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新茶で楽しむ最高峰の中国緑茶 -茶摘・釜炒・飲み方-(2ページ目)

中国茶を代表する緑茶「西湖龍井(さいころんじん)」。春、このお茶のニュースを今か今かと心待ちにしている中国茶好きの方も多いでしょう。今年も新茶の季節がやってきました。人気の龍井茶の産地「梅家塢」から製茶の様子も併せて情報をお届けします!

清水 真理

執筆者:清水 真理

中国茶ガイド

西湖龍井の魅力はこうばしい炒り豆の香り!

龍井茶の最大の魅力はその独特の味と香りにあります。概して、小さな芽だけでお茶を作ると雑味のない品の良い甘さが生まれます。西湖龍井はその茶葉を釜で炒って仕上げるので、上品な甘さに炒った豆のようなこうばしい香りが合わさります。その他に類をみない絶妙なバランスがこのお茶を中国茶の最高峰と言わしめていて、沢山の中国茶好きを虜にしているというわけです。

釜炒り1

温度を加減しながら釜で炒っていきます。

釜炒りは熟練の職人技です。まず茶葉を写真のような釜に入れ、温度を調整しながら炒っていきます。素手で炒っていきますが、釜はかなり高温になるので、小さな茶葉が台無しにならないように常に動かしながら丁寧に炒っていきます。

釜炒り2

釜に押し付けて茶葉を扁平にします。

ある程度炒ったところで、龍井茶特有の扁平な形に仕上げる為に、茶葉を釜に押し付けて成型していきます。茶葉も釜もかなり熱いので素人には難しい作業です。この工程を繰り返しながら美しい形の茶葉に仕上げていきます。この間、茶葉を炒るこうばしい良い香りが周囲に広がり、出来上がりが待ち遠しくなります。

※釜炒りの様子をご覧になりたい方はこちらもどうぞ(動画:Facebook)

完成品

よいお茶の見本のような茶葉。色、形を覚えておかれると良いと思います。

仕上がった茶葉です。小さな茶葉が一芯一葉の形を残して綺麗な扁平に仕上げられています。昨今機械での製茶も多くなってきているのですが、やはり最初から最後まで手で仕上げられた茶葉はとても美しいものです。私が訪れたのは3月18日だったので、正真正銘の「明前梅家塢龍井」です。所々白く見える部分は産毛です。産毛はお茶の美味しさの大事な要素なので、綺麗に残っているのも手作業の賜物です。極上品ですね。


龍井茶はガラスのコップで飲むのが美味しい

西湖龍井の飲み方

農家での定番の飲み方です。

こうして丁寧に作られた龍井茶ですが、農家さんでは写真のようにガラスのコップに茶葉を入れお湯を注いで飲むのが定番の飲み方です。ちょっと大雑把な感じもしますが、実はこれが一番です!

飲む前にお湯を少量、茶葉が浸るぐらい注ぎ、まずは香りを楽しみます。釜炒りのこうばしい香りと緑の甘い香りが一気に立ち上り、一息で春の到来を感じる事ができます。それが中国茶好きがこのお茶を待ちわびる理由なのだと思います。

グラスで飲む龍井茶

グラスで飲むのが通。香りが高く、美味しい龍井茶

その後はお湯を足しながら自分の好きな濃さに調整して長く楽しむ事ができます。新芽だけで作られたお茶には力強い旨みもあってとても味わい深く、農家の軒先でグラスに浮かぶ美しい茶葉を見ながらのんびりと過ごすひと時は至極の楽しみです。

龍井村

のどかな梅家塢の村

西湖龍井の産地の道沿いには何軒もの茶楼が軒を連ねています。シーズン中は沢山の人が軒先やパラソルの下でお茶を飲み、杭州料理を食べ、お喋りをしながら時を過ごす風景に出会えます。この時期だけ味わえる茶産地の賑わいもこのお茶の楽しみ一つです。

龍井を買いにくる高級車

龍井茶を買い付けにくる高級車。私が訪れた時は少し早かったのですが、こういった茶楼が軒を連ねお茶や食事を振舞ってくれます。

最後に、2016年の西湖龍井の状況をお知らせします。

今年の初摘みは3月8日頃と、とても早かったです。ここ数年、初摘みは早まる傾向にあるのですが、それでも特に早かったと言えるでしょう。価格については、私が訪れた時は、まだお茶が市場に出回っていなかったので予想でしたが、例年並みの高値にはなるだろうということでした。

中国緑茶の最高峰という意味は、美味しさだけではなく値段にも言われていることで、本物の西湖龍井は産地の価格でも一斤(500g)で数万円の値が付きます。市場に出れば倍以上とも言われています。それでも、このお茶を求めて中国全土からお茶好きが産地に集まってきます。農家さんの話によると、中国では春先に西湖龍井を飲むことが一種のステイタスになっていて、自宅用だけではなく贈答用にと大量に注文してくる人もいるそうです。これも近年の中国経済の影響だとか。でも、昨年あたりから少し落ち着いてきてもいるようです。

日本で飲めるようになるのは、早くて4月の中旬ぐらいからでしょうか。お値段は少々高いと思いますが、もし出会う機会がありましたらぜひグラスで飲んでみてください。中国茶好きを魅了して止まない西湖龍井、きっと春を感じられることと思います。
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