ビル・ゲイツの世界一豪華な家 ザナドゥ
ワシントン州シアトル郊外にあるビル・ゲイツの私邸にはザナドゥ2.0というニックネームがついています。これは映画”市民ケーン”に出てくる、新聞王ケーンの未完の大豪邸がザナドゥと呼ばれていたところから名づけられました。ワシントン湖の側に建つザナドゥ2.0の中にはプールやスポーツジム、図書館などがあり、図書館にはレオナルド・ダ・ヴィンチのノートも置かれています。敷地の広さは12km×12kmと広大で、レセプションホールもあり、150人が座れます。もちろん家の中には、Windowsサーバーシステムが張り巡らされています。
ザナドゥはモンゴル帝国のクビライ・ハンが、モンゴル高原南部にもうけた夏の都からきています。英国の詩人コールリッジが幻想詩”クーブラカーン”でザナドゥを登場させて以来、ザナドゥはシャングリラと同じように幻想的な楽園の代名詞として広く使われるようになりました。
幻想的な楽園 そこはザナドゥ
井上真央さんがみずほフィナンシャルグループのテレビCMに出演していましたが、バックで流れている歌がザナドゥ。以前、ソフトバンクモバイル”ホワイトプラン”のCMソングにも使われていました。1980年に公開された映画”ザナドゥ(Xanadu)”で、オリヴィア・ニュートン=ジョンがザナドゥを歌いました。映画”ザナドゥ”ですが、建築会社の経営で成功を納めた老人(ジーン・ケリー)が”音楽の殿堂”実現を夢みています。そこへ画家志望の若者ソニー(マイケル・ベック)と女神キラ(オリヴィア・ニュートン=ジョン)が夢の実現に力を貸すことになります。そして若者ソニーと女神キラは惹かれあっていきます。
"音楽の殿堂ザナドゥ"がいよいよオープンする日、オリヴィア・ニュートン=ジョンが歌うのがザナドゥ。キラは女神ですので神の世界に帰らなくてはいけません。光の中に姿を消すキラを見送る若者ソニー。そんな失意のソニーにウェイトレスが近寄ってくると、それは笑みを浮かべたキラで、映画は終了。
ザナドゥの音楽はエレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)が担当しました。アルバムは大ヒットしましたが映画は酷評され商業的には失敗します。
ウェブではなく、ザナドゥと呼ばれたかも
文書や画像のリンクをクリックすると次々と情報をたどれる仕組みが World Wide Web (ウェブ)。1990年に登場しました。実は1960年代に既に考えている人物がいて、それがテッド・ネルソン。ザナドゥ計画と名づけました。ウェブはリンクをたどっていくだけの片方向ですが、ザナドゥ計画ではバックもできる双方向リンクで考えていました。当時はインターネット誕生以前のネットワークもまともにない時代で資金も潤沢でなく、開発に苦労。そうしている間に現在のウェブが登場してしまいました。テッド・ネルソンも幻想詩”クーブラカーン”からザナドゥ計画と名づけています。
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