バレリーナの引退年齢とは
審美系スポーツと引退年齢
フィギュアスケートや新体操など、バレエの要素を多く使う審美系スポーツの世界では、引退年齢は相当早いものです。
一方、バレエは25歳くらいが一番脂の乗っている時期です。スポーツとバレエの引退はどこが違うのでしょうか?
国立バレエ団では、引退年齢が決められています。フランス国立パリ・オペラ座バレエ団では42歳となっています。イギリス王立ロイヤル・バレエ団を引退した吉田都さんは45歳で引退しました。
国立バレエ団を引退するダンサーは、在籍年数によって年金が支給されているようです。年金をもらう在籍年数を満たすまで、団に在籍するダンサーも少なくありません。
有名なダンサーでしたら、海外バレエ団の芸術監督のオファーなどがあるので生活に困らないと思いますが、コールド・ダンサーなどは、年金は絶対に必要なものではないでしょうか?
年金が支給される、しかも、一般より若い年齢から支給されるという、バレエ・ダンサーを保護する制度がヨーロッパの国々に多いようです。年金以外にも出産・育児休暇も有給で、ダンサーにとっては踊りやすい環境が整っているようです。
25歳がターニング・ポイント
世界のバレエ団で活躍するプリンシパルのほとんどが、25歳前後でプリンシパルに昇進しています。25歳くらいまでにテクニックをマスターし、その後は芸術性を高めるというのが、バレエ・ダンサーの一般的な生き方のようです。スポーツの世界では、テクニック性を重視しないといけない側面があります。点数で勝敗を決めるのですから、それは仕方のないことでもあります。年齢を重ねるごとに肉体への負担は重くなるので、若い時期に引退するのは理にかなっているとも言えます。
バレエでは、テクニックの衰えに対して芸術性を高めることで、作品の質を下げることなく演じる事ができます。芸術性を高めることで、ダンサーとしての生活を維持できるというところがスポーツとの差と言えます。
肉体的適齢期を越える!
バレエ・ダンサーもアスリートも年齢を重ねてもテクニックは維持したいものです。したがって、肉体的適齢期を過ぎてもテクニックを維持するために出来ることなら喉から手が出るほど欲しいはずですし、すでに相応の努力をしているはずです。クラシック・バレエ・ダンサーと、バレエの要素を多く必要とする審美系スポーツの世界が一緒になってこの問題に取り組んだら、ダンサーと選手の寿命が延びると思います。
より多くの関係者が一緒に研究を進められたら、素晴らしい未来がやってくるような気がします。その日が来るのを楽しみに待ちたいと思います。
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