パントリーとは食料や調理道具を収納する空間
パントリー(Pantry)とは、キッチンやダイニングなどに隣接させたり、キッチンスペース内に設けられた小さな部屋(スペース)のこと。食料だけでなく、食器や調理道具などを貯蔵、収納するために利用される空間です。食材や保存水などをまとめて購入する生活スタイルであったり、キッチンスペースはすっきりしておきたいという場合など、パントリーは取り入れたいプランのひとつでしょう。【目次】
1.パントリーの魅力とは?
2.パントリーは主に部屋収納と壁面収納の2種類
3.パントリー専用の小部屋を確保する場合の工夫と注意点
4.壁面を利用してパントリーを設ける場合の工夫と注意点
5.パントリーを設置する前に必要なこととは?
6.キッチンや住まい全体で検討を。将来の変化も予測して
パントリーの魅力とは?キッチン周りをすっきり見せられること
最近の新築やリフォームでは、LDKをひとつの空間としたプランが増えてきました。家族のコミュニケーションの場として、キッチンを住まいの中心に据える、というケースもみられ、家具のようなデザインのシステムキッチンも増えてきています。LDKがひとつの空間となることで、キッチンまわりは、いつもきれいにしておきたい、美しく保ちたいという方も多く、バックヤード的なパントリーは注目されているようです。プランニングにもよりますが、急な来客などの際に、雑多なモノを一時的に収納しておく場としても重宝するでしょう。
部屋収納と壁面収納、パントリーには2種類のタイプが考えられる
パントリーには、ウォークインクロゼットのような小さな専用の部屋を確保する場合と、壁面を利用して収納スペースを設けるケースがあります。いずれの場合も、検討する際には、調理中に必要なものをすぐに取りに行きやすい場所に配置すること、何がどこにあるかが分かりやすく、取り出しやすいこと、賞味期限や在庫などを管理しやすい収納プランとすることが重要でしょう。また、構造やプラン、空調設備などにもよりますが、食品の保存ということを考えると、強い日差しを避けることができる配置(北側もしくは東側)としたいものです。
キッチンの作業動線に合わせて使い勝手のいいウォークインタイプのパントリーを設けたプラン。[Lクラスキッチン ラウンドアクセス ビルトイン収納プラン] パナソニック
パントリー専用の小部屋を確保する場合の工夫と注意点
■収納方法に工夫を専用の小部屋(ウォークインタイプ)を確保できる場合、収納するものに合わせて棚を設けるというのが一般的でしょう。内部のつくりは、食品など、細かなものも多いので、奥行きを取りすぎないようにすることが基本です。既製のラックなどを取り入れたり、DIYで造作しても。収納するもの別に、箱や籠を利用して、出し入れしやすいように並べるのもいいでしょう。
■換気に配慮、コンセントを設けて
プランニングによっては、パントリー内に冷蔵庫やワインセラーを設置するケースもみられますが、家電製品を使用したり、充電が必要なものを収納するのであれば、専用のコンセントを設けておくことも忘れずに。広さや配置にもよりますが、換気ができる窓や換気扇なども必要な場合もあるでしょう。
また、出入口の扉にも配慮したいもの。デザイン性はもちろんですが、空気がこもらないように通風可能なタイプもいいでしょう。普段は行き来しやすいように開け放し、来客の時には閉めて隠すことができる引戸スタイルもおすすめです。
ルーバーで通風を確保できるデザインの引戸タイプ。 [Interio ラシッサS クリエ Vレール片引戸標準 LTA(通風タイプ)クリエペール] LIXIL
パントリーの配置は、キッチンに隣接させるだけでなく、玄関(勝手口)からパントリーを通って、キッチンに行くことができるようなプラン(ウォークスルーのパントリー)も考えられます。買い物から帰宅し、そのまま荷物をパントリーに置くことができるので、動線的にも使い勝手がいいでしょう。玄関からキッチンへの裏の通路として利用できるものです。
■家事コーナーを兼ねるケースも
パントリーを食品など収納だけでなく、家事コーナーを兼ねた空間としてプランニングするのもいいでしょう。簡単なカウンターや棚を設置して、パソコンでレシピを確認したり家計簿をつけたり。子供の学校のレターや町内会のお知らせなどをまとめておくスペースがあると重宝します。
パントリーを壁面を利用して設ける場合の工夫と注意点
棚板やアミカゴ、内引出しなども取り入れることが可能。キッチンの扉と合わせてコーディネートできる。[Lクラスキッチン トールパントリー] パナソニック
壁面を有効活用してパントリーとするには、造作として収納スペースを確保し棚を設けるプラン、システムキッチンの周辺収納ユニットなどを取り入れるケースが考えられるでしょう。
キッチンメーカーの収納ユニットには、幅や高さのバリエーションはもちろん、食品や食器、家電などに合わせ、収納しやすい工夫が施された棚やラック、引き出しなどが揃っています。商品にもよりますが、スペースや収納するものに合わせて選び、組み合わせることが可能なタイプも。デットスペースになりやすいコーナー部分を利用したユニットなどもみられます。
■使い勝手やプランに合わせた扉を選ぶ
壁面の場合、動線や使い方、収納するものに合わせた開閉方法の扉を選ぶことが重要です。扉には、開戸や折戸、引戸タイプがあるので、ダイニングなどからの見え方にも配慮して選択を。最近では、限られたスペースでも設置可能な引戸タイプも充実しています。扉を開くことで、ひと目で収納物が分かるので、無駄なく作業することができるのがメリット。システムキッチンはもとより、インテリアに合わせたデザイン、半透明の素材を使ったタイプなども揃っています。
パントリー設置の前に、何を貯蔵・収納したいのか、種類と量をリストアップ
昇降ユニットや家電収納棚などを組み合わせることが可能。すりガラス調(半透明樹脂)の扉も揃う。[ザ・クラッソ コンフォートユニット] TOTO
まず、常時ストックしている食品の品目と量をリストアップすることから。お米やお酒、水。麺やパスタ類、レトルトやインスタント食品、お菓子、非常食(保存食)など、現状の暮らしの中で、どのくらいストックしているのかを書きだしてみることが大切です。
食品以外でも、日常的には使用しない調理道具や家電製品(カセットコンロや鉄板焼きグリル、ミキサーなど)も収納しておくと便利な場合もあるでしょう。
キッチンや住まい全体でパントリーの検討を。将来の変化も予測して
もちろん、パントリープランは、単体で考えるものではなく、キッチンプランや住まい全体の間取りと同時に検討するものです。何をどこに収納するのか、ひとつひとつ確認することで、パントリーの必要性、広さや空間のつくりが明確になっていくでしょう。新しい住まいでの暮らし方をイメージしながらプランニングすることが重要です。また、現在だけでなく将来の変化も考えることも大切です。家族が増えたり、子どもが大きくなれば、パントリーに収納するものが増えるケースも。家族構成やライフスタイルを考慮して、検討するようにしましょう。
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