番町、その街並みの形成について

ホーマットオリエント

ホーマットオリエント

千代田区の番町は、徳川将軍が「大番組」とよんだ警備役の旗本衆を住まわせたことがその名の由来である。地勢(地形の意)は高台。西がたを遠く望むことができた、好適なロケーションを好んだものと思われる。

古地図では番町の区画はとても細かく分かれている。それはまるで現代の宅地のような土地割である。広大な敷地を有した大名屋敷の街並みとはうってかわって、独特の景観だったと推察できる。「番町を魚のさがるほど尋(たず)ね」。これはどの家屋も同様だったため、魚を届けるのに時間がかかってしまい商品価値が下がる、という景観を象徴する川柳である。

現在の「番町」は、都心でありながら高級マンションの集積するエリアのひとつとして知られている。一番町から六番町まで展開するが、その特徴は二分。JR線「市ヶ谷」駅や「四ツ谷」駅にほど近い利便にたけた西~北エリア(六番町や二番町、五番町)。かたや東~南エリアの「三番町」や「一番町」は閑静さが特長の住宅街だ。今回取材したのは、後者に所在するヴィンテージマンション「ホーマットオリエント」である。

ホーマットオリエント 4LDK 180m2(54.45坪)

リビングダイニング

リビングダイニング

「ホーマットオリエント」(一番町)は地下鉄有楽町線「麹町」駅から徒歩6分、地上8階建て、総戸数41戸、1984年4月築のマンションである。分譲主興和不動産、施工大林組というホーマットシリーズならではの組み合わせだ。

現地は、広大な緑地を有する「ローマ法王庁大使館」の南接道「(通称)ホーマット通り」に面する。内堀通りに直結しない道路は、落ち着いた街並みにあって交通量がひときわ少なく、周辺は実に閑静だ。南傾斜の高台地で、ちょうど尾根伝いを走る道路の南側に位置する。

「ホーマットマンション」らしく、道路から十分な引きを取り、その間には和テイストの植栽が生い茂っている(上の画像参照)。エントランスは目隠しされ、同シリーズ独特のプライバシー性を保つ。住戸は専有面積180m2(約54.45坪)、4LDK。新築市場ではめったにお目にかかれないゆとりある空間だ。

ヴィンテージマンションのリフォーム

ダイニングとキッチン

ダイニングとキッチン

ヴィンテージマンションのリフォームは、ヴィンテージならではの味わいをすべて失うことなく、とはいえ機能性の劣る設備や空間をいかに刷新するか、そのせめぎあいがチェックポイントのひとつ。

本物件では、クローズタイプのキッチンを開放し、約26畳のリビングダイニング、約7畳のカウンターキッチン、約1.5畳のユーティリティを設けた。画像にて空間の統一感、とくに照明の使い方とそのセッティングに注目していただくと良いだろう。例えば、キッチンカウンターに仕組まれた間接照明。間仕切りではなく、灯りでゾーン分けをデザインする手法だ。窓と窓の間に設けたフローリング壁を照らすダウンライトなどは居心地を高めるだけでなくアートを掛けるなどインテリアコーディネートの広がりや変化に有効なアイデア。

その他の改装箇所としては、浴室、洗面室(ダブルボウルに)、廊下(石張り)、マスタベッドルーム(ミニバスルームを書斎に)などを変更している。現在売却活動中だが、オープンルームの特徴は家具を配置していること。日本では住みながらの内覧が珍しくないが、リフォーム後家具までセットしてセールスする手法が今後増えるのではないか。リノベーションの付加価値をアピールしやすいことは一目瞭然だ。

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