これまでさまざまなパートナーと踊ってきました。なかでも印象的なダンサーといえば?
モロー>オーレリ・デュポン、イザベル・シアラヴォアラ、エレオノラ・アバニャート、アマンディーヌ・アルビッソン、アニエス・ ルテステュ……。一緒に踊ったひとはみんな好きなので、ひとりには絞れないですね。同じ作品であってもパートナーが変わるとそのときそのときで新しい作品が生まれる印象があり、それはとてもうれしいことでもあります。ずっと同じパートナーと踊っていると、信頼関係が生まれるという良い面もありますが、やはりルーティーンになっていってしまうような面もあるかもしれません。あるパートナーと非常に上手くいった作品を、また違うパートナーと踊るのもとても興味深い経験です。
『トリスタンとイゾルデ』マチュー・ガニオ/ドロテ・ジルベール(C)James Bort
エトワールでいられる時間は限られています。そのキャリアの中で成し遂げたいものとは?
モロー>若いエトワールだったときは、自分が踊ったことのない作品をどんどん経験していきたいという願いがありました。その想いは実現したので、とりあえずミッション・コンプリートです。時間が経った今、自分が興味を持っているのはクリエイションです。今回の恩恵さんもそうですが、振付家が私のためにクリエイションをしてくれるというのは自分にとって非常に特別な経験であり素晴らしい経験です。これからもオペラ座の外での活動に取り組んでいくことで、自分のために作品をつくってもらえるような機会を増やしていきたいと思っています。
(C)Ann Ray