いったいどっちだ? 側面ステッチ付き

ステッチ付きスプリットウェルト

「スプリットウェルト」にはご覧のように、防護壁の側面にステッチが掛けられているものもあります。ただしこれはあくまでも飾り。アッパーと縫われてはいません。

前ページの「スプリットウェルト」ですが、これにはちょっとしたアレンジ版があります。上の写真のように、「防護壁」となる部分の側面にステッチを備えたものです。ただしこのステッチはあくまでも「飾り」に過ぎず(壁面の補強に多少はなっているかもしれませんが……)、近接するアッパーとは縫われていません。有名なところでは、オールデンのコードヴァンを用いた外羽根式のプレーントウ#990のウェルトがこの仕様です。

そして、この「側面ステッチ付きのスプリットウェルト」は…… フランスのパラブーツが頻繁に用いる意匠である「リバース・ウェルテッド製法」(「外縫い式グッドイヤー・ウェルテッド製法」)と誤認されがちです。下の写真をご覧いただければお解りの通り、「リバース・ウェルテッド製法」はウェルトの断面がY字状ではなく完全なL字状で、その横棒部で出し縫いを掛ける一方で、縦棒部の側面には掬い縫い(つまみ縫い)が掛かります。
リバース・ウェルテッド製法

上の写真の仕様と混乱しがちなのが、この「リバース・ウェルテッド製法」の底付けです。こちらは防護壁の側面のステッチでアッパーと縫われており、ウェルト断面もY字状ではなくL字状です。


つまり、「リバース・ウェルテッド製法」はウェルトと掬い縫い(つまみ縫い)が靴の外側に完全に露出し、ウェルト側面のステッチで実際にアッパーと縫われているのです。ウェルトが靴の内部に潜り込まずにアッパーの端部を隠すことになるので、防水性・防塵性はこれが最強! ただし掬い縫い(つまみ縫い)が露出する点で、これまでご紹介したフラットウェルトやストームウェルトそれにスプリットウェルトを用いたものとは、厳密には別の底付けとなります。

なお、この「リバース・ウェルテッド製法」なる名称は、掬い縫い(つまみ縫い)をミシンで行う場合に限って用いられ、それを手で行う場合は「ノルウィージャン・ウェルテッド製法」と呼び名が変わります。要はグッドイヤー・ウェルテッド製法とハンドソーン・ウェルテッド製法との呼称の使い分けと、基準は同じです。




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