リーダーの最大の役割は部下のモチベーションを引き出すこと

メンバーに夢を語り、共有することもリーダーシップには必要です

メンバーに夢を語り、共有することもリーダーシップには必要です

リーダーは統率するチームの成果の最大化を図ることが求められます。ビジネスにおける成果とは、売上拡大もしくはコスト削減に紐付けられるものです。

小さなプロジェクトのリーダーをはじめ、係長、課長、部長、本部長、社長など、長がつくのはリーダーであり、統率する組織のサイズが異なるだけで本質的には同じ役割です。

職位が上がり、統率する人数が変わるに従い、現場からやや離れ、“虫の眼”から“鳥の眼”になっていきます。“虫の眼”とは業務遂行に必要な実務能力であり、“鳥の眼”とは実務から一歩離れ、全体最適の視点-全社戦略や部門戦略との整合、外部環境変化や近未来の技術動向などを踏まえた全体を俯瞰できる能力を意味します。

チームや組織の成果を最大化することがリーダーの使命です。そのために一番重要なことは部下であるメンバ一人ひとりのモチベーションを引き出すことです。例えば、能力が同じレベルのチームが2つあったとしても、モチベーション-やる気があるかどうか-で2つのチームの成果は大きく変わるものです。

周囲のやる気を引き出す前に:自分のモチベーションを高める

もう1点、先ず隗より始めよ!と言う諺の通り、リーダー自身がモチベーションの高い存在であることが必要条件です。やる気は伝播していくものです。また、リーダー自身も温度を保つために、ややモチベーションが低下しているときに、”この人と接すると元気になる、高揚する”ような存在の方と会うことは効果絶大です。

その他、映像や音楽など、例えば、ガイドの私の場合、サッカー女子ワールドカップ決勝での先日引退した澤選手の劇的なゴールシーンなど自分流のやる気を高める仕掛けを準備しておくことも得策です。

さて、準備が整ったところで、どうすればモチベーションの高い組織やチームが作れるのでしょう。以下、3つのポイントをお伝えしましょう。

1.夢を語ること-達成した際のワクワクするイメージが共有されていること

結局のところ、何が人を動かすかということです。論理ではなく、感情で人は動くものです。非常に優秀で論理的な人は人を動かすという点において往々にして弱いものです。

まず、夢が語れる人もリーダーとしての資質があるといえます。掛け値なく、純粋な夢、更には覚悟を持って、何が何でもやり抜くという志、私は長期的な理想像や目的地をビジョンと呼んでいます。

ビジョンを明確に描いている人はその目的・目標のために辿り着く道筋(=アクションプラン)をきちんと策定できます。つまり、ビジョンが明確な方ほど、仕事ができ、リーダーシップを発揮することが可能と言えるのです。

ラグビー日本代表もHondaも「夢」を共有していた

メンバーは夢を実現した時のワクワク感をイメージできると、ハードワークするのです。先日のラグビーワールドカップで大躍進を遂げた日本チームの事例を見てみましょう。チームの指揮官であるエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)と、ヘッドコーチと選手の媒介役でもあった選手側のマイケル・リーチ主将らは、夢を共有できていた象徴的な成功事例と言えるでしょう。

エディーHCはラグビー日本代表のストレッチゴール(ジャンプしてぎりぎり指先が届くような目標)であるベスト8に辿り着くために明確なトレーニングメニューをつくりました。この世界一と言われるハードワークに込められた“夢”を、リーチ主将を中心とした選手たちは理解した上で耐え、世界最高峰である南アフリカチームに勝ち、世界を驚かせたのです。

ホンダの創業者である本田宗一郎さんは“F1で世界チャンピオンになる”という大きな夢を社員に常々語りました。その実現に向けて、本気で夢を追いかけた結果、夢が実現し、今のような世界的企業への変貌を遂げたのです。次なる夢はジェット機の世界、着々と実現しつつあります。

高度成長期の日本は夢の超特急、夢の海外旅行、夢の所得倍増と、巷には夢は溢れかえっていたものです。夢が少なくなった今日、リーダーとして、夢の力でメンバーを統率することを今一度考えていきましょう。

2.褒めること-フィードバックをし、きちんと評価の理由を説明する

褒めることや委ねることはモチベーションを高めます

褒めることや委ねることはモチベーションを高めます

部下や同僚、後輩がイメージ通りの仕事をした際、フィードバック時に褒めてあげましょう。逆に、きちんとフィードバックを行わないと評価されている点、評価されていない点、改善点等がわからず、徐々にやる気を失わせてしまいます。

褒めることは何らかの結果に対する評価そのものです。理由付けを行うことで何故評価されたかがわかるので次の行動に繋がるのです。フィードバックは日本企業の場合、総じて弱いものです。”言わずもがな”、”暗黙の了解”という文化なので、必然性がなかったのです。これからはグローバルの時代。ローカルルールは通用しません。

ガイドは昨今の大学生や若手社員と接すると、何にでも理由付けをしたがる傾向があると感じています。論理性が高くなった証左といえましょう。今後は、上司は部下に対しての評価の説明責任が益々求められます。逆に、そこされきちんと行えば、納得性のあるモチベーションの高いチームが実現できるのです。

ガイドの経験上、できる社員ほどフィードバックを求めてくるものです。また、褒めるだけでなく、時には叱ることも必要です。叱るポイントは決して人格否定でなく、次に繋げるため、モノや事に対しての指摘をするということです。

3.委ねること-委ねる際、きちんと摺り合せができるかどうか

権限を委譲することは信頼関係があってこそです。信頼関係を築けていたら、仕事や権限は任せ、委ねていきましょう。重要なことは委ねる際、きちんと相手に成果物のイメージを伝え、お互いがきちんとゴールを摺り合わせをすることです。仕事は初動で決まる! ガイドの私は常々考えています。

権限移譲とは丸投げを意味するのではなく、ポイント・ポイントでのチェック&レビューは必要不可欠です。上司と部下との間できちんと日常的なコミュニケーションが取れているかどうかに尽きることでしょう。いくら逸材の部下でも上司とのコミュニケーションが疎かであれば中々成果を出すことができません。

上司から見て部下がイメージ通りの仕事をすれば満足します。逆に、期待外れの仕事であれば不満を持ちます。イメージ通りの仕事をするために一番重要なことは適宜対話がなされているかどうかです。

これからの潮流として、サラリーマンの時代は終焉を告げ、ビジネスプロフェッショナルの時代になります。より高い成果が求められるため、自己の能力を磨き上げると同時に、上司や依頼主の要望をありのままに聴く力が必要になります。

リーダーの最大の役割はメンバー一人ひとりのモチベーションを引き出し、やる気の高い組織を創り上げることです。夢を語ること、褒めること、委ねること-まずはこの3点を意識して実際に試してみてはいかがでしょう。


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