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白井剛×キム・ソンヨン『原色衝動』インタビュー!(4ページ目)

白井剛とキム・ソンヨン、日韓ふたりのダンサーが共演する『原色衝動』。写真界の鬼才・アラーキーの鮮やかな映像を背景に、同年代でもある両者がその関係性を舞台上に投影します。公演に先駆け、白井さんとソンヨンさんのおふたりにインタビュー! 創作の課程と作品への想いをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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アラーキーさんの作品をどのように舞台上に取り入れていくのでしょう。

白井>映像を投影する方向で考えています。アラーキーさんの作品をどう見せたいかという部分もソンヨンさんとかなり意見が別れていて。実際に実験してみたときも、彼はいいと思っても僕はよくないと思ったり、僕はいいと思っても彼はよくないと思ったり。僕はアラーキーさんの写真と自分の踊りがあるという状態を見せたい。アラーキーさんの写真と対等にいるというのは大変なことで、そこの間に何が見えるかということに興味がある。

ソンヨンさんは、自分が見たアラーキーさんの世界を自分の身体を通して見て欲しいと言う。微妙な違いですけど、どのように投影するかに違いが出ていて、それを混ぜていくことができるのか、混ぜるからにはどこかでOKと言わなければならないという問題もある。探り探りしている状態で、非常に難しいところですね。

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アラーキーさんに作品ビジュアルを撮ってもらったそうですね。

白井>あれは楽しかったですね。はじめはポーズも何も決めずに普通に撮影して、そこから“今度はふたりでこっちから歩いてきて”とか、“ちょっと目線をくれ”とか指示をもらって。三脚なしの手持ちで撮ったのは久しぶりだということで、アラーキーさんもちょっと大変そうでしたけど(笑)。

ソンヨン>アラーキーさん自身からすごくハッピーオーラが出ていて、偉大なアーティストではあるけれど、とても親しみやすい方だなと感じました。ただ年齢的にもムリをさせてはいけないので、できるだけ彼が何を求めているのかをくみ取り、集中して表現するように心がけました。

彼はすごく楽しいひとですね。よく僕がワークショップをしていると、ダンサーではないひとが受けに来ることがある。彼らはダンサーのように決まった動きはできないけれど、逆に彼らから面白い動きを見つけたり、引き出していく作業がすごく楽しいんです。アラーキーさんもきっとそうじゃないかと思っていて。決まったものではない部分を引き出して、その瞬間を収めるのが彼のやり方なんじゃないかなと感じました。

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春秋座劇場実験 撮影:清水俊洋



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