太郎(たろー)」を「다로우(たろう)」と書いたりする人もいます。

■苗字の一文字目と、名前の一文字目は先頭と考えます
『か行』と『た行』は、2文字目以降にくるときは、激音を使うと紹介しました。では、「たなか きよみ」さんの「き」は、1文字目扱いにするのでしょうか、2文字目以降の扱いにするのでしょうか。

「たなか〔名字〕 きよみ〔名前〕」とするときの「名前」の先頭は、1文字目として扱います。「×다나카 키요미」でなく、「○다나카 기요미」が正解です。

■日本語の『ん』は、どう表記する?
『ん』は「ㄴ(n)」と紹介しましたが、例えば「健太(けんた)」さん、「게ㄴ타」としてしまうのはNGです。そう、「ㄴ(n)」はパッチム(ハングルを読んでみましょう!~パッチム編)の位置に来るのです。「ㄴ」が「게」のパッチムの部分に入り込んで「겐」。「健太(けんた)」は、「겐타」が正解です。

■日本語の『つ』や『ざ』は、どう表記する?
日本語の『つ』は、韓国国立国語研究院の日本語表記法では、「쓰(す)」と定められていますが、これに違和感を持つ日本人は少なくありません。表記法どおりに書くと、「塚田(つかだ)」さんは、「쓰카다(すかだ)」さん。「筒井(つつい)」さんに至っては「쓰쓰이(すすい)」さんとなってしまうのです。

ですから日本人でも韓国人でも、日本語の『つ』を「츠(ちゅ)」や「쯔(ちゅ)」で表記する人が多いようです。「츠카다(ちゅかだ)」……、「쓰카다(すかだ)」よりは近い!のではないでしょうか。

また、韓国人の話す日本語「ありがとうございます」が、「ありがとごじゃいます」と聞こえることはありませんか?基本的に韓国語には伸ばす音がないことと、日本語の『ざ』には、韓国語の「자(じゃ、ぢゃ)」があてはまるためです。したがって、「小沢(おざわ)」さんなどは「오자와(おじゃわ)」と書き、自分で言うときは「おざわイムニダ」と発音する、言われるときは「おじゃわさん」と言われても気にしない、というスタンスでいくしかありませんね。
 

韓国語の規則にあまりとらわれないことも大事

これまで、日本語の名前などの固有名詞を、ハングルでどう表記すれば良いか紹介してきました。しかし、これはあくまでもガイドラインです。

「교꼬(京子/キョコ)」、「다나까(田中/タナカ)」など、濃音を使う人もいますし、「塚田(つかだ)」を「츠카다(ちゅかだ)」と書くか、「쓰카다(すかだ)」と書くか、「佐藤(さとう)」を「사토(さと)」と書くか、「사토우(さとう)」と書くかなどは、本人の好みの問題ともいえます。

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