ストレスチェックは50人以上の事業場で実施義務があります
ストレスチェック実施は11月30日が期限です
労働安全衛生法が改正され、平成27年12月から毎年1回、労働者が50 人以上いる事業所でストレスチェックを実施することが義務付けられました。初回のストレスチェック実施期限は、平成28 年11 月30 日です。実施期限まで2ヶ月を切りましたが、皆さんの会社の実施状況はいかがでしょうか?
ストレスチェック制度は、従業員が回答したストレスに関する質問票を集計・分析することで、個人または組織のストレス状態を把握し、メンタル不調の予防や組織改善につなげていこうとするものです。
ストレスチェックは全労働者を対象に実施しますが、契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は実施義務の対象外となっています。
ストレスチェックの実施義務がある事業場とは、産業医の選任義務がある事業場と同じ、常時50人以上の労働者を使用する事業場(立地・場所が違えば別事業場となる)です。200人規模の会社であっても、事業場単位で見た場合に50人未満であれば、その事業場は対象外です。
ストレスチェックはセルフケアが目的です
ストレスチェックは毎年1回、調査用紙またはWeb調査などで行われ、その結果は従業員個人にフィードバックされます。これによって、回答する本人が自分自身で現状のストレス状態に気づき、自らストレス対処を行うことができます。これをセルフケアといいます。さらに高ストレスと判定された者は、自ら会社に申し出ることで、医師の面接指導を受けることができます。会社は面接指導をした医師から意見を聴き、必要に応じて就業上の措置を行うことになります。
しかし社内の実施体制や組織風土に対する信頼性が低いと、プライバシーが本当に守られるのか、社内でストレス耐性が低いなどとマイナスの評価を受けはしないかとの心配が先に立ち、ストレスチェックの受験や医師の面接指導の申し出が少なくなることも想定されます。
従業員にストレスチェックの受験義務はありません
ストレスチェック制度は不調者の発見が目的ではありません。あくまでも、従業員自身によるセルフケア及び職場環境改善を通じメンタルヘルス不調の未然防止を図ることが目的です。そこで、健康診断とは異なり、従業員には受検義務はありません。また、ストレスチェックの結果が会社に通知されることもありません。ただし、高ストレス者が医師との面接指導を希望する場合は、会社にその旨を申し出ることになります。そして面接指導の申出をもって、従業員はストレスチェックの結果を会社に提供することに同意したことになりますので注意してください。。なお、ストレスチェックの結果をもとに、会社が従業員を不利益に扱うことは罰則付きで禁止されています。
一方で個々人のストレス結果は医師等の実施者は把握できますので、面接指導の申出を行わない従業員に対して、医師等が面接指導の申出を勧奨することは可能です。