個性豊かな6名の女性ダンサーが集う『今晩は荒れ模様』。彼女たちをキャストに迎え、新作をつくろうと考えたきっかけは何だったのでしょう。

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(C) TOKIKO FURUTA

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ダンスのつくり方には二種類あって、ひとつは舞台上で構成していくような作品を重視するタイプと、もうひとつはダンサーの身体そのものが作品と考えるタイプ。前者を作品主義、後者をダンサー主義とすると、私の場合はダンサー主義ということになります。

 
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まずダンサーを決めた瞬間にだいたい作品の半分が出来上がり、さらに曲を決めた段階で90%出来上がる。今回は女性という身体、ひとりひとりの身体そのものが生きた作品として成り立つような方をイメージしたら、 この6人になりました。上村さんと白河さん、黒田さん、山田さんはこれまでもご一緒したことがありますが、寺田さんと森下さんは今回が初めてです。

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ダンサーを誰にしようかと考えたとき、白河さん、黒田さん、寺田さんが まずパッとあがった。森下さんと上村さんは最初からデュエットというイメージがあり、音楽はシュニトケの弦楽四重奏だとすぐに決まりました。最後に誰がいいかと考えたとき、山田せつ子さんが浮かんで。彼女は私の門下に一番長くいた方で、年歳的にも一番先輩だし、そういうひとが最後に出てくれたらいいのではと。ダンサーが彼女たちに決まった段階で、作品もだいたい決まった感じです。

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振付を始めたのは去年の5月末。今回は6人いて5組のシーンでみせるから、だいたいひと組に30日にかけて計150日。それだけで半年くらいかかってる。非常に長いですね。ただ公演のために準備をしているというよりも、毎回毎回楽しんでるというか、どちらかというと友達と会ってる感覚が強い。作品のためというよりは、友達だから会ってるという感じです。

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振付って、ひとつのカンバセーションなんですよね。振付とは振付関係というひとつの人間関係であって、関係性を持つことの方が作品をつくる作業より大事になってくる。恋人関係、友達関係、夫婦関係、そして振付関係と、人間関係の新しい在り方だと思っていて。友達と会うとき、“何であのひとと会うんだろう?”なんて考えないのと同じで、作品をつくるためではなく、振付関係があるから会う。どうしてこのひとと会うのか、このひととはどんな関係か、なんて考えない方が、むしろ純粋に作品ができる気がします。


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