駅近偏重の現代
「ブリリア目黒碑文谷」は鉄筋コンクリート造地上5階建、総戸数33戸の分譲マンションである。竣工(予定)は2016年年10月下旬。10月より事前案内会を開始、今週末31日(土)からモデルルームを一般公開する。第1期販売は11月下旬の予定。現地は桜並木沿い、落ち着いた環境の一角にある。交通アクセスは、東急目黒線「西小山」駅から徒歩14分、東急東横線「学芸大学」駅からは徒歩17分である。山手線「目黒」駅バス15分「サレジオ教会」バス停から徒歩3分で、このバス路線は通勤時間帯は7時台22本、8時台25本も走る(平日)。7時~9時半、目黒通りはバス専用レーンに切り替わるため、「電車以上に利便が良い」が実際の利用者の感覚だろう。
碑文谷アドレスのマンションについては「ドレッセ碑文谷」の記事で、低層住宅街における車両交通の利点は「目黒本町レジデンス」でそれぞれ触れてきたが、バス交通の魅力は実際活用している人でないと中々理解しきれないかもしれない。なにせ現代は、駅近偏重ともいえるほど「駅距離」が重視されている。「ブリリア目黒碑文谷」の分譲主東京建物が手掛け話題になった「ブリリアタワー目黒」が好例。
10年後の都市交通はどのように変化しているか?
渋滞が大幅に緩和された「富ケ谷」交差点
この傾向は今後も続くのだろうか。例えば、これまで敬遠されがちだった「幹線道路沿い」は車両技術の発達や環境改善などで見方が変わるかもしれないことは「大通り沿いに立つマンションの将来性」で述べた。車両技術については日進月歩で、例えば「自動運転車両」は世界各国で法整備の準備に入っているという。安全で渋滞の起きにくい(=移動時間の正確性が向上する)交通手段は間違いなく利用価値が上がるだろう。
10年後を想定すれば、東京五輪2020から5年が経ち、リニア中央新幹線開通(予定)を2年後に控えたタイミング。訪日外国人も3000万人に限りなく近づいているだろう。つまり、東京に訪れる外国人の起点となる羽田の重要度が高まり、国内の鉄道起点が東京から品川にも分散している可能性も否定できない。人の流れが、経済の動線が、大きく変化していることが十分想定できる。都心の真ん中が移動すれば、自ずと利便の強弱も変わるだろう。
江戸時代、町はどのように形成されてきたか
現在のように地下鉄を含め、鉄道路線が縦横無尽に走る以前、街の隆盛はどのように構成されてきたか。例えば、江戸時代は運輸の要は河川であり、賑わいは街道の宿場町と門前町にあった。江戸湾から積み荷を降ろせる河岸が栄え、五街道の宿町周辺が発展していったわけだ。明治から大正にかけては関東大震災が住宅地の需要構造を変えた。昭和に入ってからは、鉄道の整備とともに高度経済成長期に郊外で住宅地を大規模に展開した。現在そのドーナツ圏は高齢化、過疎化といわれるまでになり、都心部のみ人口流入が続いている。今、東京の住宅需要は利便重視、省エネ重視の位置にいる。
移動手段の多様化は急速に進み、住宅需要にも少なからず影響を及ぼすだろう。環境に負荷をかけない安全な車両が、再整備されたルート(道路)を通行する。鉄道にとどまらず、自転車やバスでの移動がより快適になるだろう。
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