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大貫勇輔×宮尾俊太郎『Clementia』インタビュー!(4ページ目)

コンテンポラリーダンサーの大貫勇輔さんとバレエダンサーの宮尾俊太郎さんが出演するコラボレーション企画『Clementia ~相受け入れること、寛容~』。大親友でもあるふたりがダンスのジャンルの壁を越え、待望の初共演を果たします。開幕を前に、大貫さんと宮尾さんにインタビュー! 作品への想いと意気込みをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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SINSKEさんによるマリンバと、藤原道山さんによる尺八とのコラボレーションにも注目です。

宮尾>SINSKEさんと道山さんも舞台上にいて、おふたりの生演奏で踊ります。おふたりが出されているCDから何曲かピックアップしているんですけど、すごく静かでキレイなメロディーから、激しい曲まで振り幅がものすごい。スタジオで実際に演奏してると、マリンバがぼわっとした曲に聴こえるときもあるし、打楽器的に聴こえるときもあって。

大貫>踊っていて気付いたのが、尺八って呼吸で吹くからすごく合わせやすいんだなってこと。突然ポンとどの音がくるかわからない状態よりも、ふーっとなる瞬間が僕はすごく感じやすかったし、それが心地良かったというか。

宮尾>僕はカウントが取れるマリンバの方が動きやすい。なにせ道山さんはずっと吹き続けられるから、いつ息を吸ってるのか全くわからないんです。吹く前のすーっというのがなくて、いきなりすぽーんと入ってくる。でもそこに同調できたら、音が身体の中を通るだろうなっていう気はしています。

大貫>あと、生音だと速さとか動きやすさはその都度違うと思う。大きな差はなくても、踊ってると結構わかる。

宮尾>きっとその日の体調とかテンションで違ってくるよね。

大貫>自分の中のプランがあるから、踊り手としてはある程度同じ方がいい。それが難しいとちょっとストレスにはなるけれど、でもそこが生の面白さだったりもする。

宮尾>バレエでオーケストラと踊る場合、指揮者がダンサーに合わせようとして、でもダンサーは音を聴いて取るから、互いに探り合ってどんどん遅くなってしまったりすることもありますね。そんなとき僕は、指揮者の方に“一定で弾いて欲しいです”と伝えています。でもそういった打ち合わせがなかったりすると、思いもよらなかったテンポできたりする(笑)。だけどそれが音楽的に素晴らしいこともあるから、生演奏による日々の違いは楽しみのひとつとして受け止めています。今回はマリンバと尺八というこれまでにない二つの楽器との出会いもある。とにかく音が身体を通ればと、聴いてから反応するのではなくて、同時に反応できるスピードがあればいいなと思っています。

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違うフィールドのステージに立つ上で、勝手の違いや緊張感を感じる部分はありますか?

宮尾>今回に限らず、緊張感はあえてつくるようにしています。僕は練習すればするほど逆に緊張するんです。練習しないでほわっと出るようなときって、やっぱり出来はあまり良くなくて。みっちり積み重ねて、“これだけやってきたんだから……”っていうときほど緊張するし、舞台中も高まっている感覚があります。ただ今回はセリフもあるので、そこはひたすら緊張です。“こんにちは”くらいは喋ったことがあるけれど、語り口調でセリフを喋るのは初めて。ドラマともまた違うし、舞台の場合はひと言ずつ声が聞き取りやすくなくてはいけない。毎日少しずつ練習してはいるんですけど、やっぱり難しいですね。

大貫>緊張というのは特にないけれど、このところ役者としての仕事が多かったので、ダンサーの身体に戻るまですごく時間がかかってしまって。これが僕にとっては今年唯一のダンスのステージ。ストレッチや筋トレくらいはしてましたけど、ずっと稽古をしてなかったんです。表現となると枠組みが外されるけど、ダンスとなると身体をある程度つくってないと人前に出せない。何かハリがない感じがするんですよね。ダンスだけで身体としてひとに見せるというのはやっぱり違うんだなって思いました。

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