プライベートでも大親友のおふたり。ダンスのジャンルの壁を越え、今回初共演を果たします。

大貫>2年前に『ロミオ&ジュリエット』(ともに“死”のダンサー役のトリプルキャストとして出演)で知り合ったのがきっかけでした。以来、多いときは週4~5回一緒に飲みに行ったり……。もう兄弟ですね。

宮尾>性格的には、すごく近い部分と遠い部分の両方ある。振り幅がすごくあると思う。

大貫>ラクな部分と刺激をもらえる部分の両方あるから、一緒にいたいって思えるんでしょうね。近い部分は、貪欲なところ。常に何か新しいものを取り入れようとしてる。僕が勉強してきたもの、宮尾さんが見てきたものを、酒飲みながら話したりすると、いつも新鮮な会話ができる。だから一緒にいて楽しいし、良い時間が過ごせるんだと思います。

宮尾>遠い部分は踊りのベースですね。僕は毎朝バレエの稽古をするし、大貫くんはコンテンポラリーはもちろん、いろいろな場所でいろいろなひとたちと出会っているし……。

大貫>『Clementia』は去年2月にSINSKEさんと第一回公演を開催していて、二回目もいつかできたらとは思ってたんです。今年になって実際もう一度やろうかという話になったとき、“僕は宮尾さんと踊りたい”と言い、SINSKEさんが尾上菊之丞さんを紹介してくださったこともあって、最終的にこの5人で共演することになった感じです。

宮尾>大貫くんとはずっと“いつか共演したいね”と言っていたので、話があったときは迷うことなく出演を決めました。それに僕自身これまでクラシックでの経験は積み重ねてきていて、あえてそれを外した分野にチャレンジすることで自分を高めたいという気持ちがあった。そういう意味でも、ちょうどいいタイミングでした。

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2年前に初めて会ったときのお互いの印象はいかがでしたか? 

大貫>『ロミオ&ジュリエット』は再演だったので、“死のダンサー組はビデオを見て思い出ししといてね”という感じで、結構放っておかれた状態だったんですよね。僕と中島周さんは二回目で、宮尾さんは初参加。だから宮尾さんに振り移ししてあげなきゃいけないけれど、僕からしたら宮尾さんは先輩だし、どんな風に教えていいかわからない。実際僕も覚えてなかったから、“じゃあ一緒にやりましょうか”というスタンスでビデオを見て思い出しをしてたんです。だけどいざ動きはじめると、自分のことに夢中になってしまって、宮尾さんのことは忘れちゃってた。ふと気付いたら、宮尾さんがビデオを見てひとりで黙々と振りをおこしてて。僕だったら“何で振り入れしてくれないんだよ”って思うけど、文句も言わず取り組んでるからすごいなと……。動き出すとまた迫力がある。日本だとこのサイズ感のダンサーってなかなか生で見る機会がないけれど、とにかく手がすごく長いし、大きくてキレイだなというのが最初の印象でした。

宮尾>まず自分と同じくらいのサイズで、こんなに動けるダンサーがいるんだということに衝撃を受けました。その秘密を暴かなきゃと思って探っていたら、さまざまな要素があることに気付いて。運動神経と骨格と、あと頭の良さ。一回目の振り移しって、ダンサーはみんな振りを覚えることに専念する。二回目もだいたい振りを確認する感じだけれど、彼はもうそこで自分がどう踊るかを考えているんです。とにかくスピードが速い。リハでも一切手を抜かないし……。ちょっと褒めすぎかな(笑)。

大貫>以前『白鳥の湖』を観に行ったら、宮尾さんが登場したとき本当に王子様が出てきたような感じがして。場の空気を変えられるダンサーってすごいなって思ったし、とにかく華やかな印象があった。そういう経験は初めてだったのでびっくりしましたね。

宮尾>そこが真逆の部分かもしれない。バレエってファンタジーだったり、キレイなイメージの舞台が多いじゃないですか。でも『ドリアン・グレイ』もそうだけど、大貫くんは野性的な印象が強かったから、ないものねだりで格好いいなって思いましたね。