アイラ・ママと六甲おろし
アイラ・ローカル紙『イーラ』
クリスマスにはアイラの小学生たちにささやかなプレゼントをした。消しゴムの質が悪いと聞き、日本の良質な消しゴムを送った。それから毎年、鉛筆や絵はがきを贈り、また手紙のやり取りを重ね、小さな文化交流をつづける。その交流をいつも手助けしてきたのがクリスティーヌさんである。
早川氏や松葉道彦氏(大阪「Bar,K」)は大阪をはじめ関西のバーテンダーをアイラ島に導いたりもしている。そのせいなのか、クリスティーヌさんは阪神タイガースの応援歌『六甲おろし』をハミングしたりする。ケルトの島アイラに『六甲おろし』の歌声が響いた夜がある、ということなのであろう。
わたしが彼女に、今回も日本のバーには行ったのかと聞いたところ、まったくその質問はスルーして「大阪バーテンダー!六甲おろし!」と突然発し、ハミングしはじめたので大笑いしてしまった。そしてわたしが会った大阪でのセミナーの翌日、早川氏は彼女を甲子園球場での対中日戦に招待している。阪神が勝利しているから、彼女はついに熱狂的『六甲おろし』ライブを体験したのである。
右から酒向氏、松葉氏、早川氏、クリスティーヌさん、岸氏、竹本氏、古田土氏
クリスティーヌさんはわたしにこう語ってくれた。
「ボウモアで働けたことが幸運でした。製造プロセスもすべて学べました。そしてわたしの想いを理解いただいて、ビジターセンターを充実させることもできたのです。世界に友人ができ、とくに日本の方々との交流は特別なものがあります。遠く離れた日本で、ボウモア、ラフロイグをはじめアイラのウイスキーがたくさん飲まれていることはほんとうに嬉しい。何よりも、こんなに歓待されて、言葉では表せないほど感謝の気持ちでいっぱいです。それを日本の皆さんに伝えていただきたい」
日本のウイスキー・ファンの方々がアイラを訪ねていただいた際は、協力を惜しまない、と彼女は言ってくれた。島で彼女と接したら、誰もがこう感じるはずだ。“アイラのお母ちゃん”と。
最後にアンバサダー・オブ・アイラの早川氏、岸氏、松葉氏以外のクランをお伝えする。
菅沼昭仁氏(岩手・北上「the Bar Slaintheva」)、古田土雅行氏(東京「Bar Shake」)
酒向明浩氏(東京「銀座 オーセンティックバー 酒向バー」)
竹本明生氏(岡山・倉敷「BAR TAKEMOTO」)、上野秀嗣氏(東京「BAR HIGH FIVE」)
山口久仁彦氏(福島/休職中)、澤田正和氏(名古屋/故人)
それぞれのクランのお店情報は、BAR-NAVIでどうぞ。