ダイエットの基本/やせるダイエットの基本

痩せホルモンがカギ!睡眠ダイエットの効果的なやり方

夏太りを回避するコツは「質の高い睡眠」と言っていいほど、ダイエットと睡眠には深い関係があります。良質の睡眠から得る痩せホルモンは痩せやすい体質に導きます。今回は、快眠と肥満のカギを握るホルモンや、睡眠ダイエットを成功させるコツを紹介します。

和田 清香

執筆者:和田 清香

ダイエット・ボディケアガイド

睡眠とダイエットの関係って?

痩せホルモンとは?睡眠ダイエットの方法

寝るだけで痩せる!?

夏前に駆け込みでダイエットしたのに、夏の間にリバウンドしてしまうという人は少なくありません。実は、「夏は太りやすい」のをご存知ですか?

その主な原因は、夏は気温が高く体温を維持する必要がなく、使われるエネルギーが少ないため代謝が落ちてしまうため。
さらに、熱帯夜が続いて快眠が得られないことが太りやすい体質を招くという説もあります。

米コロンビア大学の研究チームによると、睡眠時間が少ない人ほど太りやすい傾向にあり、最大で73%も肥満の危険があるといわれているのだそう。

実際、夜遅くまで起きていたり、忙しくて徹夜続きになると、無性にお腹がすいてドカ食いしてしまったという経験はありませんか? それには、あるホルモンが関係しています。

今回は、太りやすい夏だからこそ快眠を手に入れ、寝るだけで痩せ体質に導くコツや実践方法を紹介したいと思います。

<目次>
 

「睡眠ダイエット」のやり方とは?寝てる時間で効率よく痩せ体質へ

まずは、寝るだけで痩せ体質に導くためのポイントは、以下です。

■7~8時間の睡眠時間を確保する

そのために起きる時間から逆算して寝る時間を決めましょう。
睡眠時間が6時間未満の人で33.3%、6時間~7時間未満で28.4%、7~8時間で22%、9時間以上で26.3%となっています。

睡眠時間7~8時間で肥満が最も少なく、睡眠時間が短くなるほど、また長くなるほど多くなるというU字型の関連がみられることがわかります。

出典:睡眠時間と肥満はどう関連するか?
総合的にみて、7~8時間ぐっすりと寝ることが、ダイエットに最適と言えそうです。

■最低でも寝る3時間前には食事を済ませる。

そのためにも寝る時間から逆算して夕食時間を決めておきましょう。
しっかり睡眠をとったとしても、寝る前に食事を摂るのは、脂肪がつきやすくなります。

■22時~2時の間には寝ているようにする。

6つのホルモンの働きをおさえたり、活発にしたり、うまく利用するために必要なのが「質のいい睡眠」であり、それをダイエットに役立てるのが睡眠ダイエットです。

 

「睡眠ダイエット」の4つのNG行動

睡眠ダイエットの味方になるホルモンを賢く活用するために、以下ではやってはいけないNG行動を紹介します。

■15時以降のカフェイン摂取は避ける

カフェインが体から完全に抜けるには8時間~15時間かかるといわれています。ダイエットのためにも快眠のためにも、カフェインの摂取は、ギリギリおやつタイムまでにしましょう。

■寝酒は避ける

就寝の2~3時間前にはお酒は切り上げましょう。とくに、就寝前に酒を飲む「寝酒」はかえって眠りが浅くなり、何度も夜中に目が覚めるというトラブルが起こるもとです。

■就寝前の運動は控える

激しい運動は就寝の2~3時間は止めましょう。軽いストレッチ等はOKです。

■就寝前のスマホ、PC、TVは控える

就寝の2~3時間前にはPCやTVは消し、寝ながらのスマホ使用も止めましょう。
ブルーライトは、メラトニンを減らす力が強いので、特に注意が必要です。眠る直前までパソコンやモバイル、スマートフォン、薄型テレビを見ている人は、それらの画面から出るブルーライトがメラトニンを減らして、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。

出典:スマホは危険!? ブルーライトの睡眠への影響と対策

どれもより快適に熟睡するためのコツなのでぜひ習慣に取り入れましょう。

では、なぜ寝るだけで痩せ体質に導くことができるのでしょうか? 前述のダイエットにかかわるホルモンについて詳しい説明をしていきます。

 

睡眠ダイエットのカギは、6つのホルモンの働き

ホルモンを味方に痩せる!

ホルモンを味方に痩せる!

前述のとおり、睡眠ダイエットを成功させるために注目したいのが、睡眠と肥満のカギを握る6つのホルモンです。

詳しく解説していきましょう。

■1.筋肉を増やして体脂肪を減らす「成長ホルモン」

成長ホルモンというと、身長を伸ばすといったイメージから子供特有のホルモンと思われがちですが、実は大人になってからも分泌されるもの。

しかも、この成長ホルモンは、筋肉を増やして体脂肪を減らす等、ダイエットにとって有難い働きをしてくれます。そして、この成長ホルモンの分泌が最も盛んになるのが、22時~2時の間といわれています。

つまり、寝る時間が遅くなってしまったり、睡眠不足が続いてしまうと、成長ホルモンの分泌が低下して太りやすくなるため、以上の時間内には寝ているような習慣を身に着けることが大事です。


■2.基礎代謝が低下させる「コルチゾール」を抑える

コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれており、コルチゾールが増えると、基礎代謝が低下し、ダイエット効率を悪くします。

つまり、このコルチゾールの分泌を抑えることがダイエットに役立つというわけですが、コルチゾールの分泌は、睡眠時には抑制されるといわれているので、毎日きちんと質の高い睡眠時間を確保すれば、太りにくい体質に近づくことになります。


■3.食欲を抑える「レプチン」

食事をするとお腹がいっぱいになり満腹感が得られますが、これは脂肪細胞から分泌されるレプチンが、脳の満腹中枢を刺激し食欲を抑えるからです。

つまり、レプチンが多い人のほうが食欲が抑えられ、痩せやすい体質をつくることができるということになります。

このレプチンの血中濃度を、睡眠不足の人と十分寝ている人とで比べてみたところ、睡眠不足の人のレプチンが少ないことがわかりました。

レプチンの血中濃度を増やすためにも、正しい睡眠時間と質を意識しなければいけないということになります。


■4.食欲を刺激する「グレリン」を抑える

人間はお腹が減ると、胃から分泌されるホルモンのグレリンが脳の視床下部にある食欲中枢を刺激し、食欲が出てきます。また、このグレリンはお腹が減って体内のエネルギーが不足しているときに、エネルギーを補充しようと分泌されるのが通常です。

しかし、このグレリンは睡眠不足が続くと分泌量が増えるという研究結果があるため、必要以上に食欲を増加させると同時に、グレリンが増えると、ラーメンや揚げ物といったダイエット中は極力控えたい高カロリーなものを食べたくなるという症状を招きます。

睡眠不足になると食欲を増加させるグレリンが増え、食欲を抑えるレプチンが減少するため、太りやすくなるのです。


■5~6.正しい生活リズムをつくる「セロトニンとメラトニン」

人間の体は、朝から夕方にかけては体も脳も活動的になり、夜になるにつれ眠くなるという生体リズムが備わっています。このリズムと深く関係しているのが、明るい光を浴びると分泌されるセロトニンと、セロトニンから合成され夜になると持続的に分泌されるメラトニンです。

メラトニンは夜眠っている間も分泌され続け、朝に向かってその量は減っていきます。メラトニンが分泌されなくなったタイミングで明るい光を浴びると、セロトニンが分泌されて夜のメラトニン合成の準備をはじめる……、というサイクルが毎日繰り返され、正しい生活リズムをつくっています。

この規則的なセロトニンとメラトニンのリズムが乱れてしまうと、眠れない&起きられないというトラブルを起こし、快眠と肥満のカギを握る「成長ホルモン」「コルチゾール」「レプチン」「グレリン」の分泌量も悪いほうにシフトしてしまうということになります。


以上のように睡眠はたくさんのホルモンと関わりがあるため、睡眠ダイエットを効率的に行うためにも、これらのホルモンの働きを理解し最大限に活用したほうがいいのです。

 

あわせてやりたい、「睡眠ダイエット」を成功させる4つのポイント!

朝の習慣も快眠への一歩

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さて、睡眠ダイエットのやり方と痩せ理論がわかったところで、さらに効果的におこなうコツをお伝えします。ただ単に長く寝ればOKというわけでなはなく、質の良い睡眠を適切にとることが重要になってきます。

快適で質の高い睡眠を得るためのコツを5つ紹介します。

■寝る1~2時間前にぬるめのお風呂に入る

私たちは就寝時に深部体温が下がるタイミングで眠りにつくと質の高い&深い眠りを得られるといわれています。

この深部体温の低下をスムーズにおこなうコツは、就寝の2~3時間前くらいに一度体温を上げておくこと。体温を上げておくと当然下げようとするので、この時の体温の低下を利用して、就寝時の深部体温をスムーズに低下させるのがポイントです。

オススメの方法は、寝る1~2時間前にぬるめのお風呂(38~40℃)に入ること。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かることで血液の循環がよくなり、全身が温まります。すると、皮膚から熱が放たれて、お風呂上りから徐々に深部体温が下がり始め、自然と眠りにつくことができます。

その他、寝る2~3時間前にストレッチなどの軽い運動を行うのも良いでしょう。


■熱帯夜は、特に「背中」を涼しく保つ

布団内の温度と湿度も、質の高い睡眠には欠かせない要素で、人が最も快適だと思う温度は約33度、湿度は約55%とされています。夏は寝汗やムレ、ほてりなどの不快さから夜中に何度も目を覚ましてしまい、熟睡できないことが多いもの。

そこで重要なのが、特に背中を涼しく保てる吸湿性や通気性の高い寝具、そして、ゆったり動きやすいパジャマ選びです。寝具を選ぶ際は、お店で専門知識のあるスタッフにアドバイスを受けるのも良いでしょう。

その他、寝る前にタイマーなどをセットして部屋を冷やしたり、扇風機などを使って睡眠のとりやすい環境を作ることも大切です。


■睡眠にいいアロマの香りを活用

副交感神経を優位にし、体や脳をリラックスさせるために、香りの力を借りるのも良いでしょう。

特にラベンダーやカモミールなど眠りを誘うエッセンシャルオイルを活用し、キャンドル式・電気式の芳香器を使って寝室に香りを広げると◎です。

また、好きな香りのエッセンシャルオイルをお湯に入れたコップに数滴たらしたり、ティッシュに含ませて枕元に置くだけでもリラックスできるので快眠に導いてくれます。


■朝の光を10~15分程度浴びる習慣を

夜にぐっすり眠る習慣を維持するには、朝スッキリと目覚めることも大切です。
朝の目覚めが悪い場合は、朝日の光を10~15分程度浴びて体内時計をリセットすること、また起床時間を一定にするように心掛けましょう。

こうすることで睡眠をつかさどるセロトニンとメラトニンが分泌される時間が整い、快眠できるようになります。

 

寝る前にお腹がすいたらどうすればいい?

空腹を我慢する必要なし!?

空腹を我慢する必要なし!?


さて、「寝る3時間前には夕食を済ませる」というのは、ダイエットの常識でもありますが、お腹がすいて眠れない……という人は少なくありません。

実は、空腹感を和らげることが質の高い睡眠をサポートするともいわれており、ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)の睡眠薬センターは、以下のようにコメントしています。
 
「とくに早い時間に夕食を食べたときや、活動的な一日を過ごした場合、寝る前に軽食をとることで血糖値が安定します。

血糖値が安定すれば、眠れない原因となる低血糖が解消され、朝からエネルギー満タンで起きられます。睡眠中でも体はエネルギーが必要なのです。少量のたんぱく質と適度な脂肪分を含む食べ物を選びましょう」

そこで、100kcal前後で、少量のタンパク質と適度な脂肪分を含む、夜食に最適な食べ物を紹介します。

・カッテージチーズ約100g
・ヨーグルト(砂糖無し&低脂肪)約100g
・納豆1パック
・お味噌汁1杯


夜中にお腹すいて眠れず、「お菓子や麺類をドカ食いしがち」という人は、ぜひ参考にしてみて下さい。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ダイエットは個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮したうえで、正しい方法でおこなってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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