毎月返済額を抑えるためのボーナス利用はキケン

マイナス金利政策の影響で住宅ローン金利は、過去最低水準にあります。そのため、当初の予算を超えた資金計画を組みがちですが、住宅ローンの資金計画は、いくら借りられるかではなく、いくらなら返せるかで考えるのが基本です。

<目次>

 
住宅ローンとボーナス

住宅ローンとボーナス



同じ融資額を借りても、融資額の何割かをボーナス時返済にあてると、毎月返済のみの場合に比べて、毎月の返済額を抑えることができます。そのため、このぐらいだったら毎月返せるかな?と本来の実力以上のローンを組んでしまうケースは少なくありません。

しかし、ボーナスは企業業績によって左右されるもので、過剰にボーナスに頼った資金計画は、滞納リスクを高めることになります。いくらなら返せるかは毎月返済のみで考え、あくまでもボーナス時返済は無理のない範囲で納めるべきです。

たとえば、3000万円を金利1.5%、35年返済で借りる場合をみてみましょう(いずれも元利均等返済)。

●毎月返済のみでボーナス時返済はゼロ
毎月返済額9万1855円
年間返済額110万2260円
総返済額3857万9007円

●融資額の1割(300万円)をボーナス時返済に回す
毎月返済額8万2669円
ボーナス時返済額5万5243円/回
年間返済額110万2514円
総返済額3858万8189円

●融資額の2割(600万円)をボーナス時返済に回す
毎月返済額7万3484円
ボーナス時返済額11万487円/回
年間返済額110万2782円
総返済額3859万7286円

ボーナス時返済に回す割合が増えれば、毎月返済額は少なくなりますが、総返済額は増えていきます。額自体はそれほどの差がないので、ボーナス時返済を活用すれば毎月の家計がラクになると思ってしまうのも無理はないでしょう。

しかし、上記、3つのケースとも年間の返済額はほとんど同じ。毎月約9万円の返済が大丈夫な人と、毎月7万円強の返済額に抑えたい人の年間返済額は一緒ということです。どこで無理をしているかといえば、ボーナス返済であるのは理解できるでしょう。

融資額の2割をボーナスに回したケースで、毎月の返済額の7万3484円をベースに考えてしまうと、ボーナス時の約11万円の返済も無理がないように思えてしまいます。本当に大丈夫でしょうか。
 

返済の延滞は絶対避けなければならない

無理のない範囲でボーナス時返済を併用するということであれば、現在、住宅取得のためにボーナスからいくら貯蓄をしているのか、ということが一つの目安になるでしょう。ただ、頭金づくりのためと期間を区切って貯蓄をするのと、ボーナス時に必ず10万円、20万円とまとまった支出が、ローン返済が終わるまで続くのとでは、状況が違ってきます。

長い返済の間には、さまざまな予想外の出来事もあるでしょう。子どもの教育費が思いのほかかかることになった、年俸制の企業に転職した、病気やケガで収入が減ったなど、予定外のことはあるものです。

そうしたときに、ボーナス時返済が重荷になることだけは避けたいものです。住宅ローンは途中で返済プランを変更することも可能ですが、状況が変化したときに借り入れの金融機関に相談することをせず、支払い延滞になる人も少なくありません。

こうしたことを防ぐためにも、当初の資金計画では、過剰にボーナスに頼った返済計画は避けるべきでしょう。
 

ボーナスを繰り上げ返済に使ったほうがお得

では、ボーナスをどう活用するのがいいでしょう。

現在の低金利の状況では、あえて繰り上げ返済をしない、という人もいるでしょう。一般的には、余剰資金があれば、返済開始直後の早い段階から繰り上げ返済をするのが、最も繰り上げ効果が高くなります。支払なくてすむ利息が多く、返済期間の短縮も多くなります。

30年、35年と長期の返済であれば、定年退職後も住宅ローンの返済が続く可能性があるため、繰り上げ返済で返済期間を短縮させ、支払い利息を圧縮させるのは、先行きが不透明な時代だからこそ、効果が高いといえるでしょう。

たとえば、先の例で3000万円、金利1.5%、35年返済を毎月返済だけで借りた場合、毎月返済額は9万1855円。総返済額は3857万9007円でした。

ボーナス時返済を併用しない代わりに、1年後にボーナスから約10万円繰り上げ返済すると、総返済額は3850万5718円と、▲7万3289円軽減できます。返済期間も2カ月短縮できます。

これを、毎回繰り返せば、繰り上げ返済による総返済額の減少、返済期間の短縮は、かなり効果がでるのです。もちろん、繰り上げ返済は、毎回しなくてもいいものです。今年は子どもの教育費がかかる、今年は家族で海外旅行に行くことを優先する、など、臨機応変にボーナスの使い道を考えることができるのです。最近では、繰り上げ返済を少額でも可能な金融機関も増えていますから、定額で返済する必要もないのです。

ボーナスを家計の調整弁として使うことで、日々の家計は安定します。住宅ローンも同じで、毎月の返済額だけを家計に組み込んでおけば、管理もしやすく、ボーナスはボーナスで、別の使い道を考えることもできるでしょう。

これから住宅購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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