坪倉氏、ワールド・バーテンダー・オブ・ザ・イヤーに輝く
世界一となった坪倉氏
10月18日(火)~20日(木)の3日間、インターナショナル・バーテンダー・アソシエーション(IBA)加盟の世界64ヵ国の代表選手が帝国ホテル東京に集結して世界チャンピオンを決定する競技が繰り広げられた。
わたしは3日間すべての選手の競技を目にしたのだが、緊張感とともに華やかさ、そして賑わいのある大会だった。国内でもいろいろなカクテル大会が開催されるが、やはり国際色豊かなだけあって、まさにカクテルの、バーテンダーの祭典と表現できる。
喜ばしいことにクラシック部門のショートドリンク・サワー部門に出場した坪倉健児(つぼくらけんじ/京都府京都市「バー・ロッキングチェア」)氏がショートドリンク部門で優勝しただけでなく、全部門の優勝者が競うスーパーファイナルにおいても頂点のグランプリ、「ワールド・バーテンダー・オブ・ザ・イヤー」を獲得した。
坪倉氏の大応援団
まずフレア部門とクラシック部門の各カテゴリーの優勝者を決定。そして最後にそれぞれの優勝者6人のみで競うスーパーファイナルによって「ワールド・バーテンダー・オブ・ザ・イヤー」が決定する。
部門競技もスーパーファイナルも同じ創作カクテルをつくるのだが、しかしながらファイナルはステージ上で自らのカクテルを英語でプレゼンテーションしながら制作していく。しかも途中、ステージ下に陣取った審査員からの質問に応えながらのプレゼンテーションとなる。
スーパーファイナルでの見事な対応
スーパーファイナルでの坪倉氏
「カテゴリーの時はちょっと慌てていました。準備段階から時間が早まったりして、バタバタしたままステージに上がり、あっという間に競技が終了した感じでした」(坪倉氏)
そんな様子は微塵も感じられなかった。日本代表ということもあり大応援団の声援が会場に響きわたるなか、微笑みを浮かべながらの競技振りは見事というしかなかった。
「ファイナルのほうが落ち着いてできましたね。英語での質疑応答も無難にこなせたと思います」(坪倉氏)
坪倉氏創作『ザ・ベスト・シーン』の審査をするIBA会長ロン・ブスマン氏
「アドバイスいただいたNBA(日本バーテンダー協会)関係者の皆様、応援いただいたバーテンダー仲間、多くのお客様に感謝いたします」
そう語る坪倉氏の傍で涙する坪倉夫人の姿は多くの人々の胸を打った。夫を見守りながら、ともに英会話を学んだという。
次ページでは、フレア部門に出場した薦田匡史氏の結果をお伝えする。(次ページへつづく)