マンションの資産価値を左右するポイント

「虎ノ門タワーズレジデンス」(愛宕から撮影)

「虎ノ門タワーズレジデンス」(愛宕から撮影)

マンションの資産価値は、立地条件がその有無を決定づける上で圧倒的な割合を占めるが、次に候補として挙げられるのは「建物共用部のグレード」であろう。具体的には外観デザインやエントランスなどである。

しかし建物は、デザインだけ、ひとつの空間だけ、を評価したところで、それはあくまで優劣の一端でしかない。マイホームを前提にして購入検討するのであれば快適(居住)性や耐震性などももちろん重要で総合的な評価が求められることは論をまたない。

これまで建物の個性を左右する要件は、かかる制限や地形(じがた)が意外と大きいことを申し上げてきたが、今回は「構造がいかにデザインや居住性に影響を及ぼすか」について詳しく解説したい。サンプルは「虎ノ門タワーズレジデンス」(鹿島建設、2006年竣工)。交通アクセスは東京メトロ日比谷線「神谷町」駅から徒歩6分、ホテルオークラの南隣接地。総戸数267戸。地上41階建て、真っ白のタワーマンションである(右上の画像参照)。

「虎ノ門タワーズレジデンス」の敷地環境

敷地配置図

敷地配置図

本題に入る前に、敷地環境を説明しよう。同プロジェクトは敷地配置図(右)にあるように、オフィス棟とレジデンス棟とを合わせた複合開発である。この界隈をご存知の方はイメージできると思われるが、北に位置(隣接)するホテルオークラは外周が勾配のきつい坂道である。

つまり、東京湾から海抜数メートルの低地が浜松町、新橋、御成門と続き、芝、神谷町、虎ノ門あたりから地面が大きく隆起しはじめる。尾根のはじまりのようなロケーションにあると思っていただくとよいだろう。

方角によっても見晴らしが大きく異なる。北西方向、つまり山の手側はホテルやオフィスビルが立ち並んでいるのに対し、南東の東京湾側は比較的視界が開けている。最上部の画像は、地上42階建て「愛宕グリーンヒルズフォレストタワー」のスカイデッキから撮影したもの。手前(南東方向)の抜け感がお分かりいただけることと思う。

敷地配置図

敷地配置図